パリ・オペラ座の衣装に採用されるなど、世界中から高い評価を受けている
天池合繊の社長、天池源受が開発した世界一薄い布“天女の羽衣”。
しかし天池はその評価に満足することなく、シルクからポリエステルへと
グラデーション状に変化する生地など様々な新素材を開発し続けている。
海外の一流デザイナーが必ず聞いてくるのは“今までにない新しい生地”かどうか。
天池はその厳しい要求をクリアし、今も世界の一流ブランドで使われている。
そしてもうひとつ力を入れているのが、自社製品によるオリジナルブランドの製作。
現在は2013年2月に欧州で開催される展示会に向けて若手デザイナーと組み、
天女の羽衣を使った、“風に揺れる天女の羽衣コサージュ”を製作中だ。
天池は言う。「コスト競争に走るのではなくブランド力を高めなければ、未来はない」
地元石川の繊維産業復活を目指し、天池の奮闘は続いている。
取材:土屋 淳