過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年3月9日放送

特集

儲かる電気・水道・ガス

ゲスト

蟹瀬誠一さん(ジャーナリスト・明治大学教授)・マリエさん

番組内容

今日のがっちりマンデー!!は、儲かる電気、儲かる水道、儲かるガス!
…と言われても、普段使って いるものだしなんだか地味。
第一、あんまり儲かってなさそうだし…。と、思ったあなた!大間違いです!
今、日本の、そして世界の電気・水道・ガスがメチャメチャ熱い!
今日は、普段見る事のない電 気・水道・ガスの世界、そのヒミツに迫ります!

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儲かる水道ビジネスのヒミツ

儲かる電気・水道・ガス。まずは水道。そもそも水道って儲かるの?
日本で水道を管理しているところといえば、ご存知、水道局。
電気やガスと違い、都や市などのお役所が運営・管理をしています。
しかし、水道の値段は地域によってバラバラ。

富士川口湖町(山梨県)は、10m3当たり335円と激安。
それに対し、新潟東港臨海水道企業団(新潟市の一部と聖籠町の一部)は、同じ量で5376円と大きな開きが!
その値段を決めているのも、お役所。
つまり、日本の水道ビジネスは、今までずっとお役所の独占状態でした。
しかし、そんな状況に変化が起きているのです!一体何が変わったのか?

群馬県太田市の水道局にお邪魔しました。
話を聞いてきたところ、ナント…太田市水道局の窓口で働いている人は、みんな民間の会社の人たち。

これは一体…?実は、今から6年前の2002年に、水道法という法律が改正され、水道ビジネスに民間の会社が参入できるようになったのです。

ここ、群馬県太田市は、この制度をいち早く取り入れたパイオニア。
浄水場の維持管理、メーターの検針、水道工事や窓口サービスまで、ほとんどの仕事を民間の会社が行っています。

Q:民間企業に委託して、何が一番変わりましたか?
群馬県太田市水道局 小宮山義洋局長:経費が削減されまして効率化が進み、市民に満足していただいております。

Q:具体的にはどのような事が変わりましたか?
小宮山局長:具体的な効率化は、人員の削減。職員が半分になるという事ですので。例えば、2ヶ月に1回行われるメーターの検針作業。お役所が行っていた時は、全員が同じ奇数月に作業をしていました。ところが、民間に委託したところ、太田市を二つのエリアに分けて、交互に作業する事により、人数が半分になりました。

このような効率化の結果、7年間で6億円の削減効果があるとの事!!
太田市の市長にも聞いてみました。

Q:水道を民間に委託して良かったですか?
群馬県太田市 清水聖義市長:水道料金も値下げしましたし。サービスが落ちなければ、もっと値下げしてもいいんじゃない?(サービスの維持の)あとはコストがかからないようにする事が、我々の仕事じゃないですかね。

なんとも心強いお言葉!太田市の皆さん、まだまだ水道料金が下がるかもしれませんよ!?
日本の水道ビジネスに参入している民間企業の中には、なんと外国の会社もあります。
その一番手が、フランスのヴェオリアウォーター。
海外では、水道事業を民間企業が行うのが当たり前なんです。

フランス・ヴェオリアウォーターは、世界100ヵ国以上の水道ビジネスを請け負っていて、売上はなんと、1兆6000億円!営業利益 2000億円という、超儲かり企業!
世界の水道民間市場の35%を占め、日本のお隣、中国の水道ビジネスにも10年前から進出した、巨大水道会社なのです!日本では、

今後、更なる日本進出は確実!!水道業界から目が離せません!

▼スタジオでお話を伺いました。
蟹瀬さん:群馬県太田市水道局がやっている事は当たり前なんですけどね、それがお役所仕事なんですね。それともう一つ、案外気がつかないのは、お役所の人は3〜5年ごとに配属が変わってしまい、せっかく身につけた技術が生かされていかないという事。民間の場合、そこで頑張って仕事をするので、技術レベルも高まっていくんです。民間に任せる事には、こういうメリットもあります。

加藤:水道では、フランスのヴェオリアウォーターの話もありましたが…

蟹瀬さん:規制緩和されたので、日本のマーケットはこれから儲かると目をつけて、(ヴェオリアウォーターは)今年の1月に東京の中堅水処理会社の株を51%買ったんです。要するに子会社化しているわけですよ。そこに人も送り込んで、設備投資もして、日本の水道ビジネスに手を広げていこうという事です。

頑張るガスの逆襲

儲かる電気・水道・ガス。続いては、ガス。
早速、話を聞きに東京ガスへ。出迎えてくれたのは、東京ガス(株)増田智紀さん。

Q:儲かっていますか?
増田さん:いやぁ、ちょっと苦戦しています…

と、意外な答えが…。そう、今ガスには、とんでもない強敵が!!それは…オール電化!
これまでは、台所や風呂場はガス、それ以外は電気というような棲み分けができていました。

しかし、オール電化住宅は、すべてが電気!
お湯も電気、コンロもIH。お家にガスが必要なくなっちゃ〜う!!

