過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年2月10日放送

特集

CMでよく見る会社

ゲスト

田北浩章さん(東洋経済新報社 第一編集局証券部長)、眞鍋かをりさん

番組内容

今日のがっちりマンデー!!は、CMでよく見る会社の正体に迫ります!

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週刊○○でおなじみ!あの企業のヒミツに迫る!

CMでよく見る会社!まずはこちら!

"週刊〜"というフレーズでおなじみのこのCM、一度は目にした事があるんじゃないですか?
他にも、こちらは『週刊ハーレーダビッドソン』。

ハーレー好きにはたまらない記事と一緒に、毎週少しずつ"組み立てパーツ"が付いてくる!

全巻そろえると、ハーレーが完成!

こちら、『地球の鉱物コレクション』は鉱物についての情報が満載!

毎号1個、本物の鉱石が付いてくる!

こうして、お楽しみの付録や組み立て模型が付いて、普通の週刊誌とは大きく違うスタイル!
これらを出版しているのは…そう、デアゴスティーニ!
よ〜くCMで見るけど、どの位儲かっているのか?賑わう築地場外市場の隣にある本社に直撃!迎えてくれたのは、デアゴスティーニジャパン、マーケティング部部長の望月斉さん。

Q:売れ行きの方はどうなんですか?
望月さん:『歴史のミステリー』の創刊号は、久々に100万部を突破する勢いの売れ方になっていますね!

100万部!?
本当にそんなに売れてるの〜??という事で、三省堂書店に聞いてみたところ…
なんと!1日に100冊ぐらいを販売して、仕入れが追いつかない状態との事!!
『週刊歴史のミステリー』のような売り方は分冊百科(パートワーク)と言って、専門分野の知識を手軽に学べるよう、週刊や隔週刊で少しずつ内容を紹介していく方法。全部集めると百科事典のようになる事から分冊百科と呼ばれている。

おどろきの販売戦略とは!?

デアゴスティーニの創始者で、イタリア人地理学者のジョバンニ・デアゴスティーニは、当時分厚かった世界地図を何冊にも分ける分冊百科の手法で、世界中に普及させた人物。

▼デアゴスティーニ販売戦略1 大量CM作戦!
よ〜く見る気がするデアゴスティーニのCM、どれくらい流れているのか?

望月さん:創刊号を売っている2週間の間にCMを流しています。

そうなんです。実は、1つの商品CMは2週間しか流していません!
では、なぜ同じCMを何度も見る気がするのか?

望月さん:CMを見ているというのは(CMしている)商品のターゲットという事ですね。ターゲットの方が見ていらっしゃらない時間にCMを流しても意味がないので、お客様の購買層によってCMを流す時間帯はもちろん変えています。ご覧になっているという事は、その商品は買って頂きたいものです。

例えば、『地球の鉱物』に興味を持ちそうな人がよく見ると思われる番組をリサーチ。その番組に『地球の鉱物』のCMを集中投下!すると、その人が見る番組見る番組に『地球の鉱物』の CMが流れるというわけ。そのため、短期間しか流れていないのに何度も見ている印象が残っているのです!

▼デアゴスティーニ販売戦略2 創刊号のみ低価格作戦!
『地球の鉱物』は、創刊号のみ4割引!『歴史のミステリー』はなんと6割以上の割引!どうしてこんなに安くするの?

望月さん:皆さんに読んで頂きたいので、最初はお安くして手に取りやすくしています。

お試し買いの客が増えるのを狙った激安作戦!でも、こんなに安くしてその後売れなかったらどうするの?

Q:尻すぼみになっちゃう事もあるんですか?
望月さん:ないですね。

Q:はずれないって事ですか?
望月さん:そういうマーケティングをしています。

Q:その自信はどこからくるんですか?
望月さん:1年ぐらい時間をかけて商品開発していく間に、市場性や受容性などのリサーチを繰り返していくので。

開発に1年をかけているからこその自信!しかし、リサーチ以外にも購読者を飽きさせない作戦があった!

▼デアゴスティーニ販売戦略3 全部買わないと完成しない付録作戦!
例えば『地球の鉱物コレクション』は、全部で100号の出版予定。これに毎号1個ずつ本物の鉱石が付いてくる!そして2号目には、コレクション用の専用ボックスに鉱石が新たに1個だけ入ってくる!

こうなれば、空いているところも埋めたくなるのが人情…。

望月さん:『地球の鉱物コレクション』は、在庫として36万部ほど売り切れちゃったんです!石…皆さんお好きなんですよ。

Q:石はどうやって集めるんですか?
望月さん:産地から。

この商品のためにわざわざ採掘している!
「オリジナルの石を届けたい」というデアゴスティーニのこだわり!
そんなこだわりは『週刊ハーレーダビッドソン』や、『週刊戦艦大和を作る』などの組み立てシリーズにも表れています!

