過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2005年7月24日放送

特集

インド特集 前編

ゲスト

伊藤洋一さん(株式会社住信基礎研究所主席研究員)・飯島愛さん

番組内容

急成長の国、インド
今、世界の投資家が注目するBRICs。
番組では今年4月に恐ろしいスピードで発展を続ける中国を特集しました。
しかしこれからは、そんな中国よりもすごいと言われる国があります。
それは…インド!

そこで今回は経済予報士見習いの川田がインドへ飛んだ!
国土面積は日本の8.7倍、11億人の人口を抱えるインド。
インド人の優秀な頭脳は今や世界中に広がっていて、あの有名なBOSE、ホットメール、iPodを作ったのもインド人なんです!
絶対見逃してはいけないインドの素顔を大解剖!
急成長の秘密から儲かり情報まで、今週と来週の二回に分けて神秘の国インドをたっぷりとお伝えします!!

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インドのITがすごい!

今、インドのITがすごい!
中でもインド南部の高原の街、バンガロールは町中にITがあふれています。
インドの優秀なIT技術は世界に認められ、IBM、インテル、マイクロソフトなどの世界の大手IT企業がバンガロールに集まってきました。
まさに、IT大国インドを象徴する町になっているのです!

では一体、インドのITとはどんなものなのか!?
インド最大手のIT企業「TCSタタ・コンサルタンシー・サービシズ」に潜入取材しました!

早速TCS副社長のジャント・ベンドハーカー氏にお話を伺うと…
「我々は様々な分野にソフトウェアやサービスを提供しています。昨年TCSは株式上場しました。株式の12%を公開しましたが、6〜7倍の買い付けがあり、出来高は10億ドル(1兆円)でした」

株価は急上昇しているTCSは、時価総額が1兆5000億円にも及ぶんです!
恐るべきインドIT企業。

ではなぜ、インドのITはここまで成長することができたのでしょうか?
もともと優秀な頭脳を持ち、多くのソフトを開発していたインド人IT技術者でしたが、そこに目をつけたのが、IT先進国アメリカでした!

アメリカとインドは地球の真裏同士で、およそ12時間の時差があります。
この時差を利用してソフトを効率よく作ることができるのです。
つまり、朝からアメリカで作ったソフトを夜になるとインドに送る。
するとインドは朝を迎えており、夜まで作業を進める。
そしてまたアメリカに送り…と作業は止まることなく進められ、完成までの時間は短縮されるのです。

インドの英語・教育事情

そしてもう一つ、インドのIT発展になくてはならなかったものがあります。
それは英語!

インドの公用語はヒンズー語ですが、インドは地域によって言葉が違い、実に17もの言語があるんです。そのため、準公用語として英語が使われているので、アメリカとのITビジネスは楽にできたのです。

そして、インドのIT企業はこんなこともやっています。
厳重なセキュリティの先には、ヘッドセットをつけた女性たちがパソコンの前でなにやらお仕事。
インドは全世界のコールセンターになっているんです!
例えば、アメリカに住んでいる人がコンピュータ会社に電話で問い合わせをすると、なんとインドにつながり、地球の裏側同士で電話をしていることになるのです。

こんなにすごいインドのIT。
その教育を確かめるため、インドのアレクサンドラ女学校に行ってみました。

実はインドでは小学生から英語は必須科目。
そしてインドでは何と、小学校1年生からパソコンの授業があるんです!
算数の時間では二桁の九九を習っています。
これが高学年になるとこれがさらにバージョンアップ!

そのようなインドの教育こそが、優秀な子供たちを生み出しているのです。
そんな中で、ついにはとんでもないものを作ってしまった高校生が現れました。
それは…何とロケット!!

デハンビィ・レディ君とチャンダン・ドラサッド君のお二人。
これにはさすがのインドも大騒ぎ。
ロケット本体はインド政府の管理下で開発が続けられ、9月にも打ち上げられる予定だとか。
地元の新聞でも大きく取り上げられ、まさにインド人もびっくり!

