JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス

JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス 毎週(木) 午後11:00〜11:30

JNN系列の記者が、ニュースで伝えきれない「こだわり」を込めたドキュメンタリー番組。そこからは日本の、世界の、人間の、さまざまな知られざる側面が見えてきます。ニュースのその後はもちろん、歴史も文化も、記者たちの視点でとらえたドキュメンタリーをお届けします。

2020年11月放送

2020年11月5日放送

小さな喜びを感じて ~津久井やまゆり園事件・被害者家族の4年~

地上波2020年9月6日OA
制作:TBSテレビ
ディレクター:福田浩子

【内容】
「何も恥ずかしくない。障害があったって普通の子じゃないか。」

尾野剛志さん・チキ子さん夫妻は、あの事件の直後から名前と顔を出して取材を受け続けている。

2016年7月に起きた津久井やまゆり園事件。元職員の植松聖死刑囚は入所者19人を殺害し、26人に重軽傷を負わせた。尾野さんの息子の一矢さんも首などを刺され、一時は生死の境をさまよった。

障害者の存在自体を否定するような言動は、絶対に間違っている。法廷で尾野さんは、植松死刑囚に向き合い、言葉をぶつけた。

「私たち家族は、悩みながらも小さい喜びを感じて生きている。」

この夏、一矢さんは施設を出て、アパートでの生活を始めようとしている。信頼できる介護士たちが寄り添う。多くの人に支えられ、一矢さんが幸せに暮らす姿を知って欲しい。そう話す尾野さん一家の4年間を追った。

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2020年11月12日放送

テイラー先生が遺したもの

地上波2020年9月20日OA
制作:TBSテレビ
ディレクター:原田真衣

【内容】
明るく優しい、“テイラー先生”は、子供たちの憧れだった。

宮城県石巻市の小・中学校で英語を教えていた、アメリカ人女性のテイラー・アンダーソンさん(当時24)は東日本大震災で亡くなった。幼い頃から憧れた日本で、教師の夢を叶えたばかりだった。

「テイラーが死んだのは日本のせいじゃない。テイラーは日本の人たちを愛していたから・・・」。テイラーさんの両親は、その意思を継ごうと石巻の子供たちへ本を贈り続けている。それは「テイラー文庫」と名付けられ、10年近くの間に2万冊に達した。

その「テイラー文庫」の本棚を作ったのが木工作家・遠藤伸一さん。テイラー先生の教え子だった3人の子供たちが、津波の犠牲になった。絶望の中、生きる希望となったのが、本棚を作ることだった。

「テイラー先生が未来へ導いてくれた」と語るのは、当時の教え子の1人で、東京の大学に進んだ佐々木えりこさん。この春、アメリカに渡り、出会ったのは-。

あの震災から、もうすぐ10年。海を越え、テイラーさんが遺した、“人のつながり”。
深い悲しみを生きてきた人たちの、背中を押し続けるものは-

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