過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2006年10月22日放送

特集

お薬!

ゲスト

田北浩章さん(会社四季報編集長)・MEGUMIさん

番組内容

私たち日本人が一年間に使うお薬代はなんと、8500億円!!
お薬屋さんはすごく儲かりそうだと思っていますが、実はお薬が完成するまでの道のりは長いんです。
国の認可を得て、販売できるようになるまでの時間は、一品目あたり平均10年、研究費は260億円以上にもなるんだとか。
しかし、販売までこぎつけ、人気商品になれば、それまでの莫大な研究費も軽く回収できてしまうほどもうかるんです。

その理由の一つが、お薬の利益率の高さ!!
資料によれば、なんと価格の8〜9割がもうけなんだとか。大衆薬の特徴は、ロングセラーブランドが多いこと。
一度薬が普及して、自分の体質や症状に合うと、リスクを犯してまでブランドを変更しない傾向が強いからなのです。
ですから、各社は次なるロング商品をめぐって、熾烈な争いをしています。

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お薬儲かり大戦争!!BATTLE1「風邪薬」

薬といえば、風邪薬というほど、薬業界のメイン商品。
その市場規模はなんと615億円!!
この大金をめぐり、激しい攻防が繰り広げられているのです。
闘いを盛り上げるのは、トップ5のブランドで、特に3,4,5位は横一線の闘いで、熾烈を極めています。

第5位 プレコール持続性カプセル
この風邪薬の特徴は、効き目が長いこと!
独自の薬効成分プロピルアンチピリンがその秘密なんです。
薬は一日3回という常識を破り、一日2回の服用で見事効果を実証しました!

第4位 エスタックイブ
病院でしか処方されていなかった医療用の成分イブプロフェンを初めて一般のお薬に転用。
効果のある成分をあえて前面に打ち出すことでロングセラー商品になりました。
年間の売り上げはなんと52億円!

第3位 ベンザブロック
この風邪薬の特徴は、喉からくる風邪に効果的ということ。
風邪の代表的な不快症状に効くとあって、指名買いする人が急増。
年間57億円の大もうけです。

この三つの風邪薬ブランドが激しい3位争いを繰り広げている中、長い間NO.2のポジションをキープしているのが…

第2位 ルル
2位の座を長きにわたって守ってきたルル成功の秘密は…

ポイントその1 見た目の美しさ
ルルはいち早く清潔感のある透明な瓶詰めを採用。
さらには、それまでの風邪薬にはなかった見た目がきれいでつるんとしたキャンディー状の錠剤にしたのもルルが最初。

ポイントその2 テレビCM戦略
テレビが普及し始めると同時に、いち早くCM戦略に手を打ってでたのも、ルル。
「クシャミ3回ルル3錠」のキャッチコピーで、人気風邪薬の座を確かなものにしたルル。
さらに、それまで一回に飲む量が5錠だったり2錠だったりしたものを、ルルが3錠を打ち出したことで、錠剤は3錠という定番まで作ったのです。

そして栄えある第1位は、
第1位 パブロン
パブロンは4人に1人が買っている風邪薬です。
パブロンの売りは、なんと言っても長い伝統。パブロンは咳止め薬として、昭和2年に発売。
途中総合感冒薬として生まれ変わり、現在までなんと80年。風邪薬としてもっとも長い歴史と伝統があるんです。
その歴史に裏付けられた信頼感が、王座に君臨する最大の理由。

お薬儲かり大戦争!! BATTLE2「胃腸薬」

胃弱大国と言われる日本において、風邪薬に続くドル箱商品が胃腸薬。
ここでも熾烈なバトルが展開される中、急激に売り上げを伸ばしているのが、ガスター10!!

ストレスなどからくる胃酸過多の症状に、H2ブロッカーという胃酸をコントロールする成分が出すぎた胃酸をセーブし、症状を緩和。効きの良さから、大ヒット商品になりました!
順位の入れ替わりの激しい僅差の胃腸薬市場。

そんな中不動の1位を守り続けるのが、キャベジン!!

キャベジンは関連商品の売り上げだけで、会社の売り上げの30%を占めるドル箱商品。
キャベジンは、名前の由来にもなっているキャベツの汁から抽出した薬効成分MMSCが売り。
さらに、時代によって変わる日本人の胃の症状にあわせ、処方箋も少しずつ変えてきたんだとか。
こうした努力が、日本人の胃をがっちりキャッチし、年間80億円の売り上げに!!

