2018年9月20日放送
私は誰? ~順天堂医院新生児取り違え問題~
地上波2018年6月17日OA
ディレクター:樫田小夜(TBSテレビ報道局)
【内容】
もし、自分の人生が『誰か』によって「取り違えられた」とき、その人生を人はどう、考え、生きていけばいいだろうか。そしてその戻らない時間は、人生は、償われることのできるものだろうか。
今年4月、東京・文京区にある順天堂大学医学部附属順天堂医院は、およそ50年前に医院で生まれた男の新生児について、「ほかの新生児と取り違えた可能性が極めて高い」と公表した。
取材に応じたのは、取り違えられた1人である都内に住む51歳の男性と76歳の“育て”の母親。2人は3年前にDNA検査で一切血縁関係がないことが判明したのだ。
しかし実は40年以上前に、すでに母親は、ある理由から「取り違え」を疑い、医院側に訴えていたことがわかった。でも当時、医院が母親にかけたのは、思いもよらない言葉だった。
自分は誰なのか。本当の子どもはどこにいるのか。真実を求める“親子”の苦悩にカメラが向き合った。
2018年09月27日放送
和解を求めて ~諫早湾干拓 閉め切りから21年~
地上波2018年7月1日OA
ディレクター:内野大輔(NBC長崎放送)
【内容】
地域を豊かにするはずの公共事業が地域にもたらしたのは住民同士の対立だった。国営諫早湾干拓事業。潮受け堤防の排水門開門の是非を巡る漁業者と農業者の裁判は10年以上続き、開門と非開門の相反する判決が出されるなど司法判断も分かれている。
農家の松尾公春さんはかつて開門差し止め裁判に参加していた。しかし開門禁止の判決を機に、行政は農家に対する態度を一変させたという。「農家は開門阻止のための盾にされた」と憤りを隠さない。
一方の漁業者も失望を深めている。島原市の漁師、中田猶喜さんは8年前に開門の確定判決を勝ち取ったものの、国は今も開門の義務を果たさない上、裁判所も開門判決を否定するような考えを示しており、もはや裁判での解決はできないと考えている。
行政と司法に翻弄されてきた漁師と農家。かつて対立の構図にあった両者が今、少しずつ歩み寄りを始めた。諫早湾干拓はいま、新たな展開を迎えている。