マイケル・ジョンソンの記録を破った万能スプリンター
2年前、彗星のごとく現れた南アフリカのスピードスター・バンニーキルク。
前回世界陸上北京で金メダルを獲得。翌年のリオ五輪では絶対に不可能といわれたマイケル・ジョンソンの世界記録を17年ぶりに更新。
その瞬間、スタジアムは静寂に包まれるほど世界に大きな衝撃を与えた。
レースを見たジョンソンも「こんなレースを見たことがない。43秒を切ることも可能だろう」と脱帽した。
両親は走高跳と短距離選手、そして、義理の父は長距離ランナーという陸上の家系に育った。
幼い頃に始めたラグビーで鍛え抜かれた身体能力を武器に、人類でただ一人100m9秒台(9秒98)、200m19秒台(19秒94)、400m43秒台(43秒03)の自己ベストを持つ万能スプリンターだ。
そんな男が「母親のような存在であり、彼女なしには今の自分はありえない」と、全幅の信頼を寄せるのが75歳になる白髪のお婆さん、アンス・ボエタコーチ。
年の差50歳離れたアンスコーチは「彼の類まれなる能力はまだまだ進化する。
私も引退するつもりはないよ!」と意欲的だ。
今年の世界陸上は400mとともに、200mへの参戦を表明している次世代のスター候補。どんな進化を遂げるのか?