去年のオール電化住宅の数は、おととしより26%も増加!
新築に至っては、なんと7割以上がオール電化という、驚異の売れ方なのです!
しかし、ガスにもチャンスがある!

▼頑張るガスの逆襲:1 天然ガス自動車
ガソリン価格高騰のおかげで、今注目されているのが、ガソリンの代わりに天然ガスで走る自動車。

天然ガス自動車は、あまり目立ちませんが、その数はうなぎ上り!
宅配便などのトラックや、都バスに増えていて、ここ10年で、10倍ぐらいに増えているんです。

見た目は全然変わらないけど、何がガソリン車と違うのか?
それは燃料代。なんとガソリン車の約半分!
その理由は、天然ガスの税率がガソリンよりも低い事にありました。

▼頑張るガスの逆襲:2 それは

最近よく聞く、「ガス・パッ・チョ!」というフレーズ。これは一体どういう意味なんですか?

増田さん:ガスでパッと明るくチョ!っといい未来を提供していこうという、東京ガスの合言葉です。

そう、「ガス・パッ・チョ」とは、今までにはなかったガスの新製品の事。
例えば、こちらはエコウィルという製品。

増田さん:これは、発電所を家に持ってきたものだと考えて下さい。例えば、電気を作るのに、 50円のガスを使います。この時、電気が30円分出てきます。同時に、あまった熱をお風呂や炊事場で使っていただきますと、40円のお湯が出ます。つまり、50円のガス代で、70円分の電気とお湯を作る事ができます。つまり、20円お得になるという事です。

これはお得ですね!さらに…ガスは意外な場所で使われていました。
それは、六本木ヒルズ!とは言ってみたものの、一体どういう事なのか?
六本木エネルギーサービス(株)の菊池謙一さんに教えていただきました。

菊池さん:六本木ヒルズ内にあるほとんどの建物に、電気と冷暖房のエネルギーを供給しています。そして、それをすべてガスでやっています。

六本木ヒルズは全部ガスで動いていた!!その心臓部にがっちり取材班が突撃取材!

菊池さん:緑色の箱の部分にガスタービンと発電機が入っていまして、発電をするところです。

六本木ヒルズでは、このガス発電機で電気を作り、さらにそこで発生した蒸気を冷暖房に利用。
こうして、効率よく建物内のエネルギーをまかなっているのです。

Q:例えば、東京が停電になってもここは停電しないという事ですか?
菊池さん:そうですね。それを目指してシステム設計をしました。

六本木ヒルズの灯は、ガスが灯していたんですね。
日本ではなかなか大変なガス会社ですが、世界には超儲かっているガス会社が!!
それは、ロシアのガスプロム。

売上高はおよそ10兆円!日本の国家予算の8分の1に相当!
儲かりのヒミツは、広大なロシアの土地に眠る、大量の天然ガス資源。
ガスプロムは、全世界の天然ガス埋蔵量の25%以上を所有。
現在、輸出のお得意先はヨーロッパ。
なんと、ヨーロッパのガスの3分の1をまかなっている。
って事は、ガスプロム抜きじゃ、もう生活できない!
そんなガスプロムが、次に目をつけているのがアジア。
日本にやってくる日も近いかも?

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:六本木ヒルズが全部ガスという事は、最新という考え方でいいんですか?

蟹瀬さん:そうですね。コージェネレーションという考え方で、ガスで冷暖房、さらに電力も作って、エネルギー効率を高めるというシステムです。電気とガスの勝負という話も出てきましたが、日本の場合は、オール電化というキャンペーンがものすごくうまくいったんです。なぜかというと、オール電化はとてもクリーンな感じで、安全性が高い。高齢化になってくると、お年寄りの側に火があると「危ないものかな」と思ってしまいます。だから、オール電化にするわけです。しかし、世界の流れを見てみると、埋蔵量も多い天然ガスが大体主流なんです。ガスプロムという会社は半官半民の会社なんですが、売上が10兆円近くあって、純利益が3兆円くらいあるんです。どれくらい税金を納めているかというと、ロシアの税金全部の25%をあの会社が納めているんです。

マリエさん:国があの会社で動いている感じですか?

