TBS開局50周年記念・地雷ゼロキャンペーン

2003年7月の月刊報告

実績概要
　■ 42,785 m²の地雷原の安全を確保
　■ 6,761 m²の地雷原における潅木伐採が完了
　■ 67個の対人地雷の除去が完了
　■ 72個の不発弾の除去が完了
　■ 3個の対戦車地雷の除去が完了

進行中の除去活動
▼ オクローチ村 4
　（2003年3月17日除去活動が開始-2004年8月終了予定）

　オークロッチ村は、極端に貧困下にある村である。以前は、ポル・ポト派の村であり、多くの家族は土地不足にも関わらず、農業により生計を立てようと苦闘している。これらの問題に加え、飼っている家畜数は少なく、また村の周りは地雷原となっている。この地域における地雷除去活動は、オークロッチ村に住む人たちにより多くの安全な土地を提供することができ、新しく住み始める人々に対しても、安全な土地を提供することができる。オクローチ村5という同村のほかの場所での除去活動が5月末に完了し、20族に安全な土地が与えられた。この地雷原はオクローチ村の南部に位置している。除去終了後、除去地は新規移住者に提供されるだけでなく、現在村に生活している人々の地雷への恐怖を取り除くこととなる。7月には2セクションが除去活動に従事し、対人地雷5個と不発弾4個を除去した。

▼ スヴァイ・ソル村 1
　（2003年4月1日除去活動が開始-2003年10月終了予定）

　スヴァイ・ソル村では最も地雷が集中して埋められていると思われる場所での除去活動は終了したが、にもかかわらずたくさんの対人地雷が発見されている。未だ多くの地雷が周辺地域に残っていると思われる。この場所は農地に近いことから生活していくうえで危険性が高い。土地を安全にして欲しいという要望は非常に高く、肥沃な土地を耕すためにスヴァイ・ソル村1と4の間のK5地雷ベルトと呼ばれる地帯を、犠牲を払ってでも安全にしたいとしている。今月ゼロ委員会チームは破片式地雷及び爆風地雷、計27個の対人地雷を発見、除去した。雑草が生い茂っており、雑木伐採チームが雑草や雑木を伐採するなどして除去作業の効率化に大いに貢献している。除去が進み、この場所での除去活動は終了に近づいているが、除去活動に必要な安全な距離（※通常25m）をとらなければならないので、チームはスヴァイ・ソル村2とオ・チャム・ボック村1に移動している。

▼ スヴァイ・ソル村 2
　（2003年7月6日除去活動が開始-2003年中終了予定）

　スヴァイ・ソル村2はスヴァイ・ソル村1の隣りにある。ヘイローは除去活動の運営及び安全管理の都合上、除去活動を二つに分けた。K5地雷ベルトは非常に肥沃な農地を通り抜けており、地雷原にぎりぎりのところまで近寄って農作業をしている。土地にはとうもろこしが植えられ、タイに輸出している。また土地が豊かなため、地域住民が農場で働くという雇用創出効果もある。7月にゼロ委員会チームは対人地雷を発見し、除去している。

▼ オ・チャム・ボック村
　（2003年7月19日除去活動が開始-2003年11月終了予定）

　作業サイクルの最後に地雷ゼロ委員会チームのうち1セクションがオ・チャム・ボック村へと移動した。道路の状況が非常に悪く、橋も壊れていたため、チームの派遣は困難であった。従ってヘイローは橋を修復し、雨期でもオ�チャム�ボック村に行けるようにした。村の一角はカンボジア政府軍の基地として使われ、クメール・ルージュの襲撃を受けないようにと地雷を埋設した。最近の情報によると地雷のもたらす影響が大きくなっている。店と道路から数メートルのところで跳羅式対人地雷が村人によって発見されたり、村長が対人地雷PMNを見つけたり、先月自分で地雷を除去しようとした副村長が片足を失ったりしている。チームの派遣が土地の形状柄難しく、すぐにチーム全体を派遣するのが難しい。土地が多くの金属を含んでいるため除去が大変ではあるが、次にチームを派遣する時にはその場所にまでいけるようになるだろう。地雷が埋設されている恐れのある場所は住居、小さな農地、小道である。村の中央へと向う道路にも地雷が埋設されている恐れがあるが、調査結果が出るのはこれからである。

▼ サム・ロン村 1
　（2003年4月23日除去活動が開始-2003年7月14日終了定）

　地雷ゼロ委員会チームは予定より早くサム�ロン村1での除去活動を終了し、隣の場所で除去作業を実施している。サム�ロン村1は村の西端にあり、新しい道路が通ることが予定されている。道路建設ははじまっているが、出来上がるまでに時間がかかる。その間村人はヘイローが除去した旧道を利用している。サム�ロン村の西端は三列に並ぶ住居群があり、ヘイローは住居の周囲とのうちの除去を完了した。地雷が数多く埋設されていたわけではないが、よく使われていた場所で危険物が見つかり、もし取り除かれなかったら、事故が発生したであろう。サム�ロン村1で除去がなされたことで村の中央部への安全なアクセスができた。

▼ サム・ロン村 2
　（2003年7月6日除去活動が開始-2003年11月終了予定）

　この場所はサム�ロン村1に隣接しており、7月中地雷ゼロ委員会の除去要員はこの場所で活動している。この場所での最優先地域は現在地雷原の中に住んでいる住民の家の周囲での除去活動である。ヘイローが除去活動を開始する前、地域住民は地雷を発見しており、村人は地雷が取り除かれたかどうか不安である。7月には対人地雷一個が発見された。

▼ チェゥ・クロム村 4
　（2003年5月30日除去活動が開始-2003年9月終了予定）

　チェゥ・クロム村はバンテアイ・ミエンチェイ州に位置し、タイとの国境に近く、ヘイロー・トラストが除去活動を実施している地域である。ヘイロー・トラストは既にチェゥ・クロム村に安全に住むための場所を提供してきたが、彼らには安全に農耕を営める土地が必要である。不幸にもかつての農地には対人地雷及び対戦車が埋設されており、人々はヘイローに地雷除去してくれるように依頼していた。地雷原の土壌はほとんど金属を含んでおらず、砂地なので比較的容易に金属探知機の音で地雷を発見することができる。このため除去要員は一日平均50平方メートルも除去をすることが可能になっている。7月には、地雷ゼロ委員会チームは21,424㎡の土地を安全にし、27個もの対人地雷と3個の対戦車地雷を発見した。

地雷及び不発弾のための緊急呼び出し
　 7月3日、ヘイローは弾薬が捨てられた塹壕の除去をするよう依頼を受けた。塹壕はラナリット王子軍の弾薬庫であり、1997年のプノンペンのクーデター以降カンボジア人民党軍（※フン・センの軍隊）によって襲撃を受けた。フィアット社のショベルカーで掘り進んだことで除去チームが弾薬にすぐ近づくことができた。
　 7月14日には、バコング村の住民が地雷5個と不発弾を1個発見した。村長がヘイローに連絡を取り、ゼロ委員会チームが翌日派遣され、除去した。
（※注　地雷除去団体では緊急の呼び出しに応じることがある。これは住居の庭で不発弾などが突然見つかった場合などである。）

Richard Boulter
Programme Manager
HALO Cambodia