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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2006年9月10日放送

特集

ハーゲンダッツ

ゲスト

ハーゲンダッツジャパン 中西卓也 代表取締役社長

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ハーゲンダッツ

みなさん、ハーゲンダッツはどこの国の会社かわかりますか?
その発祥地は1961年のニューヨーク。
創始者であるルーベン・マタスが、高級食材の店で売り出したのが始まりなんです。

そして、ハーゲンダッツの名前には、甘くない隠れた儲かりの戦略が隠されていました!
実は、「ハーゲンダッツ」とは、ルーベン・マタスが考えた完全なる造語。
「ハーゲンダッツ」の「ハーゲン」は消費者に「おいしい乳製品」を連想させるため、北欧の都市、コペンハーゲンから取ったものなんです。
それに、「ダッツ」という印象深い響きの言葉をつけて売り出したんだとか。
その戦略は大成功!!
ニューヨークで売り出されたハーゲンダッツは瞬く間に全米で大評判になり、ハリウッドのセレブたちが自家用飛行機で買いに来るほどの人気になりました。

日本に初上陸したのは、1984年。東京・青山に一号店がオープンしたのです。

開店と同時にそのおいしさは評判となり、連日の大行列!ある種の社会現象ともなりました。
さらに1990年、アイスクリームの輸入規制が緩和され、コンビニ・スーパーなどで販売路線を拡大。
この年、一気に売り上げ100億円を達成し、ついに2003年には売上高400億円を突破しました!

こうしたハーゲンダッツの急成長の理由は、徹底したイメージ戦略にありました!
それまで、アイスクリーム=子供のおやつというのが当たり前だったイメージを、大人のためのアイスクリームというイメージに変えたのが、ハーゲンダッツ最大の戦略なんです!
中でも効果的だったのが、男女が激しく絡み合う、官能的なCM。

この戦略が、大人の女性の心をぐっとつかんで大成功したのです。
さすが、アメリカの会社が作ったCMは大胆だな…と思う方も多いと思います。
しかし、ハーゲンダッツのテレビCMは日本が初めて!!
そう、この大胆なCMは日本オリジナルのCMだったのです!
日本でのテレビCMの成功を受けて、今ではヨーロッパを始め各国でCMを流すようになりました。
こうして、大人のアイスクリームというイメージの定着したハーゲンダッツは、高級アイスクリーム市場でシェアトップを獲得!!
85%を超える独走状態になっているんです!

ハーゲンダッツ人気の秘密…それはなんといってもおいしさ!
われわれはそのおいしさを探るべく、ハーゲンダッツの工場を直撃しました!
木目調で整えられた美しい壁面は、工場というよりまるで美術館のようなつくり!!

ところが、工場内は品質管理最優先ということで取材お断り…ということで、倉庫を見せてもらうことに!

儲かるおいしさの秘訣

川田リポーターが入れてもらったのはハーゲンダッツ専用の冷凍倉庫。
その室内は、なんとマイナス30℃の世界!!
うず高く積まれたハーゲンダッツアイスクリーム。
製造されたものは、こうしてマイナス30℃の世界で出荷を待つのです。
搬送するトラックに積み込む際も、外気に触れて温度が上がらないよう、入り口にぴったりとつけてから行うんです!

そして素早く運びこみ、輸送する時もマイナス20度を超えないよう、徹底した輸送管理をするんだとか。
しかしなぜここまで低温管理にこだわるのか…配送の間に温度が上がり、アイスクリームが溶けてしまうと、ヒートショックといわれる現象が起きてしまうからなのです。
ヒートショックを受けると、氷の結晶が大きくなって食感がじゃりじゃりしてしまうんです。

おいしさにこだわるハーゲンダッツは、保存料や合成添加物を使いません。
そのため、ヒートショックの影響を受けやすく、徹底した温度管理が必要なのです!

▼ハーゲンダッツ儲かるおいしさの秘密その1  厳選された素材
96年発売以来、根強い人気を誇るふんだんに抹茶を使ったグリーンティー。

ハーゲンダッツの抹茶を作っている、茶葉の工場に潜入成功しました。
こちらが、グリーンティに使っている茶葉。これを加工して抹茶にしているのです。

この工程の中で最も重要とされる、茶葉を臼で挽いている場所へ。
その中は、抹茶が光を嫌うために真っ暗なんです!
抹茶のグリーンはとっても弱く、光にあたるとすぐに変色してしまうんだとか。
鮮やかなグリーンを保つためには、光を遮断して作業をしなければならないのです。
そんな敏感な緑色を守るために、ハーゲンダッツではカップに工夫をしていました。
バニラとグリーンティのカップに光を当ててみると…

そう、グリーンティーのカップには光を通さないカップを使っていたのです!

