9月はがん征圧月間です。そこできょうは、がんにまつわるイベントをTBSラジオの澤田大樹記者が取材しました。
取材したのは2日間にわたって上野公園で行われたリレー・フォー・ライフというガン征圧を目的としたイベントです。
リレー・フォー・ライフは24時間ウォークラリーをしながら募金を集めるチャリティーイベントです。
1985年にアメリカ人の外科医が「がんは24時間眠らない」「がん患者は24時間闘っている」というメッセージを伝えるために始めました。現在では世界中で毎年400万人が参加し、日本でも40ヶ所以上で行われています。
サバイバーと呼ばれるがん患者と、ケアギバーと呼ばれる家族や友人などの
支援者、彼らをたたえるイベントとなっています。
今回の上野公園のイベントでは3000人がウォークラリーを行い、のべ2万人が参加しました。
なかには福島や鹿児島といった遠方から参加する人もいました。
このリレー・フォー・ライフには大きな3つのテーマがあるそうです。
東京上野大会の実行委員長・藤田雄一さんに3つのテーマとは何なのか聞きました。
「1つはセレブレイト。がん患者でこちらに来るのも苦しい方もいる。あと長年戦っている方を皆で歓迎していく。もうひとつがリメンバー。リメンバーというのは亡くなった方を偲ぶ。偲ぶというのは戦いきったと。最後にファイトバックですね。 これは啓発を意味していてがん患者とケアギバーとともに一緒に戦ったという意志を表しています」
「祝福(しゅくふく)」して「偲(しの)」んで「啓発(けいはつ)」するというとことですが、中身としては、サバイバーやケアギバーなどがチームを作って夜通し歩くリレーウォークに加え、コンサートなどステージでのイベント、(これは祝う)メッセージを書いたキャンドルに火をともすルミナリエ、(これは偲ぶ)、子ども向けに喫煙の防止を訴える「タバコたたき」というモグラたたきのようなゲーム(これは啓発)など様々なイベントが行われていました。また、会場では各所に募金箱が置かれ、チャリティーで景品つきのクジも売られていました。
寄付で集められたお金は、がんの新薬の開発、がん専門の医師の育成、
がんの相談ダイヤルの運営などに使われています。
ただ、このリレー・フォー・ライフ、ただのチャリティーイベントではないんです。
イベントに参加したがん経験者=サバイバーの方に
どういうイベントなのか聞きました。
「乳がんです。5年目です。こうやって表面に出てきて自分もサバイバーだよという風になると連帯の気持ちとか、お友達がこんなにいるんだなとかすごくソレは強く感じました。ふだん私はがんだといえないので。ここだとがんは引け目ではないのでそこはとても心強く感じます。」
「私は卵巣がんの10年目のサバイバーです。一年一年仲間が増えていく事とコレを目標にして、特にがんのサバイバーの方は頑張って生きていくという事だと思います。」
たしかに周りの人には、「自分はがんだ」と言いにくいかもしれません。ただ、ある統計では日本人の2人に1人ががんにかかっています。それほど身近な病気にもかかわらず、がんの治療で孤独を感じ社会に対して疎外感を持つ人も多いそうです。
最後の方が言っていたように、サバイバーにとっては仲間とつながり、
健康を確認し合い励まし合う大切な場になっているんです。
病気を分かちあえる存在がいると支えになりますしね。
リレー・フォー・ライフに病院で知り合ったサバイバー同士で
参加している人たちの姿も見られました。
最後にサバイバーの皆さんに、リレー・フォー・ライフに参加して
感じてほしいことについて聞きました。
「まさか自分がとか病気になる前は思っていたが、実際になってみて身近にがんってあるんだなって思ったのでまずは検診に行って大切な人に心配をかけないためにも早期発見。がんは治るという事を伝えたいかな。」
「私だけは関係ないという方が結構いると思うので、他人事じゃないという事をこのイベントにきて分かってもらえたらと思います。」
リレー・フォー・ライフは全国各地で開かれています。
がんについて知ることができる機会ですので是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
関連情報・お問い合わせ先
- リレー・フォー・ライフ 公式サイト
http://relayforlife.jp/