夏樹静子原作の「量刑」をドラマ化。“量刑”とは裁判所が処断刑の範囲内で刑罰の程度を決めること。このドラマは、普段あまり知られていない量刑を決めるまでの合議の過程を、裁判長の視点から描いた法廷サスペンス。裁判で絶対的な公平さが要求される裁判官。その裁判官が人知れず脅迫されていたらどうなるのかを描きながら、裁判での事実認定における裁判長の権限や影響力の大きさを、鋭くえぐり出している。厳格な裁判官でありながら、娘を誘拐されたために苦悩する主人公に高橋英樹。高橋の演技が“人を裁く裁判官もまた人間である”という、裁判制度が持つ究極の事実をつきつける。
【ストーリー】
東京地裁の裁判長・神谷正義（高橋英樹）は妻に先立たれ、現在は一人娘の真理（前田愛）と暮らしている。そんな神谷は、OLの上村岬（佐藤仁美）が起こした母子轢き逃げ殺人事件を担当していた。被告に対し量刑が厳しい裁判官として周囲に知られている神谷は、この事件においても検察官が求刑する死刑判決を視野に入れた審理を進めていた。
ところがその最中、真理が誘拐され神谷の元に誘拐犯から電子メールで脅迫状が届く。脅迫状には真理の命と引き換えに、上村の量刑に“有期懲役刑”の判決を言い渡す要求が書かれていた。神谷はこの真理の誘拐事件を境に“裁判長”と“父親”という二つの立場で苦悩していく…。

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