過去の放送内容
2007年2月25日放送

特集
CoCo壱番屋
ゲスト
(株)壱番屋 浜島俊哉 代表取締役社長
番組内容
日本人が大好きなカレーライス!
1日に2800万食も食べられています。
当然、カレーショップの業界も抜きつ抜かれつの大激戦かと思いきや、独走状態のすごい会社が!
それは、CoCo壱番屋!
そう、みなさんご存知の"ココイチ"。
他のカレーショップは50店舗以下なのに対して、ココイチはというと…
その数1000店舗を超えるダントツのトップ!
まさに1人勝ち状態なんです。
今回のがっちりマンデーは、独走するカレー王国・CoCo壱番屋の大成功の秘密に迫ります!
一大カレー王国の意外なスタート
総店舗数、1062店舗!
年商は600億円!
名古屋に本拠地を構える「壱番屋」本社。
この一大カレー王国を築いたのは、こちらのご夫婦。
壱番屋の創業者で特別顧問の宗次徳二さん。
そして現在の会長であり奥様の直美さん。

今から30数年前、お二人は勤務先の不動産屋会社で知り合い、昭和47年に結婚。
その2年後、二人は会社を辞めて、名古屋で喫茶店を開きます。
その店で出し始めたのが、奥様お手製のカレーライス。
市販のルーで作ったごく平凡なカレーライス。
しかし、家庭の味がウケたのか、カレーライスを目当てに来るお客さんが急増!
ちょうどその頃、名古屋で流行っていた喫茶店の出前サービス。
この車をフル稼働して出前しなければならないほどの人気ぶり。

思い立ったらもう止まらない!
早速ご主人徳二さんは、単身東京へ。
有名カレー店の試食調査に出かけました。
ところが…
「評判の店、老舗の店には、個性的なカレーが多いですね。
でも、やっぱりどなたが食べてもまあまあおいしいっていう、そういう家庭的なカレーが一番いいのかな、とその時確信持ちましたね」
おいしさは「ここが一番や〜」ということで、店名はCoCo壱番屋に決定!
1978年、名古屋郊外で記念すべき第1号店をスタートさせました。

しかし、カレー専門店のノウハウなど何もない素人夫婦。
1日の売り上げが数千円という日々が…
しかし、二人にとって素人であることが、成功への最大の武器となるのです。
ココイチを日本一にした素人パワーとはいったい何なのでしょうか?
CoCo壱番屋1000店舗突破のヒミツ1:おいしさはお客が作る?
プロの料理人でもなくカレーの専門的知識もなかった宗次夫妻。
そこで、お客さんの好みのカレーをお客さんに作ってもらっちゃおう!
ということではじめたのが…ココイチ流の「フルチョイスシステム」!
カレーソースの辛さを選べる!
ソースの辛さを1辛〜10辛まで自由に選べるようにしたんです。

さらに、ご飯の量を選べる!
お客さんの好みに応じて、ご飯の量も100g単位で変えられるようにしました。

ご飯の盛り付け、ココイチにはこんな凄腕スタッフも!
300gグラムでお願いしたところ…なんとピッタリ、おみごと!
カレーのトッピングを自由に選べる!
ロースカツやハンバーグなどの定番ものに加えて、オクラや納豆まで。
沢山のトッピングから自由に選べるシステムも導入したんです。
こうして、自分だけのカレーが作れるというアイディアは大ヒット!