蟹瀬さん:言ってみればそういうところがありますよね。
※先日のロシア大統領選挙で勝利したメドベージェフ氏は、ガスプロムの元会長。
蟹瀬さん:だから、ああいうエネルギーを押さえて、その技術も持っているとなると、世界で相当な影響力を持てるんですね。

儲かる電気 知られざるヒミツ

儲かる電気・水道・ガス。最後は、電気。
現在日本には、東京電力、関西電力など、10の電力会社があります。
10社の合計売上はおよそ17兆円という巨大ビジネス!
その電力会社の儲かりを左右する、一番重要なアイテムが何だかわかりますか?
やっぱり発電所?いえいえ、正解は…送電線。

電気は、遠くへ運べば運ぶほど減ってしまう性質を持っています。
だから、このロスを減らせば儲かる!
送電技術において、世界のトップを走るのが、東京電力。
世界をリードする技術って一体何なのか?

それは、世界で日本にしかない、100万ボルトの電気を送る事ができる送電線。
これで、遠くへ大量の電気を運べるようになりました。
それに加え、送電ロスも50万ボルト送電線の8分の1に抑える事ができるようになりました。
100万ボルト送電線のおかげで、効率よく電気を運べるようになったというわけなんです!
これが東京電力の誇る最新技術。
そして、この送電線が、海外でも大活躍の予定!!

経済成長が著しい中国では、電気の需要が大幅にアップ!
そのため、中国政府は発電所をたくさん作ったのですが、送電技術が未熟なために、作った電気のおよそ6割しか運ぶ事ができなかったのです。
そこに登場したのが、東京電力の100万ボルト送電線!
中国ではすでに、100万ボルトの送電線が建設中で、今年の12月に運転開始される予定なんです。

生活に必要不可欠な電気。
その電気を作っているのは電力会社だけじゃないって知っていましたか?
1995年から、普通の会社でも電気を作れば電力会社に売る事ができるようになったのです。

そのトップランナーが、神戸製鋼所。…って、やっぱり製鉄のイメージしかないんですけど、本当に電気を作っているんですか?

(株)神戸製鋼所 森本吉則さん:140万kWの発電をしております。

本当に作ってた!でも、その量がハンパじゃない!!

森本さん:神戸市全体の需要のピークの7割ぐらいを賄っております!

神戸市の7割!?すごいじゃないですか!
しかし、なぜ鉄を作る会社が、電気を作っているのか?
鉄鉱石と石炭を混ぜて鉄を作る製鉄業。その際、大量のガスが発生します。
このガスを捨ててしまってはもったいないので、火力発電によって、社内で使う電気をまかなっていました。

そのノウハウを元に、発電所で電気を作り、それを電力会社に売っていたというわけ。

製鉄業を行う会社には、発電所を作るノウハウも、原料も揃っていたんです。
だったらどんどん電気を作って売っちゃえ!という事で、電気事業に進出。
電気を作って卸売りをしている会社には、製鉄会社はズラリ!

その中で第一位に輝いているのが、神戸製鋼所なのです!
神戸の100万ドルの夜景。70万ドル分をまかなっているんですね。

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:製鉄会社が発電所と一緒なのは、相当優秀ですね。

蟹瀬さん:そうですね。自分のところにガスは出てくるは、石炭を燃やせば火力発電もできちゃうはで、「これだ!」と思ってやり始めたんですよ。これは非常に効率がいいわけですよね。今までただ燃やしていたガスで、エネルギーが作れちゃうわけですから。

加藤:日本の電気は世界をリードしていますか?

蟹瀬さん:電力会社が持っている技術の点ではね。先ほどもあったように、中国の送電線もありますし。送電線は抵抗があるので、ものすごい勢いでエネルギーがなくなっちゃって、電気をロスしちゃうわけですよね。なるべくそのロスを減らしていかせる事になれば、どこの国もそれを入れたい。東京電力は、その技術を持っている。東京電力自体は日本の電気会社というイメージがあるのだけれど、世界ランキングでいくと6位なんですよ。エネルギー全体で見ても8位ぐらいにいて、非常に大きな会社なんです。こういう企業が世界のリーダーになっていくよう、頑張りを見せてもらわないといけないですね。

進藤:電気・水道・ガスが次に狙っているビジネスを教えて下さい。

蟹瀬さん:それは、ネットワークビジネス、通信です。通信のインフラストラクチャーをみんな狙っています。電気の線っていうのは、ご家庭のところにみんなつながっていますよね。つまり、そこにネットワークがあります。そこで通信のインターネットを通せば、すぐ使えるわけです。水道にせよ、ガスにせよ、みんな皆さんのご家庭のところのパイプがつながっているわけです。そのパイプを使って、情報ネットワークを作っていこうと。

加藤:水でできるんですか?

蟹瀬さん:パイプがつながっているから、そのパイプを使っていけばいいという発想ですよね。

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