
佐々木真奈美 ささきまなみ
「念願」
「この光景に、
やっと出会えた。」
足を踏み入れた時、
そう思いました。
京都・嵐山。
思わず息をのむ美しさの竹林。
見つめていると、
心が洗われたかのように
楽になっていく一方で、
すっと真っ直ぐに伸びる竹に
もっと自分もシャキっとしなくてはという
気持ちにさせられました。
ところで
“やっと”出会えた
その理由を説明するには
去年まで話しを遡る必要があります。
去年9月。
台風18号が
各地に甚大な被害をもたらしました。
京都では桂川が氾濫し
観光地として有名な
嵐山の渡月橋付近でも
水位が急上昇。
普段 観光客でにぎわう
旅館や商店街に
水が押し寄せた映像に
衝撃を受けた方も
多かったのではないでしょうか。
実はあの日、
私はまさに京都にいました。
傘を差しても無意味なほど
四方八方から打ち付ける雨に打たれながら
友人と共に京都のホテルに到着。
「翌日は雨が収まったら
嵐山に観光に行こうね」などと
話し合い眠りにつきました。
しかし翌日
目にしたのが、大雨で桂川が氾濫し
嵐山が一面水浸しとなってしまった
あの映像でした。
(普段、散歩をする人やカップルで賑わう
鴨川の堤防も
濁流に覆われていました。)
その後、懸命な復旧作業が行われた嵐山。
元気になった姿を見たいと
「あの日」から
思い続けていたのです。
念願叶って訪れた嵐山は、
食事や景色など
想像以上の素晴らしさ!
また、活気を取り戻した嵐山に
どんな困難な出来事が起きても
必ず乗り越えられる日が来ることを
教わったような気がしました。
(2014年7月4日)