カンボジア日記 (2002年5月24日)


オダルメンチェイ州トラパイン・プラサット地区、トラパイン・プラサット地方自治体のオクローチ村はトラパインン・プラサット町から約19キロ離れている。村に通じる道は乾季の間は使用可能だが、雨季になると洪水や泥のせいで道の状態が悪化し、道の両脇に地雷や不発弾が流れてくる恐れもある。アンロン・ベンからこの村までは車で1時間半近くかかる。

過去20年の内戦で戦地となったオクローチ村は、政府軍の埋設した地雷がいまだに残っている陸の孤島だ。政府軍とクメール・ルージュの戦いの場となったこの村も、今は密林に覆われてしまった。地雷や不発弾は村人の家のすぐそばまで埋設されている。

この時期は作業の第4サイクルにあたる。オクローチ地雷原に派遣されたHALOの地雷除去チームは、1サイクルの期間は作業を行い、残りの7日間は休養することになっている。ここでの除去作業はAAR/TBSの資金によるもので、ランドローバーとGMCトラック(緊急退去とオペレーション支援用)が使われる。まもなく乾季が終わり、雨季に入る。除去作業での優先事項は作業員の入植、直接死傷事故、等々だ。

私、チム・タットはセクション28に属する36歳の地雷除去員で、現在ここオクローチ村地雷原で働いている。私はHALOに入ってから多くの地雷や不発弾を見つけることができたので嬉しい。セクション・コマンダーに昇進したのは2年以上前のことだ。今週、私のチームは2個の改造型地雷を発見した。

シェムリアップ州のシェムリアップ地区で生まれた私は、今もそこで暮らしている。すでに結婚して子供が二人いる。何年か前にHALOに入って以来、家族の生活は安定した。私が以前兵士だった時には地雷を埋設していた。

ここで、HALOカンボジアに資金援助をしている日本政府とAAR/TBSに深い感謝の意を表明したいと思う。そして今後も引き続き援助が行われることを願う。


チム・タット
セクション28





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