映画「鬼龍院花子の生涯」（1983年）で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した夏目雅子が、女優として最も輝いた時期に出演した幻のサスペンスドラマ。夫がクライミングの途中、墜落死…。純粋な山岳事故か？ 夫婦不仲の妻が殺したのか？ 緊迫した法廷を舞台に、真相の究明が進められる。妻は殺人を否定するが、はたして真相は？ 脂の乗りきった夏目雅子が愛と憎しみの狭間に揺らぐ不可解な女心の深淵を好演。女の持つ執念を見事に演じ、勝野洋とのキスシーン、ベッドシーンにも体当たりで挑んだ。妖艶な夏目雅子に注目！
【ストーリー】
クライミングの途中、滝川（江原真二郎）は足を踏み外し滑落。同じザイルに結ばれていた妻・彩子（夏目雅子）も引きずられて転落する。2人は岩壁の上部に宙吊りの状態になっていた。その1本のザイルを必死に支えている幸田（勝野洋）にしても力を尽きかけている。宙吊りのまま何もしなかったら、二人とも転落死をまぬがれない状況だった。彩子は意を決してザイルをナイフで切断。夫は石つぶてのように谷間に墜落して死んだ。検事（神山繁）は彩子が幸田に好意を寄せていたことを指摘。夫の事故死を偽装し、夫の加入していた2億円の生命保険金とともに愛人の幸田も同時に得ようとしたのだと鋭く告発する。

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