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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2006年11月26日放送

特集

せまい業界シリーズ第三弾!食品加工機械

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)・眞鍋かをりさん

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全自動玉ねぎ皮剥き機

最初に向かったのは、江東区のとある小さな町工場、(株)オニオンエム。
ここには世界初の画期的な食品加工機械があるんだとか。

さっそく、その機械である「玉ジロー」を見せていただきました。
玉ジローとは、全自動玉ねぎ皮剥き機のこと。
皮がむけるだけではなく、根とヘタもカットしてくれるんです!
きれいに剥くポイントは、玉ねぎの根をドリルでくり貫き、同時に下のヘタをカッターで切り落とすこと。
一個4.2秒という早業なんです!!

玉ジローの開発者である、小林さんの本業は都内に35店舗を構える洋食チェーン「キッチンジロー」の会長さん。
キッチンジローと言えば、テレビ局ではロケ弁でお馴染み。

でも一体なぜ玉ねぎの皮むき機の開発をしたのだろうか…
小林さんによると、きっかけは31年前。
ハンバーグ、コロッケ、カレーなど洋食屋には欠かせない玉ねぎ。
キッチンジローでは一日に2000個の皮むきが必要でした。
そこでパートさんに皮むきをお願いしようと思ったけれど、玉ねぎは目が痛くなったり、切るためにずっと下を向いていて辛気臭いからなどの理由でやめちゃう人が続出。

そのころ社長を人に任せ、暇を持て余していた会長は、ポケットマネーを使って軽い気持ちで自動皮むき機開発をスタートしたんだとか。
初めは簡単にできると思っていた会長ですが、根をくり貫くのに4年、ヘタを切り取るのに7年、皮を吹き飛ばすのに12年…そしてやっと出来たと思った試作機の値段はなんと500万円!!
試行錯誤を繰り返し、21号機目でやっと完成。
最終的にかかったお金は2億円!!
気になるタマジローのお値段は、240万円。
パートさんの人件費を考えると、6分の1なんだとか!

万能型自動串刺機

相模原市にある(株)コジマ技研工業。従業員は4人という小さな会社。
ところが、世界初のすごい機械を開発したんだとか!!さっそく小島社長を直撃!

その機械が、万能型自動串刺機!

手作業の4倍、1時間に2千本刺す能力があるんだとか。そのお値段は480万円!
串刺機の開発は、社長が通う焼き鳥屋のある悩みがきっかけでした。
それは、人手不足によって、串に刺さっていない焼き鳥を出してしまうことがあるというもの。
そこで元半導体関連のエンジニアだった小島社長が見かねて、小島技研を設立し、自動串刺機の製造を開始。
以来国内シェアの95%を誇っています。
社長の串刺機の一番の売りは、振っても抜けないこと!!
例えばこんにゃくだと、素人が刺すと簡単に抜けてしまいますが、自動串刺機は抜けにくいのです。
その秘密は、機械の波型。

波型のプレートで食品を上下から挟み、ウェーブした食品に串が刺さります。
すると、プレートをはずした時に、肉が串に絡まるというわけ。
これは職人の手の動きと全く同じで、だから抜けにくいのです!
小島社長の串刺機は焼き鳥やおでんだけじゃなく、生野菜のバーベキューやおかきまで、なんでも刺せちゃうんだとか!

Q:食品加工機械を2つ見てきましたが、両方とも中小企業が作っていますね。
A:そうなんです。実はいま食品加工業界の季節なのです。年末年始にかけて食品が売れるため、食品加工機械のメーカーは新たな自社製品を売り込み、一番機械が売れる時期なのです。

和歌山県にある紀州技研工業(株)は、今年、元気なモノ作り中小企業300社に選ばれた、元気な会社なんです。
そんな会社が開発したのが、タマゴインクジェットプリンター。

もともと印字機専用メーカーとして、ダンボールに印字する技術で国内シェア75%を誇っている、紀州技研工業の自慢の新製品なんです。
けれど、もともと割れやすいタマゴにどうやって印字しているのでしょう…
それは、インクの吹き付けによるものだったのです!
タマゴにはシールを貼る方法もありますが、シール代や人件費がばかにならないんだとか。
そして、この技術の難しいとされていることが、沸騰したお湯に入れても消えないインクなのです。
インクに海藻成分を使うことで、食べても安全。
また殻のカルシウムとインクの成分が結合し、中に浸透しないんです。

スーパープロフェッショナル!

次にやってきたのが、大阪の直本工業(株)。
直本工業は、国内シェア70%の工業用アイロンメーカー。
この会社は、アイロンの蒸気を利用した餃子焼き機を開発したのです。
普通の水蒸気で餃子を保温しようとすると、餃子はびちゃびちゃに…
そこで登場するのが、直本工業のスチーマー&グリルセット。

長年のアイロン開発で培われたキメの細かい蒸気が、長時間保存を可能にしたのです。
だから、注文を受けてから90秒の焼き時間で出せるという訳。
スチーマー&グリルセットを導入した中華食堂日高屋では、このお客さんを待たせない早く出来上がる餃子がおおうけし、売り上げが10%も伸びたんだとか。

北海道釧路市にある(株)ニッコー。
この会社が開発したのが、世界初の切り身装置。
この切り身装置を導入して鮭の切り身を作っているという宮城県の行場商店を訪ねてみました。
まずは、魚の頭を切り下ろすオートヘッドカッター。

続いては内蔵を取り除く、ガッターマシーン。なんと毎分30匹という処理能力。
そして、ハンドフィッシャー。
一瞬にして3枚におろすことが出来る優れもの。
最後に、ニッコー一押しの自信作、スーパープロフェッショナル!!
この機械は人間には不可能なことをやってのけてしまうんです!
レーザースキャンで魚体を計測し、モニターには切断イメージが表示され、スキャンされた情報は、ロボットアームに転送され、すべての切り身を同じ重さに切ってしまうんだとか!!

重さを均一にして出荷すると、出荷先でも喜ばれ、商品としての付加価値をあげることができるんだとか。
気になるお値段は、なんと、2700万円!!
専門技術が求められる加工作業だけに、人件費削減につながっているようです。
せまいけど意外と身近な食品加工機械の業界でした。

▼引き続きゲストにスタジオで質問しました。
Q:これからの展望は?
A:今までの話は国内のことですが、中国が経済発展していけば、やがて加工機械を使う時が来るでしょう。今日本からの輸出が一年で、60億円くらいなのですが、これがもっと大きくなればマーケットとして面白いですね。

Q:加工を自動化できたら儲かる食べ物はなんですか。
A:それは、ジャガイモです。形状がバラバラな上、不規則な芽を取るのが難しいのです。

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