住職さんに聞く!お悩み相談室

ドラマの仏事監修を担当されている新倉典生さん(足立善立寺住職)に「生きやすくするためのヒント」を教えていただきます。 日常の些細な悩みや困っていることなど、皆さんが抱えているお悩み、住職に相談してみませんか?

新倉にいくら 典生てんしょう(足立善立寺住職)

写真:新倉典生

1963年 東京都大田区出身。大森大林寺にて得度、和光妙典寺にて随身生活を送る。
1986年 立正大学文学部史学科を卒業、日蓮宗大本山池上本門寺にご給仕。
1991年 足立善立寺の住職となる。
2000年 全日本仏教会の評議員を2期つとめる。
2007年 東京都仏教連合会の事務局長に就任。
2015年 東京都宗教連盟の事務局長に就任。

一般社団法人PRAY for ONEの理事として、定期的に「葬送儀礼」に関する意見交換会を開催。近年は仏教に関する文化芸術の振興に力を注ぎ、数多くのイベントや仏教関連セミナーを主催。「ぶっせん」(TBS)、「奇跡の教室」(NTV)、「ぶっちゃけ寺」(EX)等、テレビや舞台で仏事監修を担当。著書「正楽三代」(寄席紙切り100年)

お悩み相談の受付は終了いたしました。
沢山のご相談ありがとうございました。

人見知りの人嫌いで苦手と思った人には、見えない壁を作ってしまいます。1番直したいのは人見知りです。(36歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

一人でいる時間が充実しているのであれば、無理をして今の性格を直さなくてもいいと思います。人それぞれ、外向的な人もいれば内向的な人もいます。他人との関わりで悩んでいる貴方は決して人嫌いではないと思います。むしろ周囲の人に気を遣い過ぎて疲れてしまっているのかも知れません。あまり相手の事を考え過ぎず、先ずは明るい挨拶を心がけて見えない壁を乗り越えていきましょう。

自分に自信がないのですが、自分に自信をつける方法はなんですか?(17歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

自信は経験の積み重ねです。成功や失敗を繰り返しながら、少しずつ身に付けていくものです。若い頃から自信満々の人などそうはいません。どんな些細な事でもかまいませんので、興味のある事をはじめてみましょう。作ったことのない料理に挑戦したり絵を描いたり、身近に目標を定めてチャレンジしてください。その一つひとつの経験と努力が将来の自信につながっていきます。

周りと違い、大人に近い考え方や見た目のせいでいじめられています。いじめられる方が悪いのでしょうか。段々と分からなくなってきています。(14歳・男性)

《生きやすくするためのヒント》

貴方の年齢は成長期で、早く大人っぽくなる人といつまでも子供っぽい人との差が大きくあります。成長の早い人が冷やかされる対象になる事はよくありますが、幼い人たちの心ない言葉や行動に傷つく必要はありません。自分自身の個性を大事にしてください。いじめる方が悪いのは歴然です。

将来就きたい職業に、本当に自分がなってもいいのか不安がとてもあります。(18歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

貴方が将来就きたい職業に興味があります。どんな職業にせよ、初めは誰でも新人で不安の無い人なんていません。「なってもいいのか」と自身に問いかけるのは良い事ですが、今から過度に不安を抱く必要はありません。これからは「なりたい」という貴方の願いを、少しづつ「なるために努力する」という決意に変えていく必要があります。

部活をやっているのですが、怒られるとどうしても後ろ向きな考えになってしまい、「私は必要ないのかな」なんて考えてしまう時があります。どういう考えを持ったらいいですか?(17歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

部活の指導者が厳しい言葉を投げ掛けるのは、貴方が「必要ない」からではなく「必要だから」かもしれません。期待しているからこそ、ついつい強い口調になる事もあります。怒られた事を悩んでいては次の一歩が出ません。自分を成長させるための愛のムチだと前向きにとらえる事が大切です。

人生がたのしくありません。人生楽しむにはどうすればいいのですか?(18歳・男性)

《生きやすくするためのヒント》

お釈迦さまは「苦楽一如」と説いています。苦しみと楽しみは一体のもので、人生が思うように行かないのは「苦しみ」それを乗り越えた先に「楽しみ」があるという事です。貴方にとって人生の楽しみは何なのでしょう。「楽」だけを求めればキリがありません。勉強に打ち込んだり、趣味やスポーツに没頭したり、苦労も多くありますが、その「苦」の先に楽しいと思える瞬間が必ず待っています。これからの人生「楽しみ」をたくさん見つけてください。

2年前に家庭の都合と体調を崩し仕事を辞めました。
そろそろ、仕事をしたいですが前の会社のパワハラがトラウマで
体調も余りよくありません。でも、仕事をしたいと思ってます。
どうすれば、自信をもって社会に出れますか。(44歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

貴方の家庭の都合と体調の回復がどの程度かわかりませんので適切なお答えは出来ませんが、現在もトラウマで体調が余り良くないのであれば、もう少し休む事をお勧めいたします。焦らずに体調を整え気力を高めてから社会復帰しても遅くはありません。経済的な事情もあると思いますが、不安を抱えて仕事についても結果は同じ繰り返しです。先ずは体力に自信をもつ事が大切、ウォーキングなど可能な運動を楽しみながら続けてみましょう。

好きな人がいます。しかし、相手が好きかどうか分からないので、告白しようと踏み出せません。このような時どうすれば良いのでしょうか?(20歳・男性)

《生きやすくするためのヒント》

告白する前に相手の気持ちを確かめたいのはわかりますが、相手の気持ちは思うようにはいきません。私も若い頃「好きです」と言えずに過ぎ去ってしまった恋がいくつもあります。振り返ってみるとそれはそれで縁が無かったと思えて良い思い出になっています。迷っている内はまだ告白の時期ではないのかもしれません。焦らずに、自分が傷ついても後悔しない覚悟ができたなら、勇気を持って告白するのも良いかもしれません。