さてスタジオでは、ゲストの伊藤さんと飯島さんにお話を伺いました。
Q:インドの教育はすごいですね。
A:IIT(Indian Institute of Technology)というインド工科大学が国内に三ヶ所あります。国内屈指の頭脳が集結するこの学校は、毎年約10万人が受験し、合格率わずか3%という名門校で、そこで素晴らしいIT技術者を育てているんです。インド人の全体のレベルを底上げするために素質のある人に優秀になってもらうというやり方なんですね。2000年問題の時も、インド人の技術者が日本にたくさん来て、日本のソフトウェアをかなり手直ししてくれました。大手のIT企業には多くのインド人が働いていて、SE(システム・エンジニアリング)の分野で特にインド人が多いですね。

Q:アメリカのシリコンバレーにあたるのが、インドにおけるバンガロールなのですか?
A:インドはかつて中国と国境をめぐって戦争をしていて、軍はバンガロールにNASAのような研究所を作りました。ところが戦争が終わったら、その研究所の優秀な理工系の人材が失業してしまいました。そこにアメリカが目をつけてその施設と人材を使ってIT産業を起こし、インドでIT産業が発達したんです。

インドの日本進出作戦

急速な進歩を始めているインドが今、日本に進出してきています。
中でも東京都江戸川区の西葛西には多くのインド人が住んでいるんです。

江戸川インド人会会長のジャグモハン・S・チャンドラニさんによると、現在西葛西には900人くらいのインド人が住んでいて、そのうちの99%がIT関係で働いているのだそうです!

そして、インド企業も日本へ本格上陸しようと、新たなプログラムがなされています。
それは、インドの大手IT企業「ウィプロ」の日本語教育プログラム。
ウィプロ日本ビジネスユニット統括マネージャーのスクマール・ティーさんによると、日本においてビジネスで成功するためにはまずは日本語と日本文化を学ぶことが必要で、それらさえ備えれば、日本社会にもすぐに溶け込めると強調します。
そのような理由で、こちらでは日本語の会話、読み書きはもちろん、お箸の使い方まで勉強しています!

さらに、こんな歌まで!

「ジャイ・ネット」日本語講師の田中孝始さんは、インド人の記憶力の良さを絶賛していました。
インド人は自分にとって役に立つことに対しては、日本人以上の集中力を発揮するのだそうです。

世界一の頭脳大国であるインドの日本進出は、すでに始まっているのです!

日本企業のインド進出

そんなインドに対し、わが日本も負けてはいられません。
特に日本の自動車産業の勢いはすさまじく、大手メーカーは20年前からインド進出を始め、インドの町中は日本車だらけ!さらに新しく工場を作るメーカーも続々登場。

中でも、日本のホンダとインドの自転車メーカーのヒーローグループの合弁会社であるヒーローホンダの勢いは止まらなく、近頃インドで急速に増えているバイクの会社であります。
何と、インドのバイク市場の約50%を占めており、その年間の販売台数はおよそ300万台!
それを全てインドで生産しているのです!

ヒーローホンダのグルガオン工場。
こちらでは、驚くほどのスピードでバイクがどんどん組み立てられていきます。
そしてあっという間にバイクの形になっていきます!

ヒーローホンダの山本幹副社長の話では、バイクを1台作るのにたったの18秒しかかからないそうです。さらにその生産ラインが2つあるというから、実際には9秒に1台の割合でバイクが出来上がるのです!
1日の平均生産台数は約1万台。
作ったらすぐ売れるだけでなく、今ではバイクが足りなくて店が困ってる状況なのだとか。
経済が急成長を続けるインド、今後も目が離せません!

スタジオの伊藤さんのお話によると、インドと中国の魅力は元々のパイの大きさにあるのだといいます。
ですが、インドと中国でかなり違うのは、インドは世界最大の民主主義国家だということです。
中国に比べて社会体制がクリアで企業の統治もオープンなので、インドの方が安心して投資できるという利点があるのです。
まだ発掘されていない部分がたくさんあるからこそ、長い目で見たらおもしろい国、それがインドなのです!

来週のがっちりマンデーでは、今週に引き続き、インドで儲けるコツとインド最大の財閥のトップについてご紹介します。お楽しみに!

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