過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年2月3日放送

特集

駄菓子

ゲスト

池上彰さん(ジャーナリスト)・スザンヌさん

番組内容

本日のテーマは、駄菓子!!
…あの10円とか20円で買えちゃう駄菓子業界って儲かってるの?
と思ったアナタ!儲かってるんです!
という事で今回は、安くてうまくて懐かしい30分、「儲かる駄菓子」の始まり始まり〜!!

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意外なところでがっちり!

本当に駄菓子業界は熱いのか?
やってきたのは昨年オープンした、ららぽーと横浜。
イトーヨーカドーや大丸をはじめ、370のショップが入居する巨大ショッピングセンター。
この一角に、全国に120店舗をチェーン展開する「だがし夢や」。

こんな昔ながらの駄菓子屋が、ショッピングセンター内でトップクラスの収益を上げていたのです!
でも、ショッピングセンターに駄菓子屋って、ちょっと意外な気もしますが…?

ららぽーと横浜オペレーションセンター 河野大輔さん:
ショッピングセンターは(客の)年齢層が限定されませんので、ファミリーの方はもちろん、若い方から年配の方までご利用いただいています。
駄菓子は幅広い世代の集客が見込める商品ですので、駄菓子店はららぽーと横浜に欠かせない店舗です。

集客面で、駄菓子屋はショッピングセンターになくてはならない存在なのです。
そんな「だがし夢や」の社長は、笑顔の素敵な高杉弘美さん。

失礼ながら、駄菓子って儲かるイメージがないのですが…?
高杉社長:(駄菓子は)10円20円の積み重ねですから、一つ一つ一つ点数を売っていかないとダメなんですよ。数多く売る時に必要なのが、商品管理。今、駄菓子がブームになっているのには、一つのきっかけがありました。それは、バーコードの導入。

どんなに小さい商品も一個ずつバーコードで管理。そうする事でスーパーやコンビニに置けるようになり、駄菓子は一気にブレイクしたのです!このバーコードを、各駄菓子メーカーに頼んで最初につけてもらったのが「夢や」でした。

高杉社長:バーコードを使う一番の理由は、(駄菓子)メーカーさんに「これ位売れるからこれ位作ってほしい」というオファーができる事。これできないと欠品するんですよ。

"売れる商品は絶対に欠品させない"。
これが「夢や」の儲かる理由だったのです。

懐かしの駄菓子 儲かるヒミツPart1

大人のマネをして怒られた事もありました…
1951年発売の「ココアシガレット」!

「ココアシガレット」は、砂糖・ココア・薄荷パウダーを混ぜて固めたもので、デザインはタバコの「Peace」がモチーフ。

作っていたのは、大阪市にあるオリオン(株)。
今でも月に50万個を売り上げています。発売当初から順調に売り上げを伸ばしてきた「ココアシガレット」。
しかし、ある事件をきっかけに大ピンチに…!
「子どもがタバコを吸うマネをするのは良くない」と、教育委員会から販売の自粛を要請されたのです。

しかし、これが逆に話題を呼んで注文が殺到し、余計に売れるという結果に!
かる〜く逆境に打ち勝った「ココアシガレット」は、もちろんタバコのパロディ。
オリオンは他にも数々のパロディ駄菓子を生み出しました。

ライターをモチーフにしたのが、「梅ミンツ」

90年代には、ラムネ菓子の「食べルンですHi」を発売。
もちろん、富士フィルムの「写ルンです」のパロディ。
シャッターを押すと、レンズからラムネがコロリ!

でも、デザインの使用許可はどうしたのでしょうか?
実はオリオン、許可を取らずに勝手にマネをして作ったのだとか…。

そして、1978年に発売して大ヒットとなったのが…「ミニコーラ」!!

これぞ究極のパロディ!!
せっかくなので、「ミニコーラ」の製造ラインを見せていただく事に。
今でも1日に10万個のミニコーラが生産されていました。

懐かしの駄菓子 儲かるヒミツPart2

お次は、チューインガム市場に革命を巻き起こした、1960年発売の「フエガム」。

作っているのは、大阪市にあるコリス(株)。
どうして「フエガム」は音が出るのでしょうか?
2枚の5円玉をセロテープで巻き、フエガムと同じように吹いてみると音が出ます。
これは、2枚の5円玉の間の空洞によって音が出ているのです。

実はフエガムやフエラムネも、これと同じ原理で作られているのです。確かにフエガムにも空洞がありました。

コリスでは今でも1日に12万個のフエガムを生産中!
実はこのフエガム、ガムを粉にする技術、笛の形を作る技術、合体させる技術と、3つの特許技術を持つすごい駄菓子なのです!
コリスではフエガムのほか、フエラムネやフエキャンディも製造しています。

海外にも輸出され、外国の子どもたちにも大人気!

