過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2006年9月24日放送

特集

TOTO

ゲスト

(株)TOTO 木瀬照雄 代表取締役社長

番組内容

今回のがっちりマンデーは、トイレを作って89年、ニッポンのトイレ業界のトップに君臨する「TOTO」のヒミツを徹底解剖!
あの純白色のトイレには、儲かり技術が満載なんです!

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TOTOの歴史はトイレの歴史

日本最大の水まわり企業、TOTO。
今や、年商5000億円!台所、お風呂、洗面所と、ニッポンのお宅の水まわりをドーンと引き受けちゃう、まさに水のスペシャリストなのです!
TOTOのマークを一番目にする場所といえば、やっぱりトイレ!
TOTOの歴史は、日本のトイレの歴史そのものなのです。
もともと日本では、トイレといえば木製が当たり前でした。

おまる。そして、全面木造の汲み取り式トイレ。
しかし、木製のトイレには、汚れがつきやすく、不衛生という欠点があったのです。

そこで登場するのが、TOTO創業者の大倉和親。
「国民の生活文化を向上させたい!」。
大正6年、大倉は熱い思いを胸に、当時海外では広まっていた汚れにくく衛生的な陶器のトイレを日本で初めて作りあげます。
それが、こちらの水洗便器。まさにニッポンのトイレ革命!!

ところが…全然売れませんでした。
そう、当時の日本には下水道というものがほとんどなく、水洗式のトイレには水を流す場所がない!
時代を先取りし過ぎたそのトイレは、一部の高級住宅以外ではほとんど売れることはなかったのです。

しかし、昭和40年代後半、公団住宅の建設をきっかけに東京都内を中心に下水道が一気に普及!
これに伴い、一般家庭のトイレも水洗化!
水洗便器の売上もぐんぐんうなぎ上り、TOTOの便器が日本中のトイレに水を運んでいったのです!

トイレの作り方、伝授します!

さて、そんなTOTOの主力商品・トイレ。
そもそも、どうやって作ってるんでしょう?

北九州市にあるTOTO小倉第一工場を訪ねる事に!
ちょっと忘れがちですが、トイレは大きな陶器、つまり「焼きもの」。
だから、トイレの原料は茶碗などとほとんど同じなんです!
信楽焼で有名な滋賀県から仕入れた長石と、

備前焼の本場、岡山県から仕入れた陶石と、

常滑焼の愛知県から仕入れた粘土。

これらの石を砕いたものと粘土に水を混ぜ、「泥しょう」と呼ばれるもとになる液を作ります。

それを型に流し、20分間圧力をかけて固めます。
くっつける接着剤も泥を使います。まさに焼き物!
息の合った丁寧な手作業で、細かい部分もしっかりチェックしていきます。

これを約24時間熱風の中で乾燥させます。
さらに「ゆう薬」というつやを出す薬を吹き付けます。
そしてここからが本番。
全長115メートルもの専用の窯で焼き上げます!
実はここに、トイレ作りの最も難しいポイントがあるのです。
それは、「焼き物は縮む」ということ。
陶器である便器は、窯で焼くと、もともとの大きさから何と約10%も縮んでしまうんです!
トイレを作るときには、焼いたときにぴったり必要な大きさになるように、その縮小分を正確に逆算しなくてはいけないのです。

さらに、焼き上がりはまっすぐなこの部分も、焼く前はこんなに丸くなっています。

水分の蒸発による縮み分以外に、重力によっても形が変わっていくのです。
そこでTOTOでは、最新技術を使い、熱による縮みと重力での変形を完璧に逆算!
便器はもはや、手作りと最新技術の融合した芸術品なのです!

TOTO最大のヒット商品、ウォシュレット!

さて、そんなトイレ業界の先駆者TOTOの最大のヒット商品といえば…「ウォシュレット」!!

▼一度使うとクセになる!「ウォシュレット」開発ストーリー
それまで紙で拭いていたおしりを水で洗うという、ありそうでなかった画期的な発想!
発売から26年、累計販売台数2000万台を超える、大大ヒット商品なんです!
実はこのウォシュレット、アメリカの企業が開発した痔の患者のための医療用器具「ウォッシュエアシート」がヒント。

もともとこの器具の輸入販売を行っていたTOTOでは、これを一般向けに販売すれば売れるのでは?と、特許を買い取り、独自で開発をスタート!

ところが、これが苦難の始まりでした。
お尻の穴に水を当てる、ウォシュレット。
(株)パンウォシュレット取締役商品本部の井上修治さんによると、その製作のための最重要情報は…「お尻の穴の位置」。
一体どこに水を出せば、あたるのか?
日本人がトイレに座ったときの最も平均的なお尻の穴の位置はどこか?
しかしもちろん、そんなデータはどこにもありませんでした!