Q:組み立てシリーズは、プラモデルメーカーに発注するんですか?
望月さん:いえ、独自で造っています!

デアゴスティーニの模型の商品開発は、大手メーカーへの丸投げを一切しない!各分野の専門家と共同でオリジナルを一から開発するのだ!
『週刊マイ・ディズニーランド』は、遊園地をミニチュア化したファン推薦の組み立て式ジオラマ!

熱狂的ファンの期待に答えたいと、かなり専門家の方を悩ませたとか…。

Q:結構しつこくやり取りをしましたか?
望月さん:申し訳ないくらいにやりましたね。倒れそうになるくらいな感じで造って頂いたので。

倒れそうになりながら協力して下さった、ドールハウス作家の村上一昭さん。

村上さん:僕のを見せると、デアゴスティーニさんに「ああでもないこうでもない」というのがあって…本当は1年で仕上げたかったんですが、2年まで突入したのかな…。

Q:今後もデアゴスティーニさんと仕事をしたいですか?
村上さん:う〜ん…はい…

さらに!『週刊ハーレーダビッドソン』は完成まで89号出る予定。1年半以上かけて少しずつ部品が揃う。洋風のドールハウスを作る『週刊ヨーロピアンパレス』に至っては、なんと130号の予定。約2年半かけて完成させる計算に!

長期間の組み立て作業で大切なのは、誰にでも作れる扱いやすさ。デアゴスティーニには、説明書だけで作れるかを試すため、ひたすら組み立てる社員の方がいます。デアゴスティーニジャパン製作部の白子知美さんもその1人。

Q:今は何を作っているんですか?
白子さん:C62という機関車の組み立てチェックをしています。

Q:普段はプラモデルとか作られるんですか?
白子さん:ないです、全くないです!

Q:最初に作ったのは何ですか?
白子さん:最初は、戦艦大和。

Q:楽しかったですか?
白子さん:時と場合によりますね。

派手なCM展開の陰で、こうした地道な努力がデアゴスティーニの大ヒットシリーズを支えていました。

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:これはマーケティングのすごさですか?

田北さん:普通、出版社は編集主導で後ろから営業がついてくるという形なんですね。でも、デアゴスティーニの場合はマーケティング(営業)の決定権が強いという事なんですね。

進藤:一番売れたシリーズは、『クラシックコレクション』で180万部だそうです。ここで、ハーレーダビッドソンの組み立て品の完成品がスタジオに登場!

なんと!この組み立て品のハーレーダビッドソンは、ライトが点いたりエンジンやクラクションの音がしたりするんです!!

かなり個性派!?CM戦略の会社が登場!

CMでよく見る会社!続いては…

♪なめたらあかん〜なめたらあかん〜 人生なめずにこれな〜めて〜

強烈なインパクトのCMの会社は…
大阪府生野区に本社を構えるノーベル製菓(株)。
VC-3000のど飴を始め、のど黒飴、はちみつきんかんのど飴など、"人気のど飴"でヒットを飛ばしている会社!
出迎えてくれたのは、ノーベル製菓(株)開発部長の藤澤匡さん。
ノーベル製菓の新商品を出す基準は一体何なんですか?

藤澤さん:特徴があって変わっていれば、勝負してみたらええんちゃう!一か八かやないですけど、売れるか売れんかでええんちゃう!そんな判断の仕方でやってます。

こんな軽〜いノリが、次々と大ヒットを生み出すヒミツ!

こちらのVC-3000のど飴も…

藤澤さん:「1000」より「3000」の方がええかなみたいな(笑)

と、軽〜いノリで決定!でも、ちゃ〜んと1袋にビタミンCが3000mg入っていますから、安心して下さい!

さらに、ノーベル製菓のある大阪は飴を"飴ちゃん"と呼んで、おばちゃんはみ〜んな持っているという。
そう、大阪のおばちゃんは飴ちゃんが大好きなんです!
大阪は、三大飴メーカーのノーベル製菓、UHA味覚糖、扇雀飴本舗が売り上げを競う、日本一の飴激戦区なんです!

そもそもノーベル製菓の社名は、初代の社長がノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士とちょっとした知り合いだったから。
そんなノーベル製菓、初期の大ヒット飴といえば…「スーパーレモン」!

