カンボジア日記 (2002年3月3日)


戦争は天国ではなく、まさに地獄だ。クメール同士の殺戮は予期せぬ出来事だった。カンボジアは20年以上にわたる戦乱の末に、アジアのみならず全世界でも最低の国になってしまった。何もかもが完全に破壊されて世界の最貧国となり、地雷と不発弾だけが後に残った。

カンボジアの内戦は、1991年のパリ平和協定と国連の後援による総選挙のおかげで終結した。その結果、国際社会や外国のドナー、カンボジア支援グループなどがこの極貧に見舞われた国に一気に流れ込んだ。

1991年10月、人道的地雷除去団体HALO Trust による地雷除去活動がカンボジアで開始された。HALOカンボジアの目標は人命を救い、負傷者が出るのを食い止め、地雷のない土地をコミュニティに返すことだ。かつての戦地に住む人々の苦しみを減らすことはHALOカンボジアの使命である。我々は支援の届いていない場所に支援を提供し、過酷な環境のもとで除去作業を行う。地雷除去作業は、今も広範囲にわたって継続されている。HALOはカンボジア政府代表団の要請に基づき、5つの除去チームをプリア・ヴィヘア地方に送った。道路の復活、学校設立と人々の再入植を優先して作業を行っていく。

作業期間中、地雷除去チームは朝早く起きて除去用の道具と米袋、測定器を準備し、トラックで地雷原に出発する。だが、他の3つのセクチョン・メンバーと副プログラム・マネージャーはトムノップ・ダッチからプリア・ヴィヘア寺院まで徒歩で向かう。各除去員は水と食料と衣類の入った袋を運び、2日かけて目的地に到着する。除去用の機器や作業中の供給物はヘリコプターで運ばれる。

朝7時から午後3時まで、全員が一生懸命作業した。一回の作業期間で24〜25日間働き、6〜7日の休みをとる。

年間データによれば、何万個もの地雷や不発弾が発見・破壊される。その後、地雷除去を終えた土地が地域に返還される。現在の作業はDFID、アメリカ国務省、AAR/TBS等の人道的地雷除去を支援するドナーのおかげで順調に進んでいる。

私はカンボジア人を代表して、HALOカンボジアに資金援助をしている日本政府とAAR/TBSに深い感謝の意を表明したいと思う。今後も是非援助を続けてもらいたい。


カン・ソクリシー
チーム・ナンバー:オフィス





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