2017年11月16日放送
氷の大陸から ~南極観測隊同行記~
地上波2017年9月1日OA
ディレクター:今林隆史(RKB毎日放送)
【内容】
潮を吹くザトウクジラの群れ、氷の中から現れた100羽を超すペンギン…。氷の大陸・南極には圧倒的な大自然が広がっていた。日本が観測を始めて60周年となる節目に、観測隊に同行した。
太陽が沈まない夏の南極。隊員は1か月あまり野外の小屋やテントで生活しながら、調査していた。夏とは言え、気温は氷点下。強い風が雪を舞い上げて前が見えなくなる“ブリザード”も襲来する。厳しい環境の中、南極でしか出来ない調査に取り組む隊員の姿を追った。
溶ける際に気泡が弾ける南極の氷。数万年前の空気を閉じ込めている。昭和基地のバーには、その氷が用意されていた。閉鎖空間である基地で、バーは隊員がリラックスする貴重な場となっていた。長い場合は1年以上を基地で過ごす隊員の生活を紹介する。
60年間積み重ねられてきた観測は、地球環境の変化をとらえていた。これから何が起こりうるのか、最新の調査から見えてきた。
2017年11月23日放送
よみがえる旋律 ~戦地に散った若き作曲家たち~
地上波2017年9月15日OA
ディレクター:大野慎二郎(TBS報道局)
【内容】
忘れ去られていた旋律がようやく戻ってきた。
今年7月、東京藝術大学のホール「奏楽堂」で開かれたコンサート。
演奏されたのは、かつて大学で音楽を学び、戦争で命を落とした学生たちが残した作品だ。
この日が初めての演奏となった、草川宏さん(1940年入学)の「ピアノソナタ第1番」。
宏さんの父親は、童謡「夕焼小焼」などで知られる、作曲家・草川信さん。
同じ音楽の道に進もうとする父子を、戦争が容赦なく引き裂いていく。
証言から浮かび上がる、父親の葛藤と宏さんの決意・・・。
そして、村野弘二さん(1942年入学)のオペラ「白狐」。
コンサート実現のきっかけとなったのが、弘二さんが残した楽譜とレコードの発見だった。終戦6日後にフィリピンで自決した弘二さん。
死の真相を追う親族の執念は、ついに最期の地に向かわせる。
すでに収集や展示が進められてきた戦没画学生の絵画作品に比べ、
これまでほとんど手がつけられていなかった音楽作品。
調査とアーカイブ化に向けた動きは始まったばかりだ。
若き作曲家たちを一人の兵士に変えた戦争から72年。
忘れ去られていた旋律がなぞる、あの時代の記憶。