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特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン

全国巡回中!2009年7月14日〜2011年5月22日

展示構成


みどころ

日本人によって発掘された古代文化「シカン」
これまでの30年間の発掘史を大画面のハイビジョン映像で紹介します
今ここに、1000年の眠りから覚めた
アンデスの古代黄金文明の全貌が明らかになります

■よみがえったシカンの黄金大仮面

《シカン黄金大仮面》
ペルー国立シカン博物館蔵
11世紀初期 撮影:義井 豊

1991年に発掘されたロロ神殿東の墓の主埋葬者の顔につけられていた。「アーモンドアイ」と呼ばれるつりあがった目が特徴の「シカンの神」をモチーフにしている。金の含有量の多い金銀銅の合金(トゥンバガ)でできており、朱で赤く彩色されている。このタイプの仮面は古い時代から盗掘者の格好の標的とされたため、ペルー国内外の数多くの博物館に収蔵されているが、考古学者が科学的なコントロールの下で発掘したのはこの仮面がはじめてであった。美しさも群を抜いており、ペルーの国宝級の宝物である。同時に発見された頭飾りと組み合わせて復元されており、その全長はおよそ100センチある。


■ペルーの象徴 トゥミ

《シカン黄金製トゥミ》 (部分)
国立考古学人類学
歴史学博物館蔵
11世紀初期 撮影:義井 豊

《シカン黄金製トゥミ》
国立考古学人類学
歴史学博物館蔵
11世紀初期 撮影:義井 豊

シカン文化の遺跡で発見されるトゥミと呼ばれる儀式用のナイフ。さまざまな商品の意匠にも採用されていて、ペルー国の象徴とされている。この大きなトゥミは高さが42センチ、992gの重さがある。1930年代後半(1936年か37年)にシカン文化の首都にある大神殿ピラミッド、ベンタナスの南側にあった墳墓から盗掘されたことを、島田教授が聞き取り調査でつきとめた。半円形の金板のナイフの上に正面を向いて立つ堂々たるシカン神が姿を現している。トルコ石の象眼などを除いてすべて金製である。


■シカンのミイラ包み(ファルド)

《ミイラ包み》
エル・ブルホ学術調査団蔵
11世紀 撮影:義井 豊

このミイラ包みはシカン遺跡から南方約165kmにあるエル・ブルホ遺跡内の巨大神殿カオ・ビエホから1992−93年に発掘された。この神殿はチカマ谷の入り口、太平洋を見下ろす崖の上にある。神殿自体はシカン文化に先立つモチェ文化の建築物だが、東側の斜面がシカン文化の最盛期に、シカン文化に強い影響を受けた人々の墓地として使用され、50個ほどのミイラ包みが発掘された。このミイラ包みはあぐらをかいた地元の支配者層の遺体を幾重にも布で巻き包んでいる。頭部に銅製の仮面が付けられていて、包みとともにシカン文化の特徴をもつ土器などが見つかった。


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