JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス

JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス 毎週(木) 午後11:00〜11:30

JNN系列の記者が、ニュースで伝えきれない「こだわり」を込めたドキュメンタリー番組。そこからは日本の、世界の、人間の、さまざまな知られざる側面が見えてきます。ニュースのその後はもちろん、歴史も文化も、記者たちの視点でとらえたドキュメンタリーをお届けします。

2020年1月放送

2020年1月23日放送

天井のない監獄に"灯り"を ― パレスチナ暫定自治区ガザ 2019

地上波2019年10月27日OA
制作:TBSテレビ
ディレクター:須賀川拓

【内容】
住人はおよそ200万人。
福岡市と同じくらいの人口が、文字通り塀の内側で生活を強いられている場所がある。

パレスチナ自治区・ガザ。
高い壁は町を「封鎖」し、外の世界に出ることは出来ない――。

壁の近くは、イスラエル軍が24時間監視していて、ガザは「天井のない監獄」とも呼ばれている。人やモノの行き来が厳しく制限されていることから経済は崩壊し、将来の行く末が全く見えない。 多くの若者たちが絶望と激しい怒りにかられ、死を覚悟してデモに向かう――。

そんな世界にいま、一筋の希望の光が差し込んでいる。
ガザ出身・25歳の女性起業家がもたらしたイノベーションの息吹は、多くの職を生み出している。

彼女は言う。
「封鎖がもたらす最も非人道的なこと、それは希望が奪われることです」

ガザだからこそ生まれたアイディアと技術を使い、終わらない抑圧のなかでも明るい未来が来るのを信じ続ける、パレスチナの新世代を追った。

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2020年1月30日放送

ガチウヨ~主権は誰の手にあるのか~

地上波2019年11月3日OA
制作:MBS毎日放送
ディレクター:斉加尚代

【内容】
「米国の正義を疑え!」、そう書かれたTシャツと隊服を着て街宣活動をする小柄な女性がいる。愛国団体「花瑛塾」の仲村之菊(みどり)さん40歳。自らを「ガチウヨ」と呼び、ヘイトに走る「ネトウヨ」とはまったく異なる思想がある、と語る。千葉県柏市に拠点をおく塾には天照大神を祀る神棚があり、仲村さんが祓詞を唱えて一日が始まる。神棚の隣には工具が並ぶ作業場。塾が自宅でもある彼女は、大工である。18歳で右翼の世界に飛び込み、令和の始まりとともに若い男たちを率いる塾長になった。

塾生は約30人。その一人、21歳のヒロキは、仲村さんにネット上で絡んできた「ネトウヨ」だった。だが「もうネトウヨは、卒業!塾長のおかげです」と笑う。今年6月、仲村さんとヒロキは、慰霊の日を沖縄で迎える。兵士と住民が地獄を見たガマ(自然洞窟)にも入り、沖縄戦に初めて触れたヒロキ。「自分の悩みは、ちっぽけでした」と自省し、生活を立て直そうとする。ところが8月9日、右翼が集まる反ロシアデーにヒロキの姿が見えない…。

歴史認識の問題や外交の摩擦から人びとが「ファッションでネトウヨ化している」と指摘するガチウヨ。「戦争の記憶を継承」し、「東アジアと連帯」することなどを目指し、沖縄の米軍基地ゲート前にも立つ仲村さん。戦後74年、模索を続けるガチウヨの目を通し、この国のいまを描いてみる。

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