そこで彼が考え出したのが、社内アンケート方式。
まず、廊下を歩いている知り合いの社員をつかまえ実験室にご招待。
すると、謎の針金が便器に張られていました。
これは一体??
なんと自分のお尻の穴の真下に紙を張ってもらうという大胆な作戦!
もちろん…逃げられました。

しかし、彼はあきらめませんでした。
少しでも正確なおしりの穴の位置を求めて、ある時は何度も何度も頭を下げ、またある時は、嫌がられても食い下がる。一生懸命な彼の姿に、次第に社内の協力者も増え、実験開始から実に4ヶ月、開発チームは何と300人以上のお尻の穴の位置を集める事に成功したのです!

その結果割り出されたのが、こちらのデータ。
日本人の平均的お尻の穴の位置を考えると…
ノズルの長さは6センチ!水の噴射角度は43度が最適!

こうして完成したのがこちら。ウォシュレットの1号機。

TOTOリモデルクラブ店(有)須藤工業所の須藤耕司社長にお話を伺いました。
「ウォシュレットの名前は、全てのお客さんが知りませんでした。そこで我々は、奥様方に"化粧を落とすのにどうしますか?紙で拭きますか?"と話しました。要は"使えば分かる!"と言ったんです!"紙じゃ落ちません、洗って下さい"と」。

地道な営業活動の結果、ウォシュレットはなんとこれが、発売されるや否や、月1万台、のべ2000万台を突破する、とんでもない大ヒットに!
TOTO大成功の裏には、恥ずかしさも忘れるほどの開発スタッフたちのひたむきな努力があったのです!

▼さて、スタジオにはTOTOの木瀬社長をお招きしてお話を伺いました。
加藤:ウォシュレットはTOTOが作ったんですね。最初にウォシュレットを使った時は違和感があったのですが、最初に使った時社長もそう感じませんでしたか?"何か変、何か変よ!"って(笑)

A:だから、最初に売るのが大変でしたよ。まずウォシュレットが何だか分からないですから。奥様方に使ってもらうために「使って下さい、お友達にもぜひ薦めて下さい」とお願いしていました。ウォシュレットは、三回使うとやめられないんですよ。

加藤:ウォシュレットの正確な使い方はあるんですか?
A:トイレは個室なので、誰がどんな使い方をしているのかは謎なのですが(笑)

加藤:僕は最初にティッシュで拭いてウォシュレットを使い、最後にまたティッシュで拭いています。ちなみに社長はどのように使うのですか?
A:ウォシュレットを使った後に一回ティッシュを拭いて、その後に乾燥させます。

加藤:これは最新の便器ですか?
A:8月に発売の便器です。オシャレな形に仕上げました。

加藤:便器を重ねる際には、やはり手作業で行うんですね。機械ではできないのですか?
A:トイレは粘土細工と一緒なのでやわらかいですから、手作業で丁寧にやらないといけないんですね。

TOTO お手洗いテクノロジー

トイレのトップランナー、TOTO。
そんなTOTOのお手洗いテクノロジーの数々をご覧ください!
自動でフタの開け閉めができる、「オート便座」。

座っただけで音楽が流れる、「サウンドリモコン」。

続いてウォシュレット。よーく見ると、水がグルグルねじれてます!「ワンダースピン洗浄」。

そんなTOTOが誇る最新技術が…「ワンダーウェーブ洗浄」!!
一見、ただ水が出ているだけにしか見えませんが、特殊な撮影装置で見てみると…何と水の固まりが間隔をあけて飛んでいく!
まるで玉すだれのような水のボールが、あなたのお尻をやさしくノック!
この水のボールのおかげで、洗浄感が2倍にアップ!しかも使用する水の量は、半分にダウン!

もっと快適で、気持ちいいトイレを目指して、TOTOではさらなる研究を続けています。

Q:今TOTOで取り組んでいるのは、何ですか?
TOTO衛陶技術研究G 一木智康さん:トイレの研究にはいろいろありますが、一つにはトイレの大敵でもある「におい」の研究があります。

においの主成分は、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素。
それらを脱臭機能で吸い取り、中にある酸化チタンなどの触媒でキャッチして分解。
そこへ空気中の酸素と化学反応、目に見えない水となって放出してしまうんです。

もう一つのトイレの大敵、それは「ヨゴレ」。
清潔感が命のトイレ、TOTOでは汚れにくい、ヨゴレが取れやすいトイレを目指して、研究を続けています!

最新技術を示すのがこのマーク、「セフィオンテクト」!