今まで味わった事のない酸っぱさが大ウケ!
そしてこの後、ノーベルのCM戦略がスタート!
飴なのに♪なめたらあかん〜のフレーズで、VC- 3000のど飴が大ヒット!
商品名よりも「なめたらあかん」のCMで覚えられた事が大きく影響し、売上も 5〜10倍くらいに上がりました!
そして…

なぜかトドが温泉につかる不思議なCMで、のど黒飴も大ヒット!
そのユニークさで成功したノーベルのCM。
しかし!それよりももっと恐るべきノーベル流CM戦略がありました!それは…
"新発売の2年後からCMを始める"!

新発売の2年後にCM開始ってどういう事?
これは、発売してからお客さんの反響をもらい、「波に乗ってきたかな?」というときにCMをタイミングよく流すという事なんです。
そう、ノーベル製菓が新商品のCMを作る事はほとんどありません。
「いっぺん勝負してみたらええんちゃうん!」の精神で、まず新商品をたっくさん発売!
1〜2年様子を見てから、売上が好調なものを選び、さらにその商品が売れるようCMを作っていたんです。

そのため、こちらの「のど黒飴」も発売は97年ですが、CMの放送はなんと6年後の 2003年に始まりました。

CMでよく見る会社!続いては…

感覚伝導フィルムというものに映っている男の子に、女の子がいきなりキス!
なんとも刺激的な日東電工の CMですが、何を作っているのか、どんな会社なのか謎だらけ…。日東電工だけに電気関係の会社なの?
早速電話で聞いてみると…

A:主に粘着テープとか光学フィルムを作っている会社です。

粘着テープ?失礼ですが、どれ位儲かっているんでしょうか?

A:今年度はグループ全体で約7500億円ですかね。

えっ!?売上7500億円!!粘着テープやフィルムでそんなに稼げるの??
この謎を解くため、尾道の事業所を直撃!
その儲かりのヒミツとは?それが、このフィルム。

日東電工(株)執行役員オプティカル事業部長 高崎秀雄さん:このフィルムは偏光フィルムと言って、お家の液晶テレビとかパソコン、携帯電話は、このフィルムがないと見れないんですよ。

この偏光フィルムは、光の通り具合をコントロールするもので、携帯電話やパソコン、ゲーム機など全ての液晶画面に使われています。そして、日東電工の偏光フィルムは世界シェア、なんと50%以上!!実際に日東電工の売上高は右肩上がり!

そして、もう一つの儲かりの柱がこちら!

高崎さん:粘着テープのビジネスでもがっちりやってます!!

粘着テープでがっちり!…って、さすがに無理があるんじゃないですか?

高崎さん:自動車にもたくさんのテープが使われております。

なんと、今まではネジやビスで留めていたバンパー、サイドモール、エンブレムなどの車の部品も、非常に強力な両面接着テープができたおかげで、テープで留められる時代に!
日東電工のテープは、その他にも日用品から医療用テープに至るまで、色んな場所で使われています。

でも、バンパーみたいな重い物を留めるテープって、どの位強いの?という訳で実験してみました!金属の板に両面テープを貼って床にくっつけます。これを引っ張るとどうなるのか?
まずはスタッフが挑戦!
…まったくはがれない!
3人がかりでも…びくともしません!!これは強力!!

そんな日東電工のCMが作られたきっかけは、意外な理由でした。

高崎さん:例えば、「日東電工ですよ」って言っても、「そんな会社知らないよ」というような事がありまして…。

確かに、自分が働いている会社の事を知らないと言われたら、ちょっとショック…。それで、

高崎さん:社員の一体感とかモチベーションを上げるために、CMを作ろうという事になりました。

なんと、お客さんのためというよりは、社員のためのCMだったのです!!日東電工のCMは、社名が世間に知られる事で2万5000人の社員のモチベーションを上げ、一体感を持ってもらおうという、驚きのCM戦略だった!
 
▼スタジオでお話を伺いました。
田北さん:日東電工は売上が7500億円と言っていましたが、もっとすごいのは利益なんですよ。(一般の製造業の経常利益率は平均5%なのに対し)日東電工は1割利益が出ていて、めちゃくちゃ儲かっています。経常利益率が1割という会社は、あの銘柄ではないですよ。それはなぜかと言うと、日東電工は世界シェアトップの製品を20以上持っているからなんです。

加藤:物を売るためだけじゃないCM戦略もあるという事ですね?

田北さん:そうですね。

加藤:ノーベル製菓はノリですよね。あのノリでいい会社になっているんですよね。

進藤:それでは最後に田北さんにお伺い致します。気になるCMのスゴイ会社を教えて下さい。

田北さん:今、ミラバケッソというのがありますよね。"未来(ミラ)に化ける(バケ)新素材(ソ)"という事で、(株)クラレです。ミラバケッソは現時点ではまだないんです。でも、日本の素材産業は非常に強いので、それを積極的に打ち出そうとしている素材メーカーのCMは面白いと思います。

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