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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2006年10月8日放送

特集

学校給食

ゲスト

長澤まさみさん・森永卓郎さん(経済アナリスト)

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なつかしのあのメニュー

日本の給食には120年という長い歴史があります。
1889年、山形県のお寺の住職が私立学校を設立し、貧しい子供たちのために、おにぎりと漬物を提供したのが学校給食の始まりです。
太平洋戦争による食糧事情の悪化で一時中断した後、戦後まもなく本格的に学校給食がスタート。
当時は、ほとんどの食材が、アメリカからの支援物資でした。
当時の給食は、トマトシチューに脱脂粉乳…

脱脂粉乳は、当時の子供たちの貴重なタンパク・カルシウム源でした。
アメリカで、家畜の餌用だったものを、大量に送ってくれたんだとか。

▼学校給食の歴史〜 あなたはどのタイプ?
1:1955年、現在60歳前後の人が食べていた給食

2:1970年、現在45歳前後の人が食べていた給食

脱脂粉乳は、ビンの牛乳に代わりました!!
デザートにプリンが付く日は、朝から大騒ぎ!

3:1977年、現在38歳前後の人が食べていた給食

4:1985年、現在30歳前後の人が食べていた給食

ハイカラな香りのするメニューが登場しました!
そして現在、子供たちはどんな給食を食べているのか…新宿区立津久戸小学校を訪ねてみました。
あの、給食当番制は今も変わっていないようです。
この日6年生は、教室ではなく、ランチルームでお食事。

今日のメニューは、豚汁とひじきご飯に牛乳と梨。
牛乳はリサイクルするために、ビンが使われています。

1ヶ月の給食費はおよそ4000円。
一食200円で毎日献立が変わり、しかも栄養管理もばっちりの学校給食。
お父さんは、うらやましいぞ!!

学校給食から生まれたヒット商品

実は、この学校給食の長い歴史から、数々のヒット商品が生まれているんです。
まずは、表面にまぶした砂糖がポイント、もっちりした食感がたまらない揚げパン!

70年代半ばに登場して子供たちの圧倒な支持を得ました。
でもなぜ油で揚げた上に、砂糖までまぶしたのか…
学校給食の第一人者、阿部先生に聞いてみました。
実は、子供たちになんとかしてパンを全部食べさせようということで、揚げたパンに砂糖をまぶしただけのことなんだとか。
いまいちおいしくなかったコッペパンの食べ残しを防ぐためにあみ出されたのが、揚げパンだったのです。
この揚げパンの大ヒットで、いまや、カレーやソーセージ入りの揚げパンが定番になっているという訳なのです。

そして、給食にでた麺類の定番といえば、ほんわりあったかなやや固まり気味の麺にミートソースをかけていただいた、ソフト麺。

1960年代始め、パン給食の普及で売り上げを伸ばす製パン業界に対して、「同じ小麦粉が原料なのに、なんでパンばかり給食に採用されるんだ!!」と焦った製麺業界が、給食のために開発したのが汁を使わないソフト麺だったのです!
うどんやそばなどの汁ものだと、牛乳と相性が悪いという理由からでした。
しかし、いま日本でおいしいパスタが食べられるのは、給食でソフト麺が大ヒットしたというベースがあったからなのです!
そして、給食から生まれた最大のヒット商品といえば、牛乳に入れるだけでコーヒー味になる、ミルメーク!!

1967年に製造元の名古屋 大島食品工業が学校給食用に提供すると同時に大ヒット!
最盛期には、年間9000万袋も出荷したんだとか。
当時の小学生の1.6人に1人が毎日ミルメークを飲んでいた計算になるんです。
でもお堅いはずの学校がなぜこの商品を採用したのか…
それはミルメークにカルシウムやビタミン類の入った栄養補助食品だったからでした。
ミルメークの売り上げは平成13年をピークに減ってきてはいるものの、まだ年間3000万袋は出荷されているそうです!

安部先生によると、今や当たり前の納豆の個別パックや、立ち食い蕎麦屋の定番の揚げちくわも給食メニューから生まれたものなんだとか。
そんな揚げパンや、ソフト麺、ミルメークをかつての味そのままで味わえるのが、元浅草にあるブラッセリー給食当番。

創業して16年、もはや老舗の給食料理屋さんなのです。
一昔前の教室をイメージしてデザインされた店内。
店員さんの衣装は、給食当番を意識して作られています!
人気メニューは、Part3まで用意された750円の給食セットです!!

給食ビジネスは儲かるの?

進藤:給食ビジネスは儲かるものなんですか。

森永:子供たちが一斉に食べるので、マーケットとしての大きさが魅力です。市場規模は4800億円もあります。また、確実に売れるとなると、かなり儲かるビジネスです。そしてもうひとつの意味として、給食はその後の味覚の基礎をつくる、というものがあります。家庭の味ともう一つ並び立つのが給食の味は、その後も一生売れ続ける、ということになります。

今では全く見かけませんが、東京オリンピックの年に学校給食に採用され、80年代には年間生産数13億個にもなった超大ヒット商品がありました。それが、三角テトラパック。

同じ容量の四角い紙容器と比べると、使う紙の量が少なく、最小限の紙資源で最大の容量を包むことができる環境にやさしい優れもの。
しかし、この三角形四面体紙パックは、運送に専用の箱が必要なのと、棚に陳列しづらいという理由で衰退していったのでした。


今あのなつかしの鯨料理が給食で復活しようとしているんです。
国際的に調査捕鯨枠の拡大が認められて、ミンク鯨の捕獲頭数が倍増。
値段が下がってきたことに給食業界が注目しているんだとか。
現在キロ2000円の赤身を、学校給食用には3分の1の価格で提供。
竜田揚げなど、高たんぱくで低カロリーなクジラメニューは子供たちにぴったりなんです。

今年の夏、給食業界の周辺である異変が起きていました!
なんでも、あの給食にはつきものの冷凍みかんがバカ売れしたんだとか!

通常の5倍、240万個が売れ、加工が間に合わず、給食用を取り崩して販売したそうです。
それは、静岡ラジオでGTPという女性グループが歌う「冷凍みかん」がヒットしたからなのでした。

止めようのない少子化の流れの中、京都の名門私立同志社小学校が、日本の給食業界を変えるかもしれません!!
この学校が給食のパートナーに選んだのが、京都宝ヶ池プリンスホテル。
そう、ホテル給食が始まっていたのです!
総料理長の指導の下、シェフたちが毎朝学校に出向いて給食を作っているんだそうです。
メニューは、秋の味覚秋刀魚の塩焼きや、ハンバーグステーキ、海の幸のスパゲッティなど全国のOLさんたちのため息が聞こえそうなものばかりです。

そして、気になる給食費はというと、年間およそ10万円(全国平均48000円)。

進藤:ホテル給食がいくつか出ているようですが、生まれた背景には何があるんですか。

森永:まず学校側に大きなメリットがあるんです。ホテル給食を出しているということが、学校のブランド力UPにつながるんです。またホテルのレストラン事業の一番大きなコストは、売れ残りのコストなんです。生鮮食品は使わなかったら捨てなければなりませんが、学校給食は作る数が決まっているので食品管理がしやすく無駄を省けるというわけです。

進藤:学校給食ビジネスの新しい可能性について教えてください。

森永:それは、朝食給食です。朝食を取らずに学校へ来てしまう子供が増えています。既に全国で何校かに広がっていますが、朝食を出すことでマーケットがどんどん広がっていくんです。

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