風邪薬、胃腸薬と、薬の2大カテゴリーで1120億円のシェアを占める中、近年急上昇中のジャンルが…水虫薬!!
アメリカについで昔から水虫患者が多いとされる日本。
近年になって、水虫薬市場が活気づいているというのです。
水虫薬市場急成長の理由には、スイッチOTCというキーワードがありました!
OTCとは、over the counterの略で、一般の薬局で買えるお薬のことを言います。
これまでは医師の処方箋がないと購入できなかった医療用の医薬品を、一般のお薬にスイッチ。
つまり薬屋さんで販売可能になったことをスイッチOTCというのです。
とくに、水虫の大衆薬はこれまで効き目が悪いと売り上げが伸び悩んでいました。
それがスイッチOTCのおかげで激変。
236億円市場にまで膨れ上がり、トップのダマリンを筆頭に、順調に伸びてきました。

今後、高齢化に向かいますます膨らむお薬市場。次のヒット商品とは!?

加藤:MEGUMIさんは、製薬会社の戦略に乗せられていますね。
MEGUMI:一つの目薬を使い続けていますが、それは安心感からなのです。薬の場合、新しいモノを探そうとも思わないですし。

加藤:スイッチOTCについてはどうですか。
田北:スイッチは、医療用に開発された成分を使って大衆薬を作るという意味なんです。しかし、製薬会社が大衆薬をすべてスイッチしたほうがいいのかというとそれはまた別の話です。医療用に開発されたものは20年間の特許があるので、その間はきちんと稼ぎ、特許が切れたものをスイッチしていこうという戦略もあります。ある製薬メーカーの話ですが、ある薬を作る材料費は売り上げの27%で、20%の利益を上げているそうです。ちなみにトヨタは原価が75%です。

進藤:方やこういうモノを売り始めた薬局も、もうかるようになっているのですか?
田北:卸価格の6割くらいで仕入れて、4割くらいが利益です。しかし、厳しい時代になってくると思います。薬事法が改正されたため、薬剤師がいなくても売ることが出来る薬が登場します。これは、医療費を削減するための一環として実施されることになりました。

もうかってます!大ヒットローカルお薬

全国規模で売れているのは、大手製薬メーカーですが、地方だけで大ヒットしているお薬もたくさんあるんです。

▼もうかってます!大ヒットローカルお薬 その1
兵庫県淡路市、ここに日本でも屈指の売り上げを誇るヒット地方薬があると言います。
こちらがムネ製薬。
浣腸の超ヒット商品、ひとおしを作っているんだとか。
地方から、今や全国での売り上げも伸ばしているんです!!

これまでの浣腸の容器では、容器のおしりの部分が固くて、液残りをし、さらには倒れてしまうという問題がありました。

しかし、このひとおしは、底を平らにすることで使うまで立っていられるのです。
そしてこの浣腸容器はは社長のアイディアで液残りの問題も解消!!
一日4万本を生産し、従業員たったの43人で年商10億円を達成。

▼もうかってます!大ヒットローカルお薬その2
富山県富山市。ここは薬売りの本拠地として知られる日本随一の薬の本場。
県内にひしめく製薬会社は45社、4000種類以上の薬が作られている激戦区です。
その中でも地元で圧倒的な人気を誇るのが、キョクトウ製薬が作る、熊胆円。

胃腸や肝臓の働きを助けるお薬で、他社にも同じ製法のものがあるのですが、富山県では圧倒的No.1を誇っているのです!
キョクトウの薬には、他社には入っていない本当の熊が入っているんだとか。
熊の胆のうを搾って抽出した汁を乾燥して固めたものが入っているんです!
地元では、お酒の前に熊胆円を飲むのがあたりまえ!

▼もうかってます!大ヒットローカルお薬その3
岐阜県下呂市。
この歴史ある温泉街にあるのが、7代も続く地方薬の老舗中の老舗奥田又衛門本舗。
ここで作られているのが、下呂膏。

門外不出の秘伝製法で作られた湿布薬。腰痛や肩こりに抜群の効果があるそうです。
漢方の生薬を使い、独自のブレンドで混ぜあわせます。
東海の4県だけで、売り上げの80%を占めているんだとか!
多いときには月に4万枚を売り上げ、年商は5億円を達成!!

進藤:今後伸びそうな薬ビジネスはなんですか。

田北:薬の移動販売だと思います。先ほどもいいましたが、販売の方法が来年から徐々に規制緩和されるので、場所も自由になるのです。

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