そんなコリスのここ最近のヒット作が…「へんなガム」!

実はこのガム、レモン味とオレンジ味をソーダ味を一緒に噛むと、コーラの味に変わるというもの。確かに、最初からコーラ味じゃないところが変ですよね!

▼スタジオでお話を伺いました。
池上さん:オリオンの商品のコンセプトは「子どもは大人のマネをしたい!」。昔は大人がタバコを吸っているのが、子ども心におしゃれでマネをしたい訳ですよね。口にココアシガレットを挟んでは、タバコを吸った気分になっていましたね。

加藤:でも、一時期駄菓子も低迷していたんですよね?

池上さん:駄菓子って昔は非常に零細なメーカーが作っていて、バーコードにまで手がかけられなかったんです。それが、バーコードを付けた事で販路が広がり、駄菓子業界の裾野が広がったんです。

加藤:コンビニやスーパーで買えるようになりましたしね。

池上さん:それともう一つが、もともと値段がが安い駄菓子には「値引きして下さい」という話がこないんですよ。100円の商品だと、スーパーマーケットで「今日はこれを目玉商品にしますから、ちょっとまけて下さい」と言われてしぶしぶやる事がありますが、10円の商品だと「値引きして下さい」なんて言われない訳ですよ。なんとか儲かるという値段を一度作れば、ずっとそれを維持できるんです。

懐かしの駄菓子 儲かるヒミツPart3

子どもの口にはやや大きめな黒光りする棒。
ホームランが出ると、その場でもう1本ゲット!
…と言えば、1964年発売の「チョコバット」。

発売当初は3本10円で、こんな感じでした。

作っているのは、静岡県浜松市にある三立製菓(株)。
あの大ベストセラーの「源氏パイ」や、子どもたちに大人気の「かにぱん」を製造する大手菓子メーカーなのです。
約束の朝8時30分に伺うと、役員会の真っ最中…。
テーブルの上には三立製菓のお菓子がたくさん並べられています。

すると、三立製菓(株)取締役企画部長の古谷由平さんが食べ始めちゃいました。
会議中なのにいいんですか!?
しかも朝ですよ…。

三立製菓(株)松島邦保社長:今日は彼が試食の当番でしてね。

そう、毎朝役員の持ち回りで自社製品の試食を行っているのです。しかも全種類!
古谷部長、朝からきつくないですか?

古谷部長:いや、これが仕事ですから!
松島社長:お酒飲みの人には辛いかもしれませんけど。

これが"製品に対する最終責任は上層部が持つ"という姿勢の表れなのです!
ところで、人気の「チョコバット」には一つ弱点があると聞いたのですが…?

松島社長:チョコレートが溶けるので、夏場は販売を中止しております。

なんと、「チョコバット」は季節限定商品だったのです!
この季節、1日になんと20万本を生産中!!

懐かしの駄菓子 儲かるヒミツPart4

ゾウのマークのふたをはがして、ちっちゃい木べらで食べるのが嬉しかった〜!
1961年発売の「モロッコヨーグル」。
ふたの色は違っても中身は同じ。

「モロッコヨーグル」を作る、大阪市にある会社に伺ってみると…

普通のお家。
サンヨー製菓(株)は住宅兼会社なのです。
裏口から入ると、若い男性の姿が…。

最近就任したばかりの3代目、池田光隆社長!ところでこの「モロッコヨーグル」、当時売れていた瓶のヨーグルトをヒントに作られていたってホントですか?

池田社長:大きいのはなかなか買えないけど、パクリ的な商品であれば小さなお子さんでもお小遣いで買えるという事で…。

Q:今パクリって言いました?
池田社長:パクリ…ですね。

Q:どうしてヨーグルトじゃなくてヨーグル?
池田社長:ヨーグルトになると乳飲料になってしまうのですが、モロッコヨーグルの原材料には乳製品を全然使っていないのでヨーグルに。

原料に乳製品を使っていないため、ヨーグルトとは付けられない。正に愛すべき駄菓子ならではのネーミング!
では一体どうやって作っているのか?自宅の2階にある本社工場を見学させてもらいました。ショートニングと呼ばれる植物油脂に、グラニュー糖とブドウ糖で味付け。香料のオレンジオイルを加えて15分程ホイップさせれば完成!従業員たったの5人で、1日7万個の「モロッコヨーグル」を作っていました!

