2014年7月7日(月)よる8時スタート ※初回は2時間スペシャル よる7時より放送!
前回の「名もなき毒」のときに、直接、事件に関わるポジションではなかったのですが、物語を客観的に見られておもしろかったので、その続編ということで、お話を受けた時は嬉しかったです。
前作の撮影をしているとき監督さんから「いちばん毒を持っているのは菜穂子さんだよ」って言われたことがあったのですが、この「ペテロの葬列」では、前作では描かれなかった菜穂子が見られるはず。前回は良い妻、良い母親というところでドラマが終わっているので、菜穂子さんの毒の部分はわからなかったんですけど、今回は菜穂子がどんな毒を持っているのかがわかるので、そんなところは楽しみにしています。
前作と違って気をつけなきゃいけないと思っているのは、菜穂子の気持ちの繋がりです。バスジャック事件から始まる大きな流れと別に、菜穂子の身の回りにもいろんなことが起こってくるので、そんな菜穂子の想いを感じていただけるよう、丁寧に演じていかなきゃいけないなと思っています。
最終回がどう描かれるか、まだわかりませんが、それまでにいろんな伏線が出てくるので、「あ、だからあの時、菜穂子はあんな表情をしていたんだ」「なろうほどね」と、ドラマを観ているみなさんにキチンと伝わるよう、最終回までの時間経過を逆算して、監督と相談しながら演じているところです。
今のところ監督からは「今はまだ、今までの菜穂子の気持ちで演じていてください」というように言われているんですけど、菜穂子が急に心変わりしたように見られないように演じたいので、今回はちょっと難しいです。でも、私自身は前作より、菜穂子を演じることを楽しんでいるかもしれませんね。
菜穂子の身の回りに関する出来事は、いわばサイドストーリー的な感じなんですけど、ドラマを楽しみにしてらっしゃる人たち、特に女性の方には、菜穂子の気持ちに共感してくれるかどうか、すごく気になるところですし、女性スタッフのみんなと女子トークで盛り上がっています(笑)。
前作と同じスタッフさんもいらっしゃいますけど、そうでない方も半分くらいいらして、キャストのみなさんも新しい方がたくさん加わっているので、作品としては同じシリーズなんですけど、また新たな気持ちで取り組んでいこうと思っています。ただ、前回もそうでしたけど、孝太郎君との夫婦のシーンが多いのですが、一年ぶりに一緒にお芝居をしましたが、すんなり夫婦になれたと思います。
制作発表のときに「いつでも杉村三郎になれます」って孝太郎君がお話してましたけど、杉村三郎はそのまま孝太郎君に重なる人物なので、私もスッとお芝居に入りやすいんです。そんな空気感を作ってくれているところは本当にありがたいですし、居心地がいいです。
前作もそうでしたけど、基本的には新しい登場人物を演じるみなさんと一緒のシーンはないと思うのですが、素敵な役者さんが集まったと思います。第1話では、謎の老人を演じられた長塚京三さんはすごかったですね。声のトーンとか表情のお芝居とか、見ていてゾクゾクってきました。
自分が演じる菜穂子についてになりますけど、原作にあった最後の告白を、ドラマではどう描かれるのか、すごく気になっています。原作通りなのか、それともドラマならではの最終回を描くのか? そこが楽しみですね。
バスジャック事件から始まって、そこで謎の老人が言っていた3人の悪人を中心にお話が進みますが、メインとなる大事件とは別に、菜穂子をはじめ登場人物それぞれにサイドストーリーが見えてくるので、そこは前作とはまた違った楽しみだと思います。登場人物それぞれに共感できる部分を感じられるのが宮部作品のおもしろさだと思うので、このドラマでも感じていただけると思うので、楽しみにしていただければと思います。