そもそも、トイレのヨゴレの原因は、便器の表面のデコボコ。
つるつるに見える便器も、よーくみると小さなデコボコが。使っていけばさらにデコボコに…。
ここにヨゴレがひっかかると、ガンコなとれないヨゴレになっちゃうんです。
だから、よごさないには単純に、つるつるにすればいい!
そこで開発されたのが、セフィオンテクト!
これは便器の表面を特殊なガラスで覆ってつるつるにし、汚れが引っかからないようにする技術なんです。

ここで実験です!
左半分は普通の便器、右半分はセフィオンテクト。そして油をぬります。
さあ水をながすと!
その差は歴然。汚れがつかない事で、いやな臭いも防げるんです。

もうひとつの技が…「トルネード洗浄」!
今まで、トイレのふち全体から出していた洗浄用の水を、一箇所から出して、らせん状にトルネード!!

少ない水で、全体を洗えるのはもちろん、もうひとつ、素敵な効果が!
この便器、よく見ると…「ふち」がない!!
たとえば、便器の隅にブラシが届かなくて、イライラしたことありませんか?
さらに水が出てくる穴。ここが汚れるとなかなか落ちないんですよねー。
「ふち」がなければ、お掃除もスイスイ!これで、奥さんも大喜び!!

TOTOのトイレのヨゴレ対策の進化は、とどまることを知りません!

TOTO世界進出!

日本のトイレのトップメーカー「TOTO」、実は世界中で売れてます!
今や世界13カ国に進出!

その中でも伸びているのが…アメリカ!売上も毎年20%ずつアップしています!

しかし販売を始めた当初は、思いもよらない苦労がありました…
TOTO国際事業部 谷江洋部長によると、一番苦労したのは「ウォシュレットの普及」とのこと。
何とアメリカのCMでは、「おしり」がNGワードになっているのです!
「おしり」と言えないから、良さを伝えるのに一苦労。

しかし、一度使えば良さは分かる!
最初にブームに火をつけたのは、日本にやってきたハリウッドセレブ!
あのウィル・スミスさんは、アメリカの番組で使用を告白!
あのマドンナさんは、コンサートで来日時のインタビューで、衝撃の告白!
実際に体験すると、みーんな買っちゃうんです!
ウォシュレットが世界基準になるのも時間の問題!?

さて、もう一つのターゲットは…中国!
なんといっても人口13億人!
しかも、もともとシンプルなトイレが主流の中国は、トイレ業界期待の巨大市場!

しかもTOTOの本拠地、九州からも目と鼻の先!
TOTO中国進出のきっかけは、北京にある迎賓館への輸出。
ここでウォシュレットを経験した人々が「スバラシイ!」と絶賛。
おかげで、口コミ社会の中国ではTOTOの高級ブランドイメージが定着!
今、口コミでTOTOのトイレが浸透中です。
世界に広がる、TOTOのトイレ。まだまだ儲かりそうですよ!

▼引き続き、スタジオでは木瀬社長にお話を伺いました。
加藤:世界進出を目指すにあたっては、やはり大変だったのでは?
A:まず日本とは文化も違うし、トイレが高級品で売れない時代もありました。でも、最近はすごいですよ。その間に私どもはTOTOのブランド価値を上げるよう努めました。

進藤:ビジネス面で苦労なさったことはありますか。
A:一番は「回収」です。売ったお金を回収することが、中国では一番難しいです。トイレを買っても、お金を払ってもらえないんですよ。今は前金引き換えができるようになりました。

さて、スタジオに用意された最新のTOTOの便器に座った加藤さん。
サウンドリモコン機能を使うと、トイレの中で優雅なクラシックを堪能できます。
さらに、汚れを落としやすくするために「ふち」がないつるつるな便器で、ますます快適なトイレ生活を過ごせそうです…

進藤:TOTO創業からの売上高推移を見てみると、ずっと右肩上がりになっているのですが、一時売り上げが落ち込んでいるところもありますが、この時期は何があったのですか?
A:売上高が最初にピークになった時期は、新築需要のピークでもあり、170万戸が建ちました。その後新築は120万戸にまで落ち込みました。そのため、私どもが「リモデル」と呼んでいるリフォーム事業の強化を始めるようになりました。それに伴い、売上が回復していきました。

進藤:私の実家も最近トイレをリフォームしたのですが、トイレが新しくなると、家庭が明るくなるんですよ(笑)トイレを変えると、お風呂も新しくしたくなるんですよね。
A:そう、トイレについては誰も困ってないけど、リフォームするとこれだけ快適に過ごせる、ということが示せるんですよ。

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