池田社長:(モロッコヨーグル)一筋でこれだけしか作っていないんですけども、10年位前からジャンボサイズも作っています。

10年程前に発売されたのが、この「ジャンボヨーグル」。

「モロッコヨーグル」の11個分で、パンに塗って食べると抜群においしいのだとか!?

くじ付き駄菓子でがっちり!

ところで、駄菓子の取材をしているうちに、我々はある事に気付きました。
駄菓子は、名古屋のメーカーがダントツに多い!!
そうなんです!
名古屋市西区の明道町交差点辺りは知る人ぞ知る、駄菓子の問屋街。
30店の駄菓子問屋が軒を連ねています。
なんでも、名古屋は日本一問屋が多い場所なのだそう。

では、どうして名古屋には駄菓子メーカーが多いのでしょう?
実はこの地方では、新築祝いで屋根からお菓子をまいたり、結婚式で新郎新婦が菓子袋をまく風習が今でも残っています。
それが、名古屋を駄菓子の聖地にしたというわけ!

それでは、名古屋の有名駄菓子をご紹介!
まずは、カクダイ製菓の「クッピーラムネ」。
言わずと知れたラムネ界の王様です!

続いて、井桁屋のソフト菓子「トンガリ」。
もう名古屋でしか作っていないという話も。

耕生製菓の「耕生のフルーツ引き」。
元祖糸引き飴は、愛知県豊橋市で生まれました。

そして、忘れてはいけないのが丸川製菓(株)!
マルカワと言えば…1959年発売の「マルカワマーブルフーセンガム」。

このま〜るい大ヒットガムも名古屋で生まれたのです!
その特徴はなんといってもま〜るい形ですが、実はこれにはある理由がありました。
1950年代、アメリカから輸入されていた四角いタブレットタイプのガムを国産化しようと考えたマルカワ。
しかし、これが大失敗!!
そこでマルカワは、四角がダメなら丸くしようと考えた!
マーブルガムは発想の転換から生まれた商品だったのです。
ま〜るい形は子どもたちにバカ受け!
マーブルガムは、たちまち大ヒット商品になったのです!

そして、丸川製菓のもう一つの定番ガムが…
1962年発売の「フィリックスガム」。

アメリカのコミックから採用したキャラクターが、これまた大人気に!!

しかし、この二つのガムが大ヒットしたのには、もう一つ理由がありました。
それは…くじが付いていた事!
くじに当たった時の喜びが、子どもたちにウケたのです!

あたりが出たらもう一個!
でも、「あたりは買ったお店で交かんしてね!」って書かれています。
あたりは他の店で交換しちゃダメなんですか?

そこには、子どもの頃には考えもしなかった"からくり"があったのです。それは、お店に納品する36個入りのケースの中に、お店が赤字にならないだけの当たりくじが入っているという事。だから、他の店に当たりを持っていくと、その店は大赤字になってしまうのです。みなさ〜ん!この駄菓子業界のルールを必ず守って下さいね!

▼スタジオでお話を伺いました。
池上さん:子どもの頃は、あたりをどの店に持っていっても、その店があたりくじをメーカーに持っていって実物と交換してくれるから大丈夫だろうと思っていました。でも、そんな事をしていたらコストがかかりすぎますからね。あたりくじは売ったお店で処理をして下さいという仕組みだったんですね。

加藤:それにしても、あたりが出るっていくつになっても嬉しいものですよね。

池上さん:10円や20円でそれだけのワクワク感が持てるんですからね。

進藤:そういった事も含めて、駄菓子の強さって一体何なんでしょうか?

池上さん:インターネットで駄菓子が買えるようになったというのは大きいですよ。バーコードが付いて、さらにインターネットでも買えるようになって、駄菓子も時代と共に進化しているという事ですね。

進藤:それでは最後に伺いたい事がございます。もっと儲かる駄菓子の作り方は何でしょうか?

池上さん:それは、ヘルシー機能をプラスするという事です。駄菓子だけれどビタミンが入っていますよとか、食物繊維ですよなど、ヘルシー機能を一つプラスする。

加藤:でも、消費者が駄菓子にそれを求めていますか?

池上さん:子どもは大人のマネをしたがるでしょ?大人が今、「メタボにならないように」とか、「ヘルシーな物を」などと言っているのを見て、子どもにも「ヘルシーな物を」と言って、子ども心をくすぐるのはどうですか?

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