11歳と、8歳の 娘をもつ、母親です。
毎日のように、ケンカをし、止めに入るのも 嫌になり、毎日 イライラ、怒号 の日々です。気持ちを切り換えることも出来ず、子供にも冷たく接してしまう自分が情けないし、私なんかのところに 産まれてきて 可哀想とも思ってしまいます。(40歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

怒鳴っても冷たく接しても何の解決にもなりません。怒鳴って育てられた子は、将来物事を怒鳴って解決しようとする大人になってしまいます。大切なのはお母さん自身の気分転換、母親の笑顔は子供たちを安心させます。イライラせず、子育て以外にも自分の楽しみを見つけていきましょう。根気強く自信を持って、貴方の考えを穏やかな口調で子供たちに話してください。きっと伝わるはずです。

職場の同期の人に「死ね」と言われて死のうとしたけど、前の職場の上司や救急の医師のおかげで死ぬ事は思い留まる事はできたが、今の職場の上司の心ない言葉に傷ついてますが、前を向いていけるか不安です。(33歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

貴方の負った心の傷はとても深いものと拝察します。どんな事情であれ「死ね」と言った同期の人を許すことは出来ません。しかし、人に言われたから「死のう」とした貴方も間違っています。大切な生命を粗末にしてはいけません。これからは、他人の心ない言葉に敏感になり過ぎず、他人は他人、自分は自分、一歩一歩マイペースで努力していきましょう。少しずつ少しずつ、貴方を応援しています。

人は死ぬのになぜ生まれてくるのですか?死ぬ事が分かっているのに生まれてくる意味が分かりません。また、死ぬのがとても怖いと思う私はおかしいのでしょうか?(46歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

人間だけではなく動物たちも植物たちも地球上総ての生命には限りがあります。咲きほこる花たちも必ずいつかは枯れてしまいます。しかし、総ての生き物たちは与えられた時間を一生懸命に生きています。誰でも「死」に対する不安はありますが、思い悩まず今を大切に生きていきましょう。意味があるから生きるのではなく、生きる事に意味があるのだと私はおもいます。

私に軽度の知的障害があります。でもきちんと就職し頑張って働いてます。過去にいじめられた経験があり今でもその傷つけられた傷はなおりません。多分これからもなおりません。今も働いてると大変なことも多いし、たまに死にたくなります。でも中にはこんな私を認めてくれて支えてくれる方も居るのでそこは感謝してます。両親にもすごく感謝してます。でもネガティブな私はどうしても自分を認められません。(25歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

社会では多くの方が様々な障害で悩んでいます。貴方がこれまでに乗り越えてきた苦難や努力はきっと周囲の人が認めてくれるはずです。人生において幾多の傷を負い、大きなストレスがあったと想像いたします。懸命に生きてきた自分を褒めてあげてください。心の傷を癒すには時間がかかりますが、苦い経験は必ず未来にいきてきます。つらい思いをしたのにご両親に感謝出来る貴方の優しさは素晴らしいと思います。

もっと自由に楽しく生きたいのですが、どこかで嘘の自分を演じ、遠慮してしまう自分がいます。どうしたら素直に自分の生きたいように生きられますか。(21歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

自分の気持ちを抑え周囲を気づかう貴方の性格はとても素敵だと思います。誰もが自由に楽しく生きたいと願いますが、他人と交わる以上は何もかも自分勝手という訳にはいきません。もし貴方が現在の環境に息苦しさを感じているのでしたら、新しい世界に飛び出してみては如何でしょうか。ありのままの自分で、嘘の姿を演じる必要はありません。自分の居場所が見つかるかもしれません。

私には今年二十歳になる娘がいます。就職活動をしてるのですがなかなか就職先が見つかりません。自分から進んで行動するタイプでもないしどうしたらいいですか。(40歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

自身の二十歳を振り返ると、何事においても経験が浅く不安の多い年頃だったと思い出します。就職活動に積極的になれなくても仕方ありません。立ち止まって自分を見つめ直す時間も必要です。きっと娘様も悩んでいます。焦らずにそっと背中を押してあげてください。ご縁があれば必ず就職先は見つかります。

自殺するのは悪いことなのでしょうか?自殺したいと口にする友人になんと声をかければいいか悩んでいます。(20歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

どんなに辛くても生きる事を自ら放棄してしまう事は決して良いとは言えません。しかし「自殺をしたい」と口にするお友だちの苦しみはとても深く、言葉ひとつで解決するものではないと拝察いたします。貴方にとって大切なお友だちであれば、その人が貴方にとって必要な存在である事、これからも共に生きていきたい事、悲しむ人がたくさんいる事、寄り添いながら時間をかけて伝えてあげて下さい。今は暗闇の中で生きる事すら困難な状態でも、必ず時間が経てば光が見えてきます。明けない夜はありません。冬は必ず春を迎えます。尊い生命です。諦めずに支えてあげて下さい。

どうしても自分に自信が持てません。
何をしてても少しミスをしたりすると自分が嫌になります。そんな時どうしたら良いですか? (25歳・女性)

《生きやすくするためのヒント》

はじめに、自分に自信のある人なんてそんなにいませんのでご安心ください。外見上そう見せている人がいるかもしれませんが、本当は貴方と同じように自信が持てなくて悩んでいる方が圧倒的に多いと思います。失敗しても自分を責めたり嫌にならないでください。次の機会に失敗しないための苦い経験です。マイペースで少しずつ自分の長所を褒めてあげましょう。人は人、自分は自分、他人と自分を比べる必要はありません。

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