さらに、宗次ご夫妻は…
「カレーを一度冷凍すると、どういう加減でか分かりませんが、おいしくなります。
それはもう、明らかに違うんです!」
ということで、栃木県にあるココイチのカレー工場を突撃!
こちらの巨大な鍋で、ココイチカレーは10時間ゆっくりと煮込まれます。

袋詰めされたカレーソース、実はこのまま出荷することも可能ですが、わざわざ冷凍倉庫で一週間ほど凍らせてから各店舗へ運んでいます。
よくカレーは一晩寝かせるとおいしいと言いますが、おいしくなるから一週間凍らせちゃう宗次夫妻。
素人夫婦だからこそできた、おいしさへのこだわりです。
そして、お客様へのサービス面でも、素人だからこそ思いついた方法が!
それは…
▼CoCo壱番屋1000店舗突破のヒミツ? お金をかけて苦情をもらう!?
カレー専門店などやったことない素人夫婦にとって知りたかったのは、お客さんの本音。
そこで考えたのが、アンケート用紙。
でもよく見てみると、無料の「郵便ハガキ」になっています。
なぜでしょうか?
店では書きにくいことも、郵便ハガキなら家でゆっくり書ける。
お客さんの本音が本部まで届きやすいと考えたから。
さらに、一つでも多くの苦情をもらうため、お食事券のプレゼントまで!
このアンケートには、印刷費、郵送料、食事券代など、月々300万円もかかります。
ですが、苦情はお金をかけても買うべきというのが、壱番屋のポリシー。

お客様アンケートで寄せられた要望から、子供用のエプロンや紙ナプキンが置かれるようになりました。
また、福神漬けを無着色のものにしたのも、アンケートの要望からなのです。
もちろん、社長のデスクにも届いてます。
浜島社長もアンケートについて、こう話していました…
「マーケティング活動もしますが、でも最も重要なのは、お客さんから寄せられたアンケートですね。
中には背筋が凍りつきそうなものもありますけど、喜んで頂いている声も聞かせてもらえれば、力になるしね!」
▼さて、スタジオでは壱番屋の浜島社長にお話を伺いました。
加藤さん:CoCo壱番屋は、吉野家より店舗数が多いと聞きましたが、増えた理由についてどう分析していますか?
A:やはり、日本人はカレーが好きだということでしょうね。
加藤さん:アンケートにかかる月300万円は、相当な額ですよね。やはり、店内でアンケートを書くのはダメですか?
A:人間の心理として、全部のアンケートが本部に届いて後で社長が見ると考えると、店舗で働いているスタッフは送りたくないなと考える。間引きしてしまうかもしれない。
加藤さん:創業者の宗次夫妻は、キャラの濃いスゴイ夫婦ですね。力関係は奥さんの方が強いんですかね??
A:大きな声で言えませんが、そうだと思います(笑)
乙葉さん:さて、ココイチのグランドマザーカレーをご用意しました。
加藤さん:社長のカレーの食べ方を教えて下さい!
A:私の食べ方は、まずご飯とカレーの境目から食べます。そして、食べたらここに場所ができるでしょ(笑)ここに福神漬けを置いて、食べます。
乙葉さん:食べてみると、ココイチのカレーは確かに家の味。なつかしい味ですよね。カレーを冷凍するのは、何かヒミツがあるんですか?
A:調べなくても、おいしいからいいじゃないかと!根拠なんか関係ないです(笑)
ココイチ独自のフランチャイズシステムとは!?
カレーチェーン業界の中で他のチェーン店は多くても50店舗。
対してココイチは…その数1062店舗!
ダントツの1人勝ち状態!!

なぜココイチだけがこんなに店舗を増やせたのか?
CoCo壱番屋独自のフランチャイズシステムを徹底解明!
▼CoCo壱番屋1000店舗突破のヒミツ1 ブルームシステムって何?
通常のフランチャイズ展開は、本部に加盟料やロイヤリティーを支払えば経営ノウハウが手に入るシステムのこと。
あるカレーチェーンのロイヤリティーは売り上げの5%。月商500万だと、ロイヤリティーは25万円。
年間300万円と結構なお値段。

