TBS開局50周年記念・地雷ゼロキャンペーン

　オークロッチ村は、極端に貧困下にある村である。以前は、ポルポト派の村であり、多くの家族は土地不足にも関わらず、農業により生計を立てようと苦闘している。これらの問題に加え、飼っている家畜数は少なく、また村の周りは地雷原となっている。この地域における地雷除去活動は、オークロッチ村に住む人たちにより多くの安全な土地を提供することができ、新しく住み始める人々に対しても、安全な土地を提供することができる。オクローチ村5という同村のほかの場所での除去活動が先月完了し、20族に安全な土地が与えられた。この地雷原はオクローチ村の南部に位置している。除去終了後、除去地は新規移住者に提供されるだけでなく、現在村に生活している人々の地雷への恐怖を取り除くこととなる。6月には2セクションが除去活動に従事し、地雷1個と不発弾3個を除去した。

　スヴァイ・ソル村はバッタンバン州カムリエン郡オーダーコミューンに位置する小さな村である。この村もかつてのクメール・ルージュの支配していた村であり、560村とクメール・ルージュの名前で呼ばれることもある。タイ国境に極めて近く、濃い土壌で根菜が育つというカンボジアでは恵まれた場所である。村は丘の上にあるために洪水の影響を受けず、地域住民はジャガイモやキャッサバを育てている。不幸なことに村の非常に近いところに地雷があり、耕作地のすぐそばにも地雷がある。5月にヘイロー・トラストの地雷除去要員は80個の対人地雷が除去され、今月100個の対人地雷が除去された。100個のうち56個はゼロ委員会から支援を受けているチームの除去要員によるものであり、残り44個は日本大使館からの支援を受けたチームによる。

　ヘイロー・トラストの地雷原調査担当者が同村に調査で訪れた時、地雷原があまりにも大きかったため一つのタスクとしては除去活動ができないと判断、除去地をいくつかに分割することとした。除去を行う順番はどれだけの脅威があるか（つまりどれだけ人間の居住地域に近いか）、どれだけ地雷が発見されるかの見込みによって決められた。従って、サム・ロン村1の次に必ずしも2が来るわけではない。
　サム�ロン村では数年に渡り地雷事故が発生しており、除去作業を実施している。スヴァイ�ソル村ほど地雷が埋設されているわけではないが、サム�ロン村の多くの場所でも地雷が埋設されている。5月には10個の地雷が発見されたが、うち４つは地雷ゼロキャンペーンチームによるものであった。発見された地雷のほとんどが、軍が占領していた住居の周辺に埋設されていた。ゼロキャンペーンチームの2セクションは、6月の除去作業の大半をサム・ロン村1での除去作業に従事したが、3日間だけサム・ロン村9での除去活動を手伝った。この理由として他の地雷除去団体であるCMACがこの村に入ってくる道路の除去活動をしていた。ヘイロー・トラストとしては除去要員が他の団体のマーキングやホイッスル（※休憩はホイッスルで知らせる）の音で混乱するのを避けるためであった。6月に地雷ゼロキャンペーンの除去要員は地雷を一つも発見することはなかったが、アメリカ政府が支援しているサム・ロン村9地雷原で働いている除去要員が対人地雷9個と対戦車地雷4個を発見、除去している。

　チェゥ・クロム村はバンテアイ・ミエンチェイ州に位置し、タイとの国境に近く、ヘイロー・トラストが除去活動を実施している地域である。ヘイロー・トラストは既にチェゥ・クロム村に安全に住むための場所を提供してきたが、彼らには安全に農耕を営める土地が必要である。不幸にもかつての農地には地雷が埋設されており、人々はヘイローに地雷除去してくれるように依頼していた。地雷原の土壌はほとんど金属を含んでおらず、砂を多く含んでいるので比較的容易に金属探知機の音で地雷を発見することができる。このため除去要員は一日平均50平方メートルも除去をすることが可能になっている。除去要員は既に34個もの対人地雷と7個の対戦車地雷を発見した。もしこの土地を人々が耕していたら間違いなく死んでいただろう。