カンボジア日記 (2003年2月7日)


私の名前はヒーン・ホーンです。結婚をしていて、6人の子供がいます。 息子4人は学校に通っているのですが、娘2人はまだ学校に行ける年齢に達していないので家にいます。 私はシーム・リープ州にあるスヴェイ・ルーという地域で生まれました。 ハロの一員になる前は、北シーム・リープ州で兵隊をしており、クーマー・ルージュを攻めていました。 私は何年もクーマー・ルージュと争っていたので、彼らを憎んでいたのですが、今は違います。 皮肉なことに今は、クーマー・ルージュの要塞地帯で活動しており、親しくしているのはクーマー・ルージュの元兵士たちです。 よく、戦争で命を落とした人々のことを考えますが、クーマー・ルージュも私と同じような戦争体験が刻まれているのだと思います。

現在、私はオークローチュ村5で仕事をしています。 今回のプロジェクトの名前は「マイン・フリー(地雷除去)」です。 ここに住んでいる人々はとても貧しい生活をしています。住民のほとんどが元クーマー・ルージュです。 でも、彼らの生活の厳しさを見ていると、彼らを憎いと感じることはありません。 中には、地雷原に住んでいる家族もいます。それは、家族、特に子供たちにとって、とても危険なことです。 地雷除去を担当している幹部らは、住民の危機管理を高めようとしているのですが、人々は耳を傾けようとしません。 彼らは貧しすぎるので、諦めているのだと思います。

ハロで仕事を始めてから、UXO33個、地雷27個を見つけました。 今は地雷を発見しても、地雷除去の訓練を受けたときの方法を取れば、怪我をしないと分かっているので緊張しません。 その他にもハロで病気の予防法を教えてもらい、家でも家族全員でその予防法を活用しています。 例えば、蚊から身体を守るための予防法や、飲み水は必ず一回湧かしてから飲むようにしています。 ハロの地方キャンプはとても快適です。 住宅は私達が住んでいる家よりも過ごしやすいのですが、家族と離れて生活するのは辛いです。 地方キャンプ中は、子供のことが心配になります。

この文章が、インターネットで日本の人々に公開されると聞きました。 これを機会に、カンボジアとハロを支えて頂いている日本の皆さまに感謝したいと思います。


ヒーン・ホーン
セクション21





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