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『怪物王女』インタビュー 監督:迫井政行

──原作を読まれての印象は?
最初の印象は、スプラッター的なものでした。血をドバドバドバーっという印象があって、そちらの血やグロさがメインの作品なのかなと考えていたんですけれど、よくよく読んでいくとそうでは無くて、どちらかというと姫やフランドルを筆頭に、出てくるキャラクターの魅力が面白いというものに変わりました。その辺のキャラクターが、上手く出せれば凄く面白い作品になると思ったんです。
──アニメ化にあたっての方向性は?
方向性としては、原作の良さをとにかく引き出していきたい、というのがありました。原作は月刊誌で紙面も少ないので、話が簡潔になっているんです。その間を埋めるという作業が重要だろうな、という事で。 その部分で、それぞれのキャラクターの個性とか、そういったものを引き出せるエピソードを作っていって、作品の持つホラーだとか、何が毎回起こるか判らないという楽しさを出しつつ、キャラクターをいかに魅力的に見せていくか。そして、どちらかというと楽しく観てもらえるような形に作っていければいいな、と。それが、最初に話しあった事ですね。
──アニメの方で、走り出したキャラクターはいますか?
もちろん、姫・ヒロ・リザは元から立っているキャラクターで、大丈夫だろうと思っていたんですが、フランドルがマスコット的なキャラクターとして、アニメの画面に出てきた時に、凄く面白くなっています。出ているだけで、何か面白いなぁ! と思っています。  あと、紗和々ですね。マンガでは、余り登場出来ないキャラですが、アニメではほとんど毎回出す事が出来ています。かなりオトボケなキャラクターなので、フランドルと一緒で、殺伐とした中に癒しを与えてくれていますね。
──今後の見どころは?
基本的には1話完結なので、どこから観ても入り込みやすいようにはなっているとは思うのですが、徐々にヒロと姫の関係とか、そういった微妙なキャラクター同士の関係性など、そこが作品の焦点になっているという訳では無いのですが、少しずつ進展していくような部分とかもあります。話数を重ねるごとに、どんどん味が出てくると思いますので、その部分を楽しんでいただけたらなぁ、と。  後は、続々と新キャラが登場します。その登場話数とか、その後の展開などでキャラクターの持ち味が発揮されていきますので、そのところも観て欲しいなと思っています。
──各話の見どころをお願いします。
1話は、ヒロと姫の出会いです。あと、血じゃなくて炎になった、その辺の表現です。当初から思案した部分ですので、その辺の雰囲気というか、原作の雰囲気を損なわないようにやったつもりです。今後を期待して観てもらえると有難いです。  
2話は、いわゆるメインビジュアルとでもいうべきチェインソーが出てきます。チェインソーを持った姫がカッコいいかな、と。  
3話は、何といっても、リザの登場です。姫とのやり取りを見て下さい。  
4話は、内容としても、なかなか起伏に富んだものとなっていて、デカイ半魚人あり、あと、ちょっとお色気ありで、その辺が見どころかな、と。

