JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス

JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス 毎週(木) 午後11:00〜11:30

JNN系列の記者が、ニュースで伝えきれない「こだわり」を込めたドキュメンタリー番組。そこからは日本の、世界の、人間の、さまざまな知られざる側面が見えてきます。ニュースのその後はもちろん、歴史も文化も、記者たちの視点でとらえたドキュメンタリーをお届けします。

2020年8月放送

2020年8月6日放送

私は殺していない~再審無罪への17年

地上波2020年6月7日OA
制作:MBS毎日放送
ディレクター:津村健夫

【内容】
滋賀県彦根市に住む、元看護助手の西山美香さん(40)。

彼女は、自分が着せられた無実の罪を晴らすため、闘ってきた。西山さんは2003年に東近江市にある病院で男性患者が死亡した事件で、患者の人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして、2004年に逮捕・起訴された。

裁判では一転、「取り調べ官を好きになり、言われるがまま自白した」と起訴事実を否認したが認められず、懲役12年の罪が確定した。西山さんは獄中から「えん罪」を訴え、再審=裁判のやり直しを求めた。

出所後の2017年12月、大阪高裁は、「患者が自然死した合理的疑いが生じたので、自白も信用できない」として再審開始の決定を出し、最高裁でも支持された。これまでの例では、再審公判が開かれるということは、ほとんど自動的に無罪判決が出ることを意味する。しかし、検察は「再審公判で、改めて西山さんの有罪を立証する」という。一体いつになったら、殺人犯の汚名をそそぐことができるのか…。

番組では、出所後から西山さんに密着、今年2月に行われた再審公判から今年3月31日の再審判決までの軌跡を追いながら、えん罪被害に苦しむ西山さんの思いを伝えるとともに、えん罪を生みやすい今の日本の捜査・裁判のシステムを検証し、問題提起していく。

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2020年8月13日放送

遅すぎることはなかった ~オランダ・戦後75年の補償~

地上波2020年6月21日OA
制作:TBSテレビ
ディレクター:西村匡史

【内容】
ナチス・ドイツの占領下にあったオランダのベステルボルク通過収容所。今年1月、この収容所から移送されて亡くなったユダヤ人ら10万2000人、1人1人の名前を読み上げる追悼式が行われた。

両親を亡くしたサロ・ムラーさん(84)は、ナチスから多額の資金をもらってユダヤ人の移送に協力しながらも責任を認めないオランダ鉄道を許すことができなかった。謝罪と補償を求めてたった一人で国営企業に立ち向かった。

戦後75年となった今年1月、オランダのルッテ首相は、当時のオランダ政府がナチスからユダヤ人を守らなかった「加害の歴史」を認めて、オランダ政府として初めて謝罪した。オランダでは第2次世界大戦中に約14万人のユダヤ人が暮らしていたが、そのうちの75%近くがナチスとオランダ人協力者によって虐殺されていたのだ。

戦争体験者の多くが亡くなり、風化が進むなか、私達は過去の過ちとどう向き合うのか。オランダの「戦後補償」を取材した。

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