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2011年11月10日(木)放送分 <11月10日(木)放送後記>◇ 明後日12日から行われるAPEC首脳会議に向けて、 国会ではいまだ反対派が半数以上を占めていますが、 野田総理は、TPP交渉参加表明をするとみられています。 TPPが日本に与える影響とアメリカの思惑について 日本金融財政研究所所長・経済アナリスト 菊池英博さんに伺いました。 ◇ TPPが日本に与える影響 まず現在、日本の輸入加重平均関税率は2%前後で、米国と同水準。 関税が貿易促進の邪魔になっていないそうですよ。 話題に上がっている農業分野の平均関税率は、日本12.5%、 韓国119.8%、米国4.1%。EU9.8%、インド13.7%となっています。 TPPを受け入れて農産物の輸入関税を撤廃すると、日本の食料自給率は 10%程度まで落ち込むという計算が農水省でなされています。 貿易自由化は日本国内の農業にとって打撃ですが、 その他の産業、特に製造業にも深刻な悪影響を与えます。 米国の自動車の関税率は2.5%で、これをゼロにしても 日本の対米輸出は伸びないそうです。 ◇ TPPによるアメリカの思惑は何か? 1.米国が日本を抱え込み、日本を中国から切り離し(中国敵視戦略)、 中国を経済的に排除することを目的としている。 中国はTPPに関して無言ですが、まったく参加するつもりがありません。 日本が一番貿易をしているのは中国です。 もし日本がTPPに参加すれば、中国から報復を受けるでしょう。 その中国から報復を受けるということは、日本は中国市場で相対的に 不利になってしまいます。 2.アメリカは日本を植民地にしようとしています。 TPPで米国が日本に突きつけた参加要請の内容は、米国企業が日本市場に 参入していないのはおかしいという前段から始まり、 「郵政会社の資金運用に米国を参加させろ」 「公共事業の入札条件を緩和しろ」「自動車の安全基準を緩和しろ」 「混合診療を認めろ」「保険市場を開放しろ」??> 日本の国民皆保険の崩壊を狙う「規制緩和をもっと進めろ」という要望です。 最終的には、日本郵政の米国資本による買収で、300兆円の預貯金を 日本のために使わせないようにし、日本国債への投資を止めさせて、 米国国債へ投資させようとする戦略があるそうですよ。 コレまでアメリカのいいなりになり続けた八方美人の日本が交渉の席について、 意見を通すことは難しいと思われます。 野田総理には、もう一度しっかりと考えて上で、結論を出して欲しいものですね。 |
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