新大久保は商店街のマップも多国籍

東京の新大久保界隈では、去年の９月から韓国語、中国語、英語、そして日本語の４つの言葉で街頭放送が流れます。新大久保と言えば「韓国料理屋の多い街」というイメージが強いかもしれませんが、韓国以外にも様々な国の人が住んでいます。例えば大久保一丁目では住民登録している人の４割が外国人。
街頭放送だけでなく、歩きタバコやごみの出し方の注意書きも４ヶ国語。外国籍の住民と「共生するため」の街の工夫です。新宿区も最近取り組みを始め、生活のルールや日本の法律、外国語で相談できる窓口などを紹介する「生活情報紙」を４つの言語で出しています。医療機関の案内、事故、火事の時の通報先、災害時の避難場所……等々。日本で暮らすのに必要な情報ばかりです。
早くからこの問題に向き合っていたのが地元の商店街。新大久保商店街振興組合理事長で化粧品店を経営している森田忠幸さんは「この商店街はどんな国の人が来ても受け入れます、ということをアプローチしないと、知らない人には通じません。少なくとも４つの言葉を使って、知らしめようという努力をしないと」と話します。お店の中には「いらっしゃいませ。ありがとうございました」といった言葉を４つの言語で書いた用語集もありました。
また、韓国人の「ニューカマー」を中心にした団体「在日本韓国人連合会」とも、街のことを積極的に話し合っています。韓国人連合会も無料韓国語教室を開いたり、地域の清掃活動にボランティアで参加するなど、お互いのことを知って共生していこうという意気込みがみえます。
実は、韓国人連合会には韓国人以外も参加しています。大久保はコリアンタウンではありません。タイ、中国、ブラジル、ミャンマー、等々ほんとに多くの国の人が日本人とともに生きています。森田さんは「いろんな文化のものがあって、それが大久保の街を作っているんだ、という風になるのが一番いいと思うんですよ。韓国料理を食べに来たら、おいしい日本そばのお店を見つけた、とかね」と話します。
取材した大島洋子・情報キャスターもハングルの看板や焼肉の匂いに惹かれただけでなく、いろんな国のレストランや、様々な宗教の教会、寺院。そして、おいしい和菓子屋さんやお豆屋さんも発見。「多文化共生」をめざす新大久保の街に魅入られていたのでした。