この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2018年11月13日

(1)「『もみじ狩り』と言う」と「『桜狩り』とは言わない」の差

(写真)

専門家:山口謠司(大東文化大学 准教授)

この差は…
山に入って見るか どうか
昔は桜を見て楽しむことは「花見」ではなく「桜狩り」と言っていた。

〇もともと「桜狩り」と呼んでいた?!
桜をみることは、もともと「花見」ではなく「桜狩り」と呼んでいた。
「もみじ狩り」も「桜狩り」も平安時代に生まれた言葉。今でも「イノシシ狩り」や「きのこ狩り」という言葉があるように、「○○狩り」とは山に入って何かをとってくるという意味。平安時代の貴族は、桜の枝やもみじの枝を折って持って帰ってきて観賞したり、かんざしや着物の帯に挿しておしゃれとして楽しんでいた。つまり、山に入って桜やもみじの枝を折ってとってきていたことから、「狩り」という言葉が付いていた。

〇なぜ「桜狩り」という言葉は消えた?
平安時代に起きたある出来事がきっかけになり「桜狩り」という言葉が消えた。
平安時代初期、「桜狩り」が大ブームになったが、当時の仁明天皇は安全上滅多に外出できなかったため「桜狩り」に行けず、貴族たちがとってきた桜の枝を御所で見る事しかできなかった。そんな中、834年、仁明天皇は清水寺へ行く途中に偶然桜の木を初めて見た。桜の木に感動した仁明天皇は、それまで京都御所内に生えていた梅の木を全て抜き、山から持ってきた桜の木に植え替えさせた。そして、貴族たちも仁明天皇を真似て、桜を植樹するようになった。
つまり、自宅の庭で桜が見られるようになったので、桜を見るためにわざわざ山に入って「桜狩り」する必要がなくなった。そのため「桜狩り」という言葉も徐々に使われなくなり、「花見」という言葉だけ残った。

〇なぜ「もみじ狩り」は残った?
紅葉は、たくさんの木々が密集して色づく美しさが魅力だったので、山に見に行く「もみじ狩り」の習慣は残った。

(2)今年の秋絶対見に行くべき「絶景紅葉スポット」の差

(写真)

専門家:大橋菜央(じゃらん編集長)

この差は…
東京から日帰りで行ける2大紅葉スポットは、
山梨県「もみじ回廊」
長野県「御射鹿池」
「もみじ回廊」のみどころは、闇に照らし出される「神秘の回廊」。
「御射鹿池」のみどころは湖面に映る「もみじの赤」。


〇紅葉スポット①:山梨県「もみじ回廊」
新宿駅からおよそ2時間の河口湖から、湖を周回するバスに乗り換えて20分の場所にある山梨県河口湖町の「もみじ回廊」。みどころは、闇に照らし出される「神秘の回廊」。河口湖の湖畔にある「もみじの回廊」は、夏場は緑の木々に囲われているが、11月になると赤や黄色に色づく。さらに、夜になりライトアップされ、闇に照らし出された回廊は神秘的。2018年のライトアップは11月23日まで行われる予定。

〇紅葉スポット②:長野県「御射鹿池(みしゃかいけ)」
新宿駅から特急でおよそ2時間30分、さらに最寄り駅の茅野駅から車でおよそ30分の場所にある「御射鹿池」。みどころは、まるで絵画のような湖面に映る「もみじの赤」。「八ヶ岳中信高原国定公園」内にある「御射鹿池」を取り巻く木々は夏場は鮮やかな緑色だが、11月になると「もみじの赤」が湖畔を覆い尽くす。さらに紅葉の絶頂期には湖面にも赤が映り、辺り一面深紅の世界になる。

(3)長寿の秘訣!「食べ合わせ」の差

(写真)

専門家:白澤卓二(お茶の水健康長寿クリニック 院長)

この差は…
「梅干し」×「ワカメ」は、「骨粗しょう症予防」に効果的
「サケ」×「ブロッコリー」は、「動脈硬化予防」に効果的
「サバ」×「リンゴ」は、「認知症予防」に効果的
「ヨーグルト」×「タマネギ」は、「腸内環境改善」に効果的
「豚肉」×「サツマイモ」は、「豚肉の健康効果UP」に効果的
健康ご長寿のