次世代のエネルギーとして世界が注目している太陽熱発電。仕組みは、太陽光を鏡で集め、その熱で液体を蒸気にし、タービンを回して発電を行うというもの。このとき重要となってくるのが、高精度のミラー。いかに効率よく、また高い熱量を集めることができるのか？
そのヘリオスタットの圧倒的精度の高さで世界から注目を集めるミラーが日本にあった。開発したのは、天体望遠鏡や宇宙観測機器などの精密光学機器メーカー三鷹光器の中村勝重社長。オゾンホールを発見するきっかけになった観測機器、NASAを唸らせたスペースシャトル搭載用カメラなど、この会社が生み出す製品は、世間を驚かせてきた。
そんな天体を知り尽くした光学機器メーカーの威信をかけ、中村は太陽熱発電のプロジェクトに踏み切った。しかし、日本では、40年前に、「サンシャイン計画」と称した太陽熱発電の大規模な実証実験を香川県仁尾町で行ったが、思うような結果が出なかったという経緯がある。
果たして、中村は、長年誰も挑んでこなかったこの鬼門を突破できるのか？勝負は太陽光を一点に集め、何度まで熱を生み出すことができるか…
中村の飽くなき挑戦と夢を追った。