プロデューサー日記

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最後の日記
皆様、最終回も楽しんで頂けましたでしょうか。
脚本家と監督と試行錯誤した結果、
あのような結末に至りました。
このドラマにおいて、
また俺と直、哲のこれまで通りの生活が始まることが、
ハッピーエンドなのではないかと。
そして、礼子、柳瀬のオヤジ、ナオ、脇坂夫婦……
登場人物たちが変わることなくこれまで通りのままあり続けることも。
最終回でも上川さんの俺語コンバーターは大活躍。
「忘れねえよ」を、「忘れてなんかやらねえよ」という言葉に変換してくれました。 ひねくれ者の俺らしさと、優しさを感じる名台詞にして頂きました。
この別れのシーンの撮影では、上川さんはいつもと違って龍生&樹生と
わざと離れているよう心がけてました。
二人にお芝居の上で別れを意識させようとする配慮からだと思います。
そのお陰で切ないいいシーンにすることが出来ました。
礼子の結末は、小西さんと何度もディスカッションしながら作りました。
小西さんが、5話で垣間見た「航太の幸せそうな笑顔が忘れられない」ということが 結末のヒントになりました。
小西さんはこの瞬間、この笑顔を守らなきゃと思ったそうです。
だったら、前向きな別れを表現しよう。「笑顔で別れよう」と。
僕は礼子のエピソードが切な過ぎて、いつも泣きそうになります。
会いたいのに、子供のことを思うと会っちゃいけないとぐっと我慢する。
そんな礼子が健気で、可哀想で。
だから、礼子が様々な思いを乗り越えて笑顔で別れるのは
礼子にとってのハッピーエンドだと思っています。
人生はすべてが思うようにはいきません。
このドラマを作る上で心がけたのは、そんなリアル=現実感でした。
思うようにはいかなくともそれぞれの前向きな結末があると僕は思います。
礼子のエピソードにはそういう思いを込めました。
そして、最後の最後で俺は泥棒に戻りました。
泥棒に戻る一番切ない設定はなんだろう?という監督の問いかけから
最終話のエピソードが出来上がりました。
直と哲と別れることになることを覚悟の上で、父親を取り返すために泥棒に戻る。
地下のボイラーの通路を、
思いを振り切るように走り出す、あの後ろ姿。哀愁たっぷりでたまりませんよね。
上川さんしか表現できない後姿でした。
柳瀬のオヤジとナオも。
宗野正雄の胸倉を掴み、俺を思って思いをぶつけるシーンも。
仲間の固い絆が感じられて、ぐっときました。
脇坂夫婦は最後まで怪盗キングに近づけませんでしたが、
どこか仲が良くなった気がしてホッとしました。
別れのシーンも…と、書いたらきりがないので、この辺りで。
ちなみに僕が一番好きなのは最後のカット。
しかめっつらで「めんどくせえ」と呟いた俺が
ふんわりと笑顔になる表情が好きです。
希望を感じる、いい笑顔ですよね。
不器用で無愛想な泥棒と生意気な双子兄弟が
今もどこかの町で暮らしていることを信じて、たまに思い出してあげてください。
そして、たとえ他人であっても本気で思い合い、本気でぶつかれば、
家族のような絆が生まれるということを。
家族の絆がかけがえのないものだってことを。
宮部みゆきさんの原作「ステップファザー・ステップ」をまだお読みでない方は
この機会に是非読んでみてください。
ドラマ版とは違ったステップファミリーの原点が楽しんで貰えると思います。
3ケ月、このドラマを応援して頂き、本当にありがとうございました。
キャスト&スタッフ一同、心より感謝いたします。
2012年3月21日 水曜日

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