過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年5月18日放送

特集

粘着テープ&シール業界

ゲスト

池上彰さん(ジャーナリスト)・夏川純さん

番組内容

貼って・貼って・また貼って!
今日のがっちりマンデーは、儲かる粘着テープ&シール業界!
粘着テープ・シールなどを合わせた市場規模はなんと1兆円にもなり、今大注目の業界なのです!
探してみると、儲かる粘着テープが皆さんの身近にたくさんありました!
粘着テープ&シール業界、その儲かるヒミツをはがしちゃいます!

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色々な粘着テープでがっちり!

貼って・貼って・また貼って!
儲かる粘着テープ&シール業界!

まずは、日東電工。
以前コチラは番組でも取り上げた偏光フィルムでがっちりな会社で、昨年度はなんと7500億円もの売上でした!
しかし、この日東電工は粘着テープでもすごいのです!
がっちりマンデー経済予報士見習いの川田がやってきたのは愛知県にある豊橋事業所。

そこには大量の粘着テープが用意されていました!
日東電工では現在、およそ3000種類の粘着テープを生産しているのです!

皆さんご存知のコロコロ、貼るカイロ、紙オムツを止めるテープ、階段の滑り止め、配水管の防音テープまで全て日東電工で作られたものだったのです!

こちらのテープも皆さんよくご存知のはず!
携帯の液晶を保護するテープは、日東電工が7割のシェアを確保しています!

さらにコチラの粘着テープは、警察の鑑識が使う指紋採りテープ!

川田:警察の方が使うものですよね?

A:お客様は警察です。

指紋がある場所に粘着テープを押し付けて、写し採ることができる!
表側には事件の記録ができる記入欄もあります。

続いて、くっついたらなかなか離れない超強力な粘着テープが登場!

川田が手を粘着面に付けると・・・

川田:あれ?あまりくっつかない!

しかし、このテープを金属に貼り付けると・・・

川田:すごい力入れているんですが、全くとれません!なんで?

これが何に使われているかというと…
なんと自動車に使われていたのです!
今やネジに代わって、バンパーやエンブレムは強力な粘着テープで留められています!
このテープは金属への粘着力を究極まで強めたものなので、指には付かないのです!

さらにこちらのテープも車のある部分に使われているのですが、ある変わった特徴があるのだとか!
なんと、このテープに熱を加えると硬くなるのです!

こんなグニャグニャのテープが本当に硬くなるのでしょうか!?
この粘着テープを筒状にして実験!
この時点ではまだ柔らかいのですが…
これをおよそ180度で加熱すると…
本当に硬くなっているのか!?

川田:硬くてまったく動きません!
叩いても大丈夫です!

見事に硬くなっていました!スゴイ!

このテープは自動車のドアパネルの内側に貼られて使われています!
柔らかい粘着テープは丸みのある鉄板に貼りやすく、あとで熱を加えて硬くすることで鉄板を補強することができるのです!
この硬くなる粘着テープは多くの日本車で鉄板の代わりに使われ、軽量化に貢献しています。
日興電工の粘着テープは身近なものから普段目にすることの無い場所まで入り込み、年間7500億円の売上を達成しました!

西川さん:日東電工は粘着テープがっちり!

ポスト・イットでがっちり!

貼って・貼って・また貼って!
儲かる粘着テープ&シール業界!

続いては、粘着業界大手の住友スリーエム。
おなじみのセロファンテープから交通標識の反射シートや圧倒的なシェアを占める自動車部品を留める両面テープなどで年間2600億円を稼ぎ出しています!

こちらでがっちりいっている商品を住友スリーエム株式会社文具・オフィス事業部の財津慎也さんに伺いました!

財津さん:ポスト・イット製品でがっちりです!

皆さんご存知のポスト・イット!
もはやオフィスに欠かすことのできない便利な粘着メモです!
住友スリーエムはこの粘着メモ分野でシェア70%以上と圧倒的な強さを誇ります!
ポスト・イットと言えば、一度貼りつけても、何度もはがして使えるのがポイント!

その誕生には意外なヒミツがありました!

財津さん:粘着剤としては大失敗だったんです!
シルバー博士という開発者がいたんですが、彼は「よくくっつく接着剤」を開発していました。
しかし、ひょんなことからよくくっつくけど簡単にはがれてしまう粘着剤が生まれたんです。
本来であれば捨てられてしまうものでした。

しかし、この粘着剤をメモ用紙に付けたところ、社内の秘書たちの間でたちまち話題になりました!
それがきっかけで1980年、ポスト・イットがアメリカで販売開始されるや大ヒット!

