過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年6月29日放送

特集

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、三宅裕司さん

番組内容

今日のがっちりマンデー、テーマは傘!
でも傘って昔からそんなに進歩してないし、そんなに儲かってるの?
とお思いのあなた!!調べてみると、1年間で作られる傘はなんと1億3000万本!
世界中のビニール傘、その80%を輸入しているのが日本!
そう、日本は世界一の傘大国なんです!
今日のがっちりマンデーは、♪雨雨降れ降れアンブレラ〜、傘業界のヒミツに迫る30分です!

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ビニール傘の知られざる儲かりのヒミツ!

突然の雨…こんな時、とっても助かるのがビニール傘!その手軽さから、売り上げは年間約147億円!傘の中で一番売れている儲かり商品なんです。そんなビニール傘業界には、絶対に逃してはならない販売チャンスがあるという。ビニール傘メーカー、カルカン産業(株)の石野繁男社長に聞いてみると、天気予報がハズレた時は笑いが止まらないらしい!

Q:予報がハズレたら何で嬉しいんですか?
石野社長:晴れの予報で雨が降った時にはお客さんが傘を準備していないですから、売れ方が違うワケですよね!特に午後からの雨は絶好のチャンスなんですよね!
ビニール傘の儲かりポイント天気予報がハズレ午後から降ると売れる!
確かに、天気予報がハズレて仕方なくビニール傘買っちゃう事ありますよね。突然の雨はビニール傘業界にとって恵みの雨。とはいえ、突然の雨なんて世界中であるはず!…ところが、世界中で生産されるビニール傘は年間約7000万本。日本はナント、そのうちの約5000万本を消費している!そう、日本は世界でもまれに見るビニ傘大好き国家なんです!ほ〜ら、ご覧の通り、プロ野球の応援でもビニ傘使っちゃてるほど!

そんな日本人が愛するビニール傘、誕生のヒミツを探るべく向かったのは、東京都台東区にあるホワイトローズ。
迎えてくれたのは、ホワイトローズ(株)9代目会長の須藤三男さん。
…って9代目!?
ホワイトローズさんの創業は江戸時代、徳川幕府御用達の傘問屋でした。
それから数えて…

須藤会長:現在で287年続いているわけです。

そんな由緒正しき9代目の須藤会長が発明したのは…

須藤会長:現在のビニール傘を発明したわけでございます。

Q:ビニール傘を発明した人?
須藤会長:はいはい!

ナント!9代目須藤会長こそ、世界で初めてビニール傘を考案した、傘業界の発明王なんです!
ビニール傘の誕生は昭和28年、テレビ放送が始まった頃。
当時の傘は生地が木綿製。
傘なのに雨が染み込みやすいものでした。

須藤会長:自分たちが売ってる傘も色落ちとか防水が不完全で困ってたわけですよ。

そんな時須藤会長が目をつけたのは、ビニール製のテーブルクロス。
「これを傘の上に被せれば売れる!」と開発したのが、傘カバー。
なんと、傘を濡らさないためのビニールカバーを売り出したのです。

須藤会長:その傘のカバーが大ヒットしましてね!

Q:売れたんですか?
須藤会長:はい!

大ヒットした傘カバー、それを見て須藤会長は…

須藤会長:いっその事、傘の骨にビニールのカバーをかけてビニールの傘を作っちゃおうと!

と誕生したのが、世界初のビニール傘。発売すると瞬く間に大人気!

須藤会長:売れました!
当時の値段で絹張りの傘と同じ値段だったんですよ。

Q:高級傘?
須藤会長:高級傘だったんですよ.

ラーメン一杯約30円の時代に約3000円と超高額だったビニール傘ですが、防水性に優れ周りが見通せるとあって大ヒット!
その後、低価格のビニール傘が普及。
日本の傘の大定番となったのです!
そんな会長の最近のヒット作は?

須藤会長:4200円のビニール傘です。

えっ!?ビニール傘が4200円?誰が使うんでしょう?

須藤会長:選挙用演説にという事で。

ナントこちら、選挙演説専用のビニール傘。
「この傘を使えば選挙に勝てる!」そんな願いを込めて「カテール」と命名。

須藤会長:(元首相)小泉さんも森さんも使ってます。
自民党・民主党・共産党・社民党…みんな使ってます!

そう、傘業界の発明王・須藤会長の作ったカテールは、選挙に勝つための機能が盛りだくさん!
候補者のマイクが濡れないよう、直径1mの特大サイズ!普通のビニ傘と比べたらこの通り!

そして、顔が命の選挙戦。
ビニールの素材は、透明度の高いアルトロンフィルムを採用!

