JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス

JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス 毎週(木) 午後11:00〜11:30

JNN系列の記者が、ニュースで伝えきれない「こだわり」を込めたドキュメンタリー番組。そこからは日本の、世界の、人間の、さまざまな知られざる側面が見えてきます。ニュースのその後はもちろん、歴史も文化も、記者たちの視点でとらえたドキュメンタリーをお届けします。

2020年4月放送

2020年4月16日放送

ヤジと民主主義 ~警察が排除するもの~

地上波2020年2月2日OA
制作:HBC北海道放送
ディレクター:長沢祐

【内容】
2019年7月15日。
札幌での安倍首相の応援演説で「安倍やめろ」とヤジを飛ばした男性が排除された。
「増税反対」。そう声を上げた女子大生も同様だった。
あの日排除されたのは声を上げた人だけではなく、無言でプラカードを掲げる人もいた。

プラカードを掲げられなかった女性はこう語る。
「無言でプラカードを掲げるというのは誰にでもある権利。
弱者ができる唯一の一人でできることを奪う国は民主主義ではない」
排除した警察は、およそ7か月もの間、排除した法的根拠を説明していない。

明治・大正の言論の自由が抑圧されていた時代。
戦時中に多くの市民を排除し、思想することさえも奪った治安維持法。
声を上げる中身や無言で掲げるプラカードの内容で
排除の対象になってしまう。

あの日、札幌ではどこか遠く感じていた昔のように
民主主義が大きく制限されていたのではないだろうか。

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2020年4月23日放送

外交官が綴った妻への手紙 ~ソ連からの“返還”交渉~

地上波2020年2月16日OA
制作:TBSテレビ
ディレクター:川瀬善路

【内容】
戦後70年以上経った今も解決していない「北方領土問題」。
日本とロシアが交渉の基礎と位置づけているのが、1956年に結ばれた「日ソ共同宣言」だ。

日ソ交渉を日本側の全権大使として担ったのは、外務次官や駐英大使を歴任した外交官・松本俊一。

現在に繋がる外交交渉はどのように行われたのか。取材を進めると、
松本が交渉中、会談場所・ロンドンから日本で待つ妻へ近況を伝えるために送っていた数十通の手紙が見つかった。

国内政治や、冷戦下の米ソ対立に翻弄されながら進められた日ソ交渉のさなか、妻だけに打ち明けた苦悩。対外的には決して表に出すことの出来ない交渉の舞台裏。

手紙には、国を背負ってソビエトと対峙する外交官の「本音」に加え、未だ日本政府が資料を公開していない“アメリカの恫喝”を裏付ける内容が、克明に記されていた。

生前、北方領土返還を願い続けた男が果たした役割とは。松本が明かした交渉の内幕から見えてきたものは、今の外交交渉に繋がるものだった。

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