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2005年11月20日放送

特集

幻冬舎

ゲスト

見城徹さん(幻冬舎代表取締役社長)

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幻冬舎・見城徹の勝利方程式とは?

現在出版業界は、インターネットの普及や若者の活字離れなどで、1997年から下降の一途。
そんな中、大手出版社でもミリオンヒットは10年に一度出れば大成功という中、過去11年で何と10作ものミリオンセラーを出し、「奇跡」とまで言われているのが…幻冬舎!

年間売り上げ111億円、年間総売り上げ部数1371万部という、若い出版社の中でもトップクラス!そんな幻冬舎を立ち上げた見城徹社長は、これまでどんな道のりを歩んできたのでしょうか。

見城徹さんは、1950年静岡生まれ。
24歳にして初めてのヒット本である、公文公著『公文式算数の秘密』を売り出します。
それが、38万部のヒット!

1975年に角川書店に入社し、さらにヒット作を量産するのです。
村上龍著『トパーズ』160万部、森村誠一著『人間の証明』330万部、直木賞5作品を含め、ミリオンセラーを量産。
伝説の編集者として業界でも知らない人はいないほど!

そして、1993年角川書店を退社。
当時の仲間5人と共に幻冬舎を設立しました。
その後もヒット作を次々と連発。
経営者でありながら、今も現役の編集者としてフル回転の見城徹社長です。

では、なぜ幻冬舎だけ、見城徹だけがミリオンを連発できるのでしょうか?

▼勝利の方程式(1)作家との超密着主義
そもそも編集者とは、企画を立てて作家に依頼し、原稿チェックから出版までを担当する、いわば本のプロデューサー。編集者にとって作家は命。見城社長の作家へのアプローチは並ではありません!

書き手とははらわたをこすり合わせるように付き合う受賞した本は数知れず、文壇界の超巨匠の五木寛之さん。
どうしても五木さんに書いて欲しかった見城社長。
しかし付き合いのない出版社では会うことすら許されません。
そこで見城は考えました。「そうだ、手紙を書こう!」
五木さんが書いたどんな小さな記事にも目を通し、ひたすら手紙を書く。
18通目にしてやっと手紙がきて、25通目でようやく会うことができたのです!!
その後は誰よりも仲のいい編集者として、親交を深めること25年、あのベストセラー『大河の一滴』を254万部で売り上げました。

寝る暇も無く作家と付き合う見城徹。
夜中の2時まで北方謙三さんと飲み、家に帰ると宮本輝さんから電話がくる。
一時間話した後村上龍さんから電話、また1時間。
今度は酔っ払った故中次健司さんが家にくる。
朝9時に出社してまた五木さんに手紙を書く毎日。
まさに24時間編集者なのです。

そんな見城さんの人柄にほれたのが、石原慎太郎さん。
見城さんが幻冬舎を立ち上げお金に困っているとき、わざわざ事務所を訪ね、この一言。
「俺を必要としてくれるならなんでもやるぞ」。
そんな石原さんに見城さんがお願いして出来上がったのが、石原さんが自分の弟・裕次郎さんについて初めて語った『弟』。130万部のヒットを記録。

他にも、篠山紀信さんや吉本ばななさんなど、幻冬舎作品にはそうそうたる面々がズラリ。

自分が認めた作家とはとにかく24時間密着、そしてその作家の魅力を最大限引き出し、ベストセラー作品を次々と書いてもらう。
これが幻冬舎最大の儲かる秘密なのです!!

