2018年5月17日放送
アイコ・ヨシナガという生き方~日系人強制収容の真実を求めて~
地上波2018年2月18日OA
ディレクター:松本年弘(JNNロサンゼルス支局)
【内容】
太平洋戦争中、アメリカ在住の日系人・約12万人が『敵性外国人』として強制収容所に入れられた。3分の2はアメリカ国籍だったにもかかわらずだ。
ロサンゼルスに住む、日系二世アイコ・ハージッグ・ヨシナガさん(93)は17歳の時に強制収容された経験から終戦後、一つの疑問を抱く。「アメリカはドイツやイタリアとも戦争をしていたのに、なぜ日系人が狙い撃ちされたのか?」
アイコさんはアメリカ国立公文書館に25年以上通い続け、朝から晩まで資料を読み漁った。集めた資料は一つ一つ手書きでリスト化し、その数は優に3万を超えた。
そして、決定的な資料を見つけ出す。その資料はアメリカ側が『ある事実』を隠蔽するために廃棄したはずのもので、1980年代の「日系人の強制収容」についての裁判で重要な役割を果たした。
日系人強制収容の真実を探し続け、歴史を動かした女性の知られざる物語である。
2018年5月24日放送
教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか
地上波2018年3月4日OA
ディレクター:斉加尚代(MBS 毎日放送)
【内容】
「善悪の判断」「礼儀」「国や郷土を愛する態度」・・20以上の徳目がずらりと並び、その徳目を学ぶ読み物が続く「道徳」の教科書。来年度から小学校で導入される「特別の教科 道徳」は、これからの教育の要とされている。2020年度に全面実施される新教育課程には「道徳教育は学校の教育活動全体を通じて行われる」とあり、まさに戦後教育の大転換といえる。
教育現場では賛否が渦巻いている。その背後では教科書をめぐり、文科省の検定や採択制度が、政治的介入を招く余地があるとの懸念の声もあがる。これまで歴史の教科書では、過去に何度もその記述をめぐり激しい議論が起きている。「もう二度と教科書は書きたくない」と話す学者は、「慰安婦」の記述をきっかけに教科書会社が倒産することになった過去について重い口を開く。一方、いまの検定制度を「忖度の世界」と嘆く編集者もいる。
学校現場では、特定の教科書を攻撃するハガキが殺到するような異常事態も起きていた。そしてその背後には政治家の影がちらつく。
「教科書神話」が残るこの国で、歴史や道徳の教科書にまつわる出来事から、この時代の教育の流れが見えてくるのではないだろうか。教科書でいま何が起きているのか。教科書にこだわり、未来を照らす教育について考える。