TBS 連ドラ・シナリオ大賞

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第5回受賞者 田中徳恵さん インタビュー 後編

※ 前編を読んでない方は コチラ をお読みください

この賞の提出課題である「連ドラの第1話の脚本と10話までのあらすじ」ですが、心がけた事はありますか?

私は、連ドラの基本は、「続きが見たい」と思ってもらえることだと思いますので、「この後どうなるんだろう?」と思ってもらえるように書かないといけないと思いますし、かといって途中で投げ出したような尻切れトンボにならないように気を付けました。
第1話のあらすじには続きが気になるような“含み”を多く持たせました。
1話の中で解決する“含み”と、2話以降に繋がるような様々な“含み”を分けていきました。
全体のあらすじには、それらの“含み”がどう収束していくのかといったものを盛り込んで作品全体のイメージを伝えるように意識しました。 「主人公がどんな方向に向かうのか、何に巻き込まれるのか」といったドラマが進んでいく方向性を提示しつつ、第1話で明らかにならなかった“含み”に対するヒントを与えていく様に描きました。

作戦として、ご自身のオリジナリティといったものは意識しましたか?

受賞作「ゲンザイ」に関して言うと、最近は変わり者の主人公、例えば、服装や髪形、行動が変わっている…といったものが多いと思うのですが、自分だけの“変わり者”が表現できないかと考えました。
変わり者の主人公が、それを隠すために平均的な身なりや、行動をあえてとるようにする。しかし周りは変わり者であるという事に気が付いていて、本人だけが気づかない…というのが面白いのではないかと思いました。

最近のお仕事について教えてください。

最近だと、今年の3月30日に放送された『CDTVSP卒業ソング音楽祭』内の視聴者の方から寄せられたエピソードを元に放送したオリジナルドラマ「ひまわりの約束」(2本あるうちの1本)のシナリオコンペに呼んでいただきました。2つのシナリオを出し、そのうちの1本を幸運にも選んでいただきました。3日間で2本も描いたのでかなり大変だったのですが、
ここからが本当のスタートで、企画が通った瞬間からスタッフと話しながら脚本を直していきました。さらにそこから、もう1本の「サヨナラの意味」のコンペにも参加する事になり、締切まで3日しかなかったのですが、何とか仕上げて、選んでいただきました。実際の執筆作業に関して言うと、スタッフが視聴者の方を取材したメモから情報を取捨選択して、どの様に一つのストーリーラインに乗せていくかが難しかったです。

実際に放送されたものをご覧になっていかがでしたか?

ゴールデンタイムの番組でデビューというのに私含め、周りも驚いていました。
歌番組である『CDTV』内での放送なので、普段はドラマを見ない人にも見て頂けたと思います。番組の趣旨として、「歌を際立たせるドラマ」というものだったので、SNSなどで「歌がすごく心に響いた」といった感想を見つけると嬉しかったですね。幅広い層に届けることができたと思います。

最後に応募する方にメッセージをお願いします。

私自身、応募する事は決めていたものの、中々書けなくてぎりぎりになったので応募したので、最後まであきらめずに書き上げることが大事だと思います。
また、誰かのオーダーで書く仕事でもあるので、「どういう視聴者に向けるドラマなのか」など、決められた枠の中で書かなければならないと思いますが、一方で、自分が最初の読者だと思うので、自分で読んで面白いと思えるものを描いていただければと思います。