しかし、CoCo壱番屋のブルームシステムの場合、ロイヤリティーは必要ありません!
加盟店は、カレーソースや具材などを購入するだけ!
このシステムについて宗次徳二さんは、
「やはり一軒一軒のオーナーさんに利益を上げて頂いて、"この商売はいい商売だな"と思って頂く。
そういうふうに広げて頂けたら、と思います」
と話しています。
CoCo壱番屋のブルームシステム。
もうひとつの特徴は、社員になるということ。
通常のフランチャイズの場合、お金を払えばオーナーになれますが、ココイチは違います。
将来独立を希望する人は、正社員として入社。
直営店で勤務、給料をもらいながら壱番屋のノウハウを身につけるというもの。
独立までにかかる期間は平均5年。社員への「のれんわけ」みたいなものです。
≪ブルームシステム・step1 入社して基本を学ぶ!≫
こちらは入社10ヶ月の桃原貴昭さん(22)。
地元沖縄での出店を目指して上京。桃原さんを指導しているのは、スーパーバイザーの神博さん。
スーパーバイザーは、ココイチの店舗をまわり、経営状況をチェック、指導します。
≪ブルームシステム・step2 店長になる!≫
こちらは、千葉県鶴沢町店。彼は入社3年9ヶ月、店長の鴇田直樹さん(32)。
以前はスーパーに勤務していましたが、独立を目指して入社。
奥様も他のココイチ店舗で働いています。
実は宗次夫妻が夫婦で創業したこともあって、CoCo壱番屋では夫婦二人で独立して店を持つことを薦めているんです。
夫婦で店を始めるのは、95%以上の割合だとか。
鴇田さんも独立目指して、奥さんと二人三脚でがんばっています。
店長になると独立に向けて経理や人事、どうやったら利益が上がるかといったココイチの経営ノウハウを学ぶことができます。
店長として一定の成果を上げられると、最終ステップが待っている!
≪ブルームシステム・step3 店のオーナーになる!≫
こちらは、入社3年9ヶ月、オーナーとなることが許された吉江哲・智美さんご夫妻。
やや緊張の面持ちなのは、創業者の宗次特別顧問との面会があるから!
壱番屋では、独立が決まった社員には、特別顧問から直接許可書が渡されるのです。
ココイチ王国1000店舗を築いたカリスマ経営者とは初対面。
感慨もひとしお…
ご主人の吉江さんは元銀行の支店長補佐までやったエリート。
銀行をやめて、ココイチのオーナーを目指して入社したのです。
≪ブルームシステム・step4 ついにオープン!≫
この日、めでたくオープンにこぎつけたのは、入社3年9ヶ月、伊藤裕・靖子さんご夫妻。
元々飲食関係で働いていたご主人が、独立を目指して入社。
奥様も1年前からココイチで働き始めました。
新店舗がオープンする時のココイチのバックアップ体制はスゴイ!
無料で敏腕スタッフを多数派遣。
この日もどんな事態にも対応できる万全のスタッフ配置でオープンに臨みます。
開店と同時に次々とやってくるお客様。
みるみるうちに店内はお客様でいっぱいに。
なんと、席が空くのを待つ人まで!
素人夫婦のカレーで1000店舗突破!
CoCo壱番屋は、ますます大繁盛です!
▼引き続き、浜島社長にお話を伺いました。
加藤さん:ココイチのブルームシステムはすばらしい考え方ですね。生半可な気持ちでフランチャイズをやろうと思う人は絶対いないですし。夫婦で店をやるのはやはりいいんですか?
A:夫婦でおやりになった方が、成功の確率ははるかに高い。ただ、絶対夫婦じゃなきゃいけないという訳ではなくて、一定のスキルをはるかに超えた人なら、単身でも認めています。
乙葉さん:夫婦だと絆という強いものがあるから、経営でもうまくいくのかもしれませんね。
加藤さん:でも、ずっと夫婦一緒で仕事をしてると、大喧嘩になる可能性もあるかもしれませんよね。
A:ないことはないですが、そういう時には本部からスタッフを送って、両方から話を聞くようにしてます。
加藤さん:1000店舗以上になって、ここからどうしていこうかというココイチの展望はありますか?
A:海外展開に力を入れてやっていきたいと思います。国によって味は変えることはせず、同じ味でやっていこうと思います。
Q:では、今後インドにも進出しますか??
A:はい、行きます!