その粘着力のヒミツとは?

財津さん:粘着剤自体が球状で、表面に丸いポツポツがあります。
イメージとしては健康サンダルを思い浮かべて頂ければいいかと思います。

ポスト・イットをノートに貼ると、接着面がデコボコなので全体がベットリとは付きません。
さらに、この粘着剤は弾力性があるので、途中で切れることなくノートから剥がれるという特徴があります。
日本でも1981年に発売され、27年間で売上は40倍になりました!

その種類も400種類に増え、色や形も様々で、中には花の形をしたポスト・イットまであります!

財津さん:もっと大きいポスト・イットがあるのですが…
この形だとなんのことやらと思いますけど、実はこれホワイトボードになるんです!

ポスト・イットのホワイトボードってどういうこと!?

気が付くと、あっという間に壁にホワイトボードが完成しました!これなら壁さえあれば、どこでも会議ができます!終わったら文字を消して片付けるだけだし、持ち運びも自由!
ポスト・イットもここまで進化しました!

財津さん:ポスト・イット製品でがっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:やっぱりポスト・イットの最初はアメリカなんですね!

進藤:国によって使われ方が違って、欧米では主にメモとして使われています。
日本の場合は、付箋として使われることが多いので、あの大きさを3分の1の大きさにしたところ大ヒットしたらしいですよ!

加藤:熱を加えて硬くなる粘着テープは車に使われますよね!

池上さん:車だけじゃないみたいですよ。
ネジはたしかに良いんですけど、ずっと振動し続けているとネジが緩んでくることがありますよね。
常に振動しているようなものはネジよりこちらの粘着テープの方が良いので、たとえば冷蔵庫にはピッタリですよね。
冷蔵庫はモーターがずっと鳴っているから、長い時間経つとネジが緩んできます。
だから、こういうテープで留めておくと大丈夫なんです!
でも、ネジで留めなくても大丈夫ってなるとネジ業界が困りますよね。

早く・安くのラベルシール!

貼って・貼って・また貼って!
儲かる粘着テープ&シール業界、続いてはシール編!

取材班は大阪へやってきました!
そしてコチラがシール業界の知られざるキング、大阪シーリング印刷!
なにがキングかと言うと、商品に貼るラベルシールで日本一なのです!
きっと皆さんも一度は見たことあるはず!

そのバリエーションも様々で、コンビニ弁当の品質表示シールやバーコードのシールまで揃えています!
色んなラベルシールで昨年の売上は700億円以上にもなりました!

そんな大阪シーリング印刷の儲かり戦略とは一体どのようなものでしょうか!?
大阪シーリング印刷株式会社企画製版部企画課課長の山本真也さんにお話を伺いました。

山本さん:良いものを「安く」「早く」をモットーにしています。

安い!早い!コレどこかで聞いたことあるような気もしますが、そのヒミツは?
山本さんの後を付いていくと、

Q:こちらは何のフロアですか?

山本さん:ここはデザインをしているフロアです。

ラベルシールを作るときに最も時間がかかるのが、シールのデザイン!
大阪シーリング印刷にはラベルシール専門のデザイナーが30名もいて、注文に即座に対応できます!だから早いのです!

さらにパソコンには画像データが既に40万点も入っているので、新たに商品を撮影する必要がなく、その画像や文字を組み合わせて簡単にデザインすることができます!
だから安いのです!

試しにがっちりマンデーの写真を使ってシールを作ってもらうことに!

Q:今度がっちりラーメンというのを作りたいんですけど、それもすぐできますか?

山本さん:もちろん!1時間で出来ます!

注文したイメージは、夫婦で営むラーメン屋が儲けるために原価率を抑えられそうな業務用ラーメン。
さっそく製作開始!
写真の配置や色合いを調整して、わずか30分で完成しました!

コチラが完成した「がっちりラーメン」のイメージ!

さらに大阪シーリング印刷の強みは、立派な写真スタジオを持っていること!
料理も自分たちですぐに撮影できます!
この日はとんかつ定食を撮影中!毎日撮影することで、器の流行り廃りにも対応し、ラベルに使う画像データがストックされ続けているのです。

一方、先ほどのがっちりラーメンは、データがすぐさま工場に送られ、すでに印刷中!

完成です!早さはウチが1番です!

デコシールでがっちり!