▼勝利の方程式(2)大胆不敵な広告戦略>

いくらいい本でも、読んでもらえなければ意味がありません。
そこで、これは売れる!という商品には、徹底した広告戦略を行うのが見城流。

例えば、100万部を売り上げた郷ひろみさんの自伝『ダディ』の場合。
1998年、見城社長は親しかった歌手の郷ひろみさんに「離婚するかもしれない」と打ち明けられ、離婚のいきさつを綴る本の執筆を依頼しました。

そこで見城社長が取ったPR戦略、それは…離婚同時出版!!
何と、離婚届と同じ日に離婚会見の代わりになる本を出版する、とんでもない戦法。
もちろん、内容が内容だけに、絶対に外に情報を漏らせません。
広告でも「郷ひろみ」と「離婚」を別々の印刷業者に発注するほどの念の入れよう。

世間をアッといわせたこの仕掛け。
マスコミでも次々に大きく取り上げられ、PR効果は絶大。結果100万部の大ヒットに!

さらに新聞広告でも斬新な方法を展開。
それまでは、出版社の広告といえば、同じスペースを数冊の本で分け合うのが普通でした。
ところが見城社長は、あえて一冊を大きく載せたのです。

売りたい一冊を大々的に売り出す、幻冬舎のこの大胆なレイアウトは、「売れる広告」として、今や出版業界ではスタンダードとまでなっているんです。

▼勝利の方程式(3)徹底した合理化

これだけ売れている会社ですが、思ったよりも小さなオフィス。
社員はわずか51名。少数精鋭でやっているのです。
つまり計算すると…年間売り上げ111億円÷社員51名=一人あたり約2億円!!

少人数だからこそ早く動け、決断できる。そのスピードも強さの秘密。
作家とのやりとりから、広告戦略にいたるまで、全く新しいやり方で全く新しいやり方でスピードに乗る幻冬舎は、出版業界の常識を覆す成功を遂げているのです。

そのスタートを切るポスターには、こんな言葉が。

▼スタジオでは、見城社長に直撃インタビューをしました!
Q:『公文式算数の秘密』を売り出すことになったきっかけについて教えて下さい。
A:デートで新宿を歩いていたら、雑居ビルに「公文式算数研究所」の教室を見つけました。翌日新聞で、公文式の「指導員募集」という記事を発見。これは、オリジナルなノウハウがあって、それに沿った形で指導者が教室を開く学習塾なのだということを初めて知りました。これはおもしろいのではないか!ビジネスとは、オリジナルなところにしかないものですから、これはおもしろい!そう思って、ノウハウをつめて公文公著『公文式算数の秘密』を出しました。これが36万部のヒット!これがきっかけで、公文式の会員が飛躍的に増えたのです。

Q:その発想がすごいですね!
A:自分がいいなと思ったり、おやっと思った人には、すぐにアクションを起こすんです。

Q:スタジオに並んでいるこれらの本の中で、ミリオンまでに達しないのでは、と思っていた作品はありましたか?
A:そうですね…天童荒太の「永遠の仔」を初めて読んだ時は、ボロボロ泣きました。これが売れなければ出版社を作る意味がないと思ったほどです。この時天童荒太さんは新人作家だったのですが、25万部売れないとペイしない広告費を8000万円かけて、147万部が売れました。

Q:売れる本のキーワードとは何ですか?
A:オリジナルで、極端なものですね。

Q:見城社長の得意分野はありますか?
A:得意分野というものはありませんが、自分がいいと思った物を読んでもらいたいと思っています。そのためにあらゆる努力をする。スタジオに並んだこれらのベストセラー本の中でも、7、8冊は私が担当しました。当然プレッシャーを感じることもあります。

Q:若い頃に上司からたたかれませんでしたか?
A:いっぱいたたかれましたよ。でも結果を出せば問題ない。角川書店にいた頃、一番売れたベストテンの本の中で、7、8冊は僕が担当したものでしたから、それなら文句ないでしょう。それでも、当然プレッシャーを感じることもありますよ。

見城社長の更なる闘いとは?