▼ハーゲンダッツ儲かるおいしさの秘密2  なめらかな舌触り
ハーゲンダッツといえば、あのクリーミーな舌触りが魅力。
この滑らかなクリーミー感は、アイスクリームに含まれる空気量が少なければ少ないほど増すんだとか。
そのため、クリーミー感たっぷりのハーゲンダッツは、実は他のアイスより重いんです!!
同じ容量のアイスで比べてみると…

ハーゲンダッツがいかに空気を含んでいないかがわかります。
ハーゲンダッツならではの、濃厚な味わい。そこで重要になってくるのは、もちろんミルク!
北海道にハーゲンダッツのために乳牛を育てている牧場があるのです。
ハーゲンダッツは、牛が好んで食べる良い牧草をつくるため、常に牧草地の土の状態までチェック。
良い牧草地を作るには、中性が適しているため、土のpHまでもチェックしているのです。

もちろん、搾ったミルクそのものの成分分析もコンピューターでチェック。
脂肪分やたんぱく質などの細かな変動も見逃しません!
こうして、徹底的にこだわったミルクは、あのクリーミーなハーゲンダッツにと変身するのです。

加藤:すごい徹底ぶりですね。抹茶も一つ一つ挽いて作っているんですね。
社長:一つの石臼で、一時間に40gくらいしか作れません。

加藤:小売店の不注意などでヒートショックが起きた場合はどうするんですか。
社長:店舗を回って調べます。だいたい触ると何度くらいかがわかります。

加藤:社長自身、コンビニやスーパーでハーゲンダッツを買うことはあるんですか。そのときにヒートショックになっているモノを見たことがありますか。
社長:買うことはあります。今まで買ったものの中にヒートショックになっているものはありませんでした。もしあった場合は、お店の方にお話をしますね。

儲かる新商品開発

ハーゲンダッツの定番人気のフレーバーといえば、リッチでクリーミーなバニラ!
香ばしいチョコクッキーを入れた、クッキー&クリーム!イチゴをたっぷりと使った、ストリベリー!
これ以外にも、ハーゲンダッツはヒット商品の宝庫!

その中でも、日本で開発されたオリジナル商品が多いんです。
例えば、1996年に発売されたグリーンティー。
これは純国産で、日本で初めて開発された商品なんです。
グリーンティーは発売当初から、爆発的な大ヒットを記録。
今では韓国をはじめ、中国、タイ、シンガポールなどアジア諸国で販売され、高い人気を誇っています。
そして、大人気のアズキ。

これも純国産の商品です。
アズキは、予想の3倍もの売れ行きで品切れ状態。
一時販売休止になるほどの大ヒット商品。
しかしこのアズキの開発には、5年の歳月がかかりました。
全国のアズキを食べ歩き、ハーゲンダッツの「ミルク」の味に勝てるモノを探したんだとか。

こうして、開発担当者が日夜試作を繰り返しているのが、1995年に開設された「R&Dセンター」。
繊細な舌を持つとされる日本人向けの商品開発をする研究所なんです。
研究者の大橋さんがクビを覚悟して開発していたのが、クリスピーサンド。

まったく新しい形のハーゲンダッツとして、2001年に発売されたクリスピーサンドは、発売9ヶ月で27億円の大ヒットを記録したのです。
しかし、商品開発のきっかけとなったのは、意外なものでした…

それは、食材店で売っていたタコスだったのです!

5年の歳月をかけて、発売段階のものが完成し、いざテストをしてみると、結果がいまいちで、ダメ出しが。
こうした苦難を乗り越えてついに、クリスピーザンドが発売されたのでした。
一個280円という値段もなんのその、売り切れ店が続出し、プロジェクトは大成功しました!
評判を聞きつけて、ヨーロッパ各国でも売り出され、今ではハーゲンダッツの定番商品に。
アメリカからやってきたハーゲンダッツは、今や日本人が開発した新しい味として、世界に発信されるようになりました。

▼引き続きスタジオで社長に質問しました。
進藤:ハーゲンダッツジャパンが生み出したものはたくさんありますね。

社長:抹茶は、日本で初めて出したフレーバーのアイスクリームなんです。
初めはアメリカの本社の許可がなかなか下りませんでした。
そこでアメリカの本社の人に日本へ来てもらい、日本のお茶の文化を知ってもらうことから始めました。

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