「最大32万人が死亡」と想定される、南海トラフ巨大地震。
その津波対策が急がれる高知県で、“絶対に壊れない堤防”を作ろうとしている男がいる。
北村精男、74歳。土木工事で特に重要となる、“杭打ち”の独自技術を駆使して、
既成概念にとらわれない、“いのちを守る堤防”作りに挑む。

杭打ちは、構造物を安定して支えるための基礎。
この道ひと筋50年の北村は、地中深くに打ち込んだ杭を連続して並べて“壁”をつくり、
波の侵入を防ぐという、これまでにない新たな堤防を考案。
その“杭技術”の強固さは、奇しくも、東日本大震災で立証されることとなる―。

今や、国も認めた北村の工法。そのアイデアは、堤防だけにとどまらない。
土砂崩れの防止、災害時の橋の復旧、そして、なんと垂直の崖に道路をつくる!?
“杭打ち”の技で防災インフラを変えようとする、熱き土佐男に密着。