貼って・貼って・また貼って!
儲かる粘着テープ&シール業界!

経済予報士見習い補佐の岡村が続いてやってきたのは…

岡村:群馬県みどり市笠懸町にやってきました!
ここでどんな儲かりシールを作っているのでしょうか?

やってきたのは有限会社 有美という小さな工場。

岡村:ここはどんなシールで儲かっているんですか?

有澤節夫社長:このネイルに貼るシールを作っています!

これがネイルを飾るデコネイル。
ネイルサロンに行けなくても、ひとつ500円前後で簡単にオシャレができるとあって大ヒット!
種類も350種類と豊富で、1ヶ月でおよそ 3万個を生産するまでになりました!
大ヒットの理由は、この粘着面にあるのだとか!

実際に岡村がデコネイリスト小西亜季子さんにデコネイルを貼ってもらいました!

岡村:このシールのどんなところが扱いやすいんですか?

小西さん:もしバラのシールをここに置いたとして「位置変えたいな」という時があったら簡単に取れるんです。

岡村:でも簡単に取れたらよくないですよね?

小西さん:このシールは時間が経つにつれて粘着力が強くなっていくんです。

そう!このシールには、貼ったばかりのときは粘着力が弱く、押し付けて貼ると時間が経つにつれてだんだん粘着力が強くなるという不思議な特徴がありました!
この特徴がネイルには最適なのだとか。

小西さん:これで完成になります。

岡村:10分でこんなにゴージャスになりました!

とてもシールとは思えない見事な仕上がり!

アイディアシールでがっちり!
貼って・貼って・また貼って!
儲かる粘着テープ&シール業界!

最後を飾るのは横浜市にある佐々木シール製作所。
社員わずか8名の小さな会社ですが、あるシールでがっちり!
さっそく社長室を直撃!
株式会社佐々木シール製作所の佐々木龍二社長にお話を伺いました。

Q:どんなシールで儲かっているんですか?

佐々木社長:このシールでがっちりです!
アダプタの警告ラベル作っています。

佐々木シール製作所は、携帯電話の充電機の表示シールのシェアが70%!
実はこのシールにはヒミツがあるのです!

佐々木社長:シールをアダプタに貼ることで、アダプタの中の温度を2度下げる役目もするシールなんです!

たしかに、挿しっぱなしで熱を持ちやすい充電機。
実は裏側がアルミになっていて、これが放熱する作用を持っています!
このシールは、熱を下げるアルミの板と表示フィルムを貼り合わせてできています。
2枚を貼り合わせたことで、社長は特許を取得したのですが、意外に簡単な仕組み!

生産量は1ヶ月100万枚!

佐々木社長:そんなに儲からないですよ。

Q:ちなみにコレ1枚いくらですか?10円?5円?

佐々木社長:それは言えないでしょ!
10円より少ないです。5円ではできないですよ。
ちょうどその中間くらいですかね。

Q:こちらで作っているシールはこれだけですか?
他にもなにか作っていますか?

コチラが金色に輝くシール!
どこかで見たことあるような…

佐々木社長:こちらのシールは棺桶の角に貼られています。
どこかでお目にかかることがあるかと思います。

そう!コレは棺桶用シール!
最近の棺桶は金具ではなくシールが主流になっているのです!
シールにすることで金具よりも値段が安く、燃えやしたとき金具のように残らないのだとか。

佐々木社長:これは1日2万枚くらい生産できます。

佐々木シールはシールでがっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
進藤:シールのあの早い印刷スピードというのはどうでしょう?

池上さん:以前、がっちりマンデーでコンビニ弁当取り上げたことがありますよね?
コンビニ弁当というのは季節によってどんどん新製品が出てくるってありましたよね。
コンビニ弁当が次々に新製品を作れるのも、こういうシールがあるからこそですよね。

加藤:考えてみたらシールが貼ってない商品がないくらいですからね。

進藤:粘着業界が次に狙う分野を教えて下さい!

池上さん:それは食べられるシール、あるいはそのまま料理しても問題ないシールですね。
最近、食の安全が大変注目されていますよね。
この肉はどこの農家で作られて、どういう風に運ばれてきたのかが全部わかるようなシールがあります。
しかし、そういうシールを外側に貼っておくと貼り替えられてしまう恐れがあります。
肉なり魚なり野菜なり、そのまま貼っても食べられる、そのまま料理しても消えてしまう、というシールにすると食の安全はこのシールでバッチリということになりますね。

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