2019参院選 基本の「き」

「32」

最大の見どころ 32の「1人区」は?

参議院本会議場

勝敗のカギを握るのが全国で32ある定数が1人のいわゆる「1人区」での与野党対決です。第1次安倍政権の2007年の参院選では「1人区」で自民党が6勝23敗(※1)と大敗し、安倍内閣が退陣するきっかけとなりました。その6年後、2013年の参院選では自民党が29勝2敗(※2)と大勝、自民・公明の与党が過半数を占め、衆参の「ねじれ」現象(※3)を解消しました。2012年に再登板していた安倍首相はこの参院選で長期政権の礎を築くことになるわけです。

今回の「1人区」は32で、全て選挙区で自民党公認候補(公明党推薦)に対抗し、野党5党派が「統一候補」を擁立し、ガチンコ対決する構図となりました。この32の「1人区」の勝敗によって、今後の政治の流れが出来ることになりそうです。

※1・2 選挙区の定数が1の「1人区」は2007年当時は29選挙区、2013年当時は31選挙区でした。
※3「ねじれ」現象とは衆議院と参議院で過半数を占める勢力が異なることを意味します。内閣総理大臣の選任と予算案については衆議院の議決が優先されますが、通常の法案は衆議院で可決されても参議院で否決されれば成立しません。

「53」「67」

参議院で主導権を握るには…

参議院本会議場

次に注目して欲しいのがこの「53」「67」という数字です。

参議院議員は6年任期、3年ごとに半数の議員を選挙することになっていますが、今回の選挙で自民・公明が「53」議席を獲得できれば、今回は選挙がない(非改選)議員と合わせて、参議院で過半数を占めることができます。また今回の自民党単独で「67」議席を獲得できれば、自民党だけで参議院の過半数を占めることが出来ます。

「85」

憲法改正論議の今後を占う

さらに注目される数字は「85」です。
自民党・公明党の与党に、憲法改正に積極的な日本維新の会や無所属議員のいわゆる「改憲勢力」は非改選で79議席です。このため今回の参院選でこれらの「改憲勢力」が85議席を獲得すると、憲法改正の発議に必要な参議院の2/3を占めることが出来ます。

安倍首相は憲法改正に強い意欲を示しているので、「改憲勢力」が85議席のハードルをクリアした場合、憲法改正に向けた動きが加速することになりそうです。

「6」

東京選挙区はどうなる?

実は今回の参院選で政党要件(※4)を満たす7政党の全てが立候補者を擁立したのは「6人区」の首都、東京のみです。このうち自民党と立憲民主党は候補を2人ずつ擁立しました。「首都決戦」を勝ち抜くのはどの政党の候補なのか、ここも注目です。

※4 公職選挙法では(1)国会議員5人以上(2)直近の衆院選か参院選で2%以上得票する、のいずれかを満たす必要がある、としています。

「248」

「特定枠」を導入

2018年の公職選挙法改正により参議院の定数は「248」になり、今回の参院選でこの半数の「124」議席が改選されることになります。実は参議院の定数を増やしたのは沖縄がアメリカから返還された際の沖縄選挙区2議席分以外になく、去年の改正は事実上、初めて議席を増やした改正でした。

参議院の選挙制度と定数

この改正の最大のポイントは、政党が特定の候補者を優先的に当選させることができる「特定枠」を導入したことです。

例えばA党が特定枠にaさんとbさん、以下、cさん、dさん、eさん、fさんという候補者を名簿に記載したとします。A党が5人当選した場合、aさんとbさんは無条件で当選、それ以外の候補者は投票用紙に名前が書かれた得票が多かった順に当選が決まります。

A党の当選順位は?

もしも投票用紙に特定枠の候補者の名前が書かれていたら、その票は政党の有効投票となりますが、特定枠の候補者は個人としての選挙運動は認められていないので、名前が書かれた選挙カーやビラ・ポスターは認められていません。

参議院議員選挙の結果は今後の政治の流れに直結します。
JNNの総力取材と分析による番組冒頭の議席予測、 32の1人区の与野党対決の行方、さらに激戦の東京選挙区がどうなるか、結果はぜひ『Nスタ×NEWS23選挙スペシャル』でご覧ください。

TBS選挙本部長 鈴木 達



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7月21日(日)よる7:54放送

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