さらに!

須藤会長:握り具合が非常にフィットして、滑り落ちないと!

こりゃまた、そんな細かいゲン担ぎまで!
ビニール傘を使う事で、候補者は庶民派をアピールできるとあってカテールは政界から引っ張りだこ!

須藤会長:選挙の時にはカテールでがっちり!

折りたたみ傘の知られざる儲かりのヒミツ!

突然の雨で売れるのはビニール傘でしたが、雨に備えてがっちりなのは折りたたみ傘。
日本で折りたたみ傘が発売されたのは昭和26年。
でも、イマイチ人気なかったんです。
それは、骨組みが複雑で開くのがすご〜く面倒だったから。
そんな日本の折りたたみ傘に革命を起こす大発明が!
それは、傘メーカー、アイデアルが骨に伸縮自在のスプリングを組み込んで、開閉を簡単にした画期的な折りたたみ傘を開発!
傘業界としては空前の大ヒットとなったのです!

そんな折りたたみ傘業界で天才と呼ばれる発明家がいるという事で、われわれが向かったのは東京都目黒区にある傘メーカーのシューズセレクション。
こちらが天才発明家にして、(株)シューズセレクション社長の林秀信さん。
「秀」の字を「シュー」と読んでシューズセレクション。
一体どんな傘?

林社長:一番薄くて短い傘です!

こちら、超薄い折りたたみ傘、モバイルフラット。
従来の折りたたみ傘と比べてもおよそ半分の3cm。

長さだってほら!15cm!

スーツの胸ポケットにもすっきり収まるとあって、ビジネスマンにも大人気!
年間1万本売れたら大ヒットの傘業界において、なんとモバイルフラットは35万本の売り上げを誇っています!
そんな超薄い折りたたみ傘を生み出しているのは、およそ150種類、1700本の傘が並ぶ、傘のコレクションルーム。
この部屋でアイデアを練るのが林社長の日課。

Q:傘を眺めているのもお好きなんですか?
林社長:好きですよ!飽きない飽きない!
僕はいつもね、ベッドの上に傘を置いて横にも傘を置いて、傘に囲まれて寝てるんですよ!

傘に囲まれて林社長が考えたモバイルフラット。
どうやってここまで薄い傘を作る事ができたのか?

林社長:たまたま商談の時に扇子を振ってる人がいまして、あっコレだなと…
なんとなくコレなんじゃないかな…

気付いたのは扇子のとじ方。
広がった扇子をとじるとぺったんこになる。
こんな骨組みができないものか。
普通の傘は折りたたむと丸くなって薄くなりません。

しかし、モバイルフラットの傘骨を見てみると、扇子のように横に広がった骨は折りたたむと…薄くなるんです!

でも、こんな薄っぺらいのが何で丸く広がるのか?
それは、片側3本の骨のうち、外側の2本は自由に動くようになっているから。
そのため、骨が縫い付けられている生地に引っ張られるようにして、丸く開くというわけ…らしいんですが、この説明だけじゃわからないですよね?
この続きはスタジオで!

▼スタジオにてお話を伺いました。
進藤:こちらに骨組みをお借りしてきました。
これを開く事で(骨が)グーと伸びるんですけど、普通(この骨組みには)布がくっ付いているので、引っ張った拍子に布がついでに骨を引っ張ってきて丸くなるという事なんです。

森永さん:ビニール傘は結構進化しているんです。
最初の頃のビニール傘って、買うと粉がついてましたよね?
あれはね、でん粉なんですよ。最初は塩化ビニールというものでできていたんです。
塩化ビニールは、くっついちゃうんです。
そうすると開く時にもくっついちゃうので、でん粉を塗っていたんです。
けれども、今のビニール傘はポリエチレンという素材に進化したので、でん粉を塗らなくても大丈夫なんです。

進藤:そして他にも変わり傘をお借りしてきました。
まずこちらは、「カバー収納傘」と申します。
なぜかと言いますと、傘の先をクリクリクリッとやりますとカバーができるんです。

加藤:水がポタポタ漏れないようになるんですね。

進藤:そして今度は差そうという事になりますよね。
そうしたら今度は柄の先端をグルグルグルとやってギュッと引っ張ると、カバーが元のところに収納されるんです。
こちらが6300円です。

進藤:まだございます!
こちらは「ヌーブレラ」と申します。
コレを開いてこんな風に差すんです。
三宅さんいかがですか?

三宅さん:荷物を持っていて風がなくて急ぐ時に走れるんですね!
…あんまりやりませんよね!?

加藤:…日本じゃなかなか流行りづらいかもしれませんね。
目立つのを嫌うから。

予約してから3ヶ月待ち!大ヒット傘のヒミツ!

がっちり取材班が向かったのは、福井県福井洋傘。
迎えてくれたのは、(株)福井洋傘の社長、橋本肇さん。
予約で3ヶ月待ちという大ヒットの傘とは、一体どんな傘なのか?

橋本社長:これです!

Q:これが3ヶ月待ち?一本おいくらなんですか?
橋本社長:3万450円!

Q:傘が3万円ですか?
橋本社長:はい!

こちら、一本3万円の傘「ヌレンザ」。
あまりの人気で生産が追いつかず、現在3ヶ月待ち。

失礼ですが、この3万円もする傘が何で売れているのか?
そのヒミツは、この傘の商品名「ヌレンザ」に隠されていました。

橋本社長:実は福井弁で「濡れないよ」って言うのを「ぬれんざ」って言うんですね。
「コレさしていればぬれんざ」とかね!

そう、商品名の「ヌレンザ」とは「濡れないよ」っていう福井弁。
傘なら濡れないのが当たり前だろ!とお思いでしょうが、この傘の濡れなさ加減はハンパじゃないんです!
ヌレンザにびしょびしょ水をかけても水滴が玉になって滑り落ちる!

更に一振りしただけで、一瞬でカラッカラッ!
水滴一つ残っていない!こりゃすごい!!
正に濡れない傘のヌレンザ!そのヒミツとは…?

橋本社長:この傘は撥水する生地を使ってるんですね。

そう、普通の傘は生地の上に撥水加工をしているだけなんですが、ヌレンザは生地そのものが撥水する!
普通の傘と比べても格段の差!
…で、その生地のヒミツは?

橋本社長:生地の繊維の加工方法と織り方と…え〜…あとは何とかとのバランス…によるものなんですよ。

Q:その何とかを教えて下さいよ!
橋本社長:ハハハハ〜

何とかは教えてくれませんでした。
橋本社長の傘にはあるこだわりが…!

橋本社長:ウチはお買い上げいただいたお客様一人一人に"お客様カルテ"を作ってます。

お客様カルテとは、お客さん一人一人が好きな傘の長さ・重さ・素材・デザインなど細かな要望をまとめた物。
大手メーカーにはマネのできないサービスと「1本の傘を大事に!」の精神!
コレが福井洋傘の人気でした。

続いて向かったのは神奈川県相模原市、板金プレス加工の村春製作所。
迎えてくれたのは、(株)村春製作所の社長、村上稔幸さん。

Q:どんな傘を作っているんですか?
村上社長:傘は作ってないです…

Q:何を作っているんですか?
村上社長:ウチでは"傘ぽん"を作ってます!

そう、最近デパートや飲食店の前に置いてあるのをよくみかけますよね。
濡れた傘をビニール袋へ入れてくれる機械、これが「傘ぽん」。

Q:これを発明されたのが村上社長ですか?
村上社長:はい、私です!

社長、さぞかし売れたのでは〜?

村上社長:最初はやっぱり売れないですね。
見ようによったら灰皿に見られた事もあったんで…

あぁ、確かに灰皿に見えるかも…。
しかし、今では全国の色んなお店に設置されている傘ぽん!
傘袋自動装着器のシェア100%!
発売から6万台を売り上げる大ヒット商品に!
そんな傘ぽん、開発で一番頭を悩ませたのは、ひっついている薄〜いビニール袋をどうやって開かせるか。

村上社長:革靴を履くときに"靴べら"を使ったんですけどね、"靴べら"の形でいいんじゃないか…

靴べらって、一体どこに?
傘の先で傘ぽんのふたのような部分を押し込むと、するっと傘が袋に入っちゃう。
これが"靴べら"。

このつめがビニール袋に引っかかり、うまい具合に開けていたというわけ。
しかし、傘ぽんにある弱点が…!
傘を入れたビニール袋、雨のしずくが溜まって、歩いていたらズレ落ちちゃった〜なんて事ありません?
そこで社長が考えたのが、ビニール袋の口に取り付けた小さな帯。

村上社長:この袋の帯が引っかかる仕組みになってる。

その帯が傘を引き上げた時、うま〜く骨にひっかかるからズレ落ちない!
考えましたね〜!

村上社長:自分で言うのもアレなんですけど、いい機能だと思うんですよ。

意外と知らないこの小さなひっかかる帯、それが傘ぽんバカ売れのヒミツだったのです!

▼スタジオにてお話を伺いました。
進藤:傘ぽんなんですが、最近は折りたたみ傘用の物もできたという事です。

加藤:色々と考えているんですね。

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