『怪物王女』インタビュー シリーズ構成&脚本:ふでやすかずゆき

──原作を読まれての印象は?
やっぱり最初は、バイオレンスのスプラッター物だなと思ったんですけれども、あとは……ヒロがお姉さまに囲まれてのSMですよね……。お姉さま方の理不尽な痛みに耐えていく、けなげなヒロくん、という。ヒロの立場は、見ている人には羨ましかったりするのかなぁ? と、いう気はしました。
──アニメ化にあたって、原作を30分の作品としてまとめるのに苦労した点は?
原作の光永先生も言っておられるのですが、マンガの方はページ数の関係で、やっぱり、刺客が来て、それを倒して、という、姫を中心とした話しか出来ない。アニメの方では、姫の活躍という軸はあるんですけれど、尺が足りない場合には、他のキャラクターの描写を増やして、キャラクターを掘り下げていって肉付けしていく、という方向性ですね。  後は、表現の関係で、アニメは血が使えなくて、炎に変更になっているんですけれども、それもあって、原作の魅力の1つになっている血の描写とかが出来ない分は、キャラクターを掘り下げる事によって広がる魅力でカバーしようとしているつもりです。
──アニメの方で、走り出したキャラクターはいますか?
やっぱり、アニメになってのフランドルの可愛さは、異常です……! あと、半魚人のエピソードは結構、シナリオ上でもコメディっぽく書いたんですけれども、それ以上にAR時、チョーさんのアドリブが炸裂していて、素晴らしいものになっています。アレは、すごいです。
──今後の見どころは?
オリジナルエピソードも何本かありますので、そこも含めて観て頂けたらな、と。そうして『怪物王女』の世界が広がっていけばなぁ、と思います。
──各話の見どころをお願いします。
1話は、血を飲ませるという行為が色々な制約で使えなくなった時に、生命の炎というアイデアを原作の光永先生から頂いたので、世界観的には原作のファンの方にもそれほど違和感なく、安心して観て頂けると思いますので、今後も楽しみにしていて下さい。  
2話は、紗和々の天然ぶりが、原作よりも強調されておりますので、ファンの方は楽しんで下さい。  
3話は、リザの気持ちを掘り下げて、兄貴との関係を強調した作りになっておりますので、その辺に注目してください。
4話はもう、チョーさんのアドリブ! 最高!!(笑)

『怪物王女』インタビュー 音響監督:高桑一

──まずは、「怪物王女」である姫についてお聞かせください
高桑一(以下、高桑):作品の中心になるキャラなので、作品感を壊さないように、王女である姫を王女らしく見せようと。 川澄さんには、「可愛くならないように」と言いました。具体的には、感情が余り入らない方がいいんですよね。 高飛車な感じで、自己中心的で、何でも常にものを上から言わなきゃいけない。油断すると、感情が入って可愛い感じになったりもするので、 その辺がなるべく出ないように演じてもらっています。アフレコも半分以上は来ているので、もう問題無いと思います。 姫は、如何に周りから見て高飛車に見えるか、偉そうで、余り物に動じず、という所がポイントだと思いますね。
──フランドルの「ふが」について
高桑:第1話のアフレコのときに、原作者の光永先生、監督、僕、その他色々な人がいて、 どういう風に「ふが」をやるのがいいのか? といろいろ試行錯誤しました。 それで今みたいな「感情的には常にある程度、一定な感じでいく方がいいんじゃないのか」という方向に。 演じている河原木さんは、申し訳ないですが、ストレスが溜まるかもしれないですけど、キャラ付けとしては間違っていないかなと。 あまり抑揚は無く、多少は変わったりはしますけど、悲しかったら悲しいとか、楽しかったら楽しいとか、 そういう差はあんまり無いように、という感じで演じてもらっています。
──「ふが」といえば、フランシスカも出て来る訳ですが、「ふが」の違いをどこで出しておられますか?
高桑:フランシスカは大人っぽく――声低めで、メイドなんだけどメイドじゃない、みたいな感じで差別化出来てればいいかなと。フランドルは明らかに、可愛い感じでやってもたっていので、そのバランスを意識しましたね。
──それでは、姫とシャーウッドとの違いは?
高桑:姫とフランドル、シャーウッドとフランシスカは、年齢的なバランスが逆対照の感じなんですよね。印象としてはそれぐらいがいいと思うんです。それで、シャーウッドに関しては子供っぽく。ただ、その中でも、王家の姫という意味でやや生意気な感じを出してもらっています。
──それらのメインキャラとヒロのバランスは?
高高桑:ヒロは、情けなく……(笑)。一応設定的に、中2だったと思うんですよね。中2だから、そんなにしっかりしてないし、女性がいっぱいいる中でも、やっぱり頼りない感じ、というのが、男性声優さんよりも女性の方が出るのかな、と。男性で中2をやるとなると、やっぱりちょっと頼りがいが出てしまうかなと。本物に近い年齢の子を呼んでくるとか、そういう感じになっちゃうんで。頼りなさ、というのがイイな、と。
──ヒロの姉である紗和々はどうですか?
高桑:紗和々はもう、天然な感じですね。周りに全く動じない、常にマイペースな、ただ、人に嫌な感じを与えない……そういうポーッとしている感じが出てれば。本当の路線とはちょっと外れた所にいつもいる感じなので、ある意味面白いキャラですね。
──リザについては?
高桑:リザはね、乱暴者って感じで(笑)。なるべく、ガサツに。でも、何故か姫にはそれなりな対応をしていますね。最初は姫の命を狙ってきたのですが、それが誤解と分かり、兄を利用して殺した人に辿り着く為に姫のそばにいるですが、今はもう、何となくいるのが楽しい、という風に見えますけどね(笑)。  甲斐田さんには、あまり男っぽくしないでと指示しました。それは、極端に男っぽくしなくても、周りの女の子たちとのバランスがとれるかなと。ところどころ多少、可愛げのある所も出してもらいつつ。
──令裡は?
高桑:令裡は、姫に近い部分もあるのかもしれないんですけれど、あまり物に動じない感じで、飄々としていて、何か不思議な感じがありますね。令裡役の能登さんに言ったんですよ「性格的にはたぶん、君とそんなに変わってないと思うよ」と(笑)。ちょっとポーッとしたところもある天然系かなと。文句を言われても、文句だと思わないでかわすところがあるみたいな、本心は分かりませんが。
──新キャラとして、ツェペリが加わりましたが……
高桑:ツェペリも、本当は何を考えているのか、ちょっと良く判らないのですが……(笑)。本気で姫をどうかしようとしているのか? ちょっとちょっかい出して遊んでいるのか? どちらかというと、ちょっかい出して楽しんでいるのかな、という風にもとれなくはないのですが。やっぱりツェペリも、物事には動じない、感じがしますね。それがちょっと、嫌らしくいけるといいなと思っています。堀内賢雄さんもベテランですし。現場的にもいいんじゃないですかね、雰囲気が楽しくなって。
──『怪物王女』のテイストはどう捉えていますか?
高桑:監督と話した時に、「『怪物王女』という作品タイトルであるので、怖いところは怖くしたい。ホラー的な部分はそういうニュアンスを出したい」と。そこはなるべく上手く、観ている人が、怖いなぁ、と思うような感じに持って行ければな、と思っています。 とはいえ、もちろんコミカルなギャグのシーンもきちんと押さえたいということでした。 ですから、その辺りの、ホラーとギャグのバランスは、シナリオの方でうまく出来上がっているので、それをセリフや効果、音楽の入れ方でも損なわないようにしていきたいと。監督をはじめ、皆さんの意向をきちんと汲み取り反映していくことですね。
──高桑さんとしては、ギャグとホラー、どちらがお好きですか?
高桑:やっぱり、ギャグの方が面白いかな(笑)。とりあえず、それぞれの良さがあるので、ホラーもイイと思うですが。個人的にどちらが好きか、と単純に言われるとギャグですけど、別にジャンルとして、何が嫌いとか苦手とかは特にないですね。
──高桑さんとしては、『怪物王女』はどんな作品だと思われますか?
高桑:面白い設定だと思うんですよ。これから先、どこまで姫のお兄さん達が本当に出てきて、どういうお話になるのか、まだ展開的に全部知らない部分も私にはあったりするので、どうなるのかな、という楽しみはありますね。今まで私がやったことのないタイプの作品ですね。女性キャストばかりで、こういうちょっと変わった感じのものは。話数によってそれぞれ違う面白さを引きだして行けるのかな、という部分もありつつ、どんどん面白くなって行けばいいな、と自分も期待しつつやっています。
──ありがとうございました。