見城社長率いる幻冬舎は、さらなる挑戦を続けています。
1997年には創業僅か3年で、当時飽和状態に達していた文庫市場に62冊同時出版で参入。
大きな話題を呼びました。
さらに2001年にはコミックス分野にも参入、10万部を超えるヒット作『ローゼンメイデン』も誕生し、書籍事業以外でも確実に利益を増やしています。

そしてついに2003年、出版社としては極めてまれな株式のジャスダック市場への上場も達成。

そんな幻冬舎の次なる挑戦、それは…男性雑誌!
今、男性雑誌業界は、新刊ラッシュの「大激戦区」!
男性誌はここ三年で一気に加速、およそ65誌がしのぎを削る戦国時代なんです。
そんな激戦区の男性誌業界に、幻冬舎があえて殴りこみをかけるのです。

▼勝利の条件(1)魅力的な連載
みんなの意見をまとめるのは、会社創立からの見城さんの右腕、ゲーテ・発行編集人の館野晴彦氏。いまは雑誌に使う写真の打ち合わせ中。
雑誌にとって大切な柱は、魅力的な連載をいくつもてるか。それが売上を大きく左右します。
早速館野さんは、新雑誌のイメージに合う人に連載のお願いをしにいきます。
やってきたのは、世界陸上で日本人初のメダルを獲得した「侍ハードラー」、為末大選手。
新雑誌ゲーテのコンセプトは、「仕事が楽しければ人生も楽しい。」
為末さんもどうやら気に入ってくれたようです。

全てが順調かと思われた発売直前、事件が起きました。
雑誌の命ともいえる表紙、もともと決まっていたキャッチコピーに納得しないスタッフが真っ二つ。
印刷に出すまであと5時間、果たして間に合うのか?
会議はその後も続き、4時間後にようやくタイトルが完成。
担当者がデザイン事務所に走ります。
こだわりのタイトルはこちら、「24時間仕事バカ」。
先ほどのものと比べると、言葉が短く判りやすいものになっています。

▼勝利の条件(2)広告
一つの雑誌に掲載される広告の分量は、多いときには4割を超えるほど。
一つ一つにおよそ数百万円の広告収入が支払われ、雑誌の売り上げを大きく上回ることも。

さらに皆さんお気づきしょうか?
このページ一見普通の記事にみえますが、これも実は一種の広告なんです。

「タイアップページ」と呼ばれる広告と記事の中間的存在。
企業は商品を新しい形で魅せることができ、出版社は普通の広告よりも高く買ってもらえるという一石二鳥の方法。
幻冬舎の新たな挑戦。今後が楽しみです

▼さて、スタジオでは引き続き、見城社長にお聞きしました。
Q:幻冬舎で男性誌をやろうと思ったのは、なぜなのですか?
A:男性のファッションを扱っているものや、男性の趣味を扱っている男性誌が氾濫しています。ですが、「仕事が楽しければ人生が楽しい」と考える人が多いと思うのですが、その人たちの雑誌がありません。つまり、「仕事の延長上にしか休みはない」と考える人のための雑誌がないのです。

Q:あれだけいろんな雑誌があって、幻冬舎の男性誌は儲かるのでしょうか?
A:広告がきちっと入って、部数が行くと儲かります!これは、オリジナルな雑誌です。こんな雑誌は今までなかったので、必ずうまくいきます。私たちが扱っているのはオリジナルだから、ライバル誌はありません!!

Q:仕事を休みたいと思う時はありますか?
A:ないですね。ハワイに行く時には、ハワイからかけると電話代がいつもの10倍くらいかかる。やることがないといつも仕事のことが気になって電話してしまうので、一泊のホテル代より電話代の方が気になります。まさに24時間仕事バカですね。

Q:見城さんがもくろむさらなる儲かりビジネスは?
A:有名なレストランを上場したいと考えています。私が個人で出資した都内のイタリアンレストランは3店舗あります。そのレストランのシェフはカリスマシェフなので、その人は他の店舗に行くことができません。その弱点を克服するために、皆のためにレストランのライセンスを商品化するのです。金脈としては年商で30億円、20%の経常利益かと思います!

新たなる儲かり市場に向けて可能性を開拓する見城社長。
今後の活躍に、ますます目が離せません!!

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