カンボジア日記 (2002年12月20日)


私の名前はキム・セングです。モノロム地方のコム・ピョン・スペウ州にあるタ ン・ピョン地区で生まれました。両親は、6才の時に私を小学校に入学させました。 しかし、貧しかったため、勉強に必要な筆記用具を買ってもらうことができませんで した。朝食には、前夜の残りものを食べ、3キロ離れた場所にある学校まで歩いていき ました。学校鞄も持っていなかったので、ビニール袋に2冊のノートを入れていま した。学校から帰ると、水牛を使って畑を耕したり、森に出かけて、薪になる木を拾 い集め、家に運びました。戦争が始まったことで、私は勉強を続けることを断念しま した。今は、まともに読み書きをすることができないので、友人たちに新聞を読んで もらっています。

大変な幼児期を乗り越えた今、私は幸せです。貯金をし、結婚、そして子供を4 人授かることができました。子供たちが学校に通うのを見るのが何よりも嬉しいで す。何故なら、私たちは戦争を経験しているため、「失われた世代」だからです。今 後、子供たちが勉強を続けていくために、全てを尽くすつもりです。 現在、私はAAR/TBSが支援しているオークロッチ地雷原で働いています。仕事は 順調で、問題もありません。今月は、新しい制服が届くことになっているので楽しみ です。HALOで働くようになってから、34個の地雷と24個のUXOを見つけました。 今は、HALOが作ったルールに従って仕事をしていて、以前ほど地雷が恐いと思わなく なりました。

私は、HALOが人生を立て直すきっかけを与えてくれたこと、そして、ゆとりのあ る生活をもたらしてくれたことにいつも感謝しています。貧しい時代を乗り越えた 今、私は自分に自信を持つことができています。私はHALOの一員として地雷を除去し、 子供たちを幸せに学校に通わすことができています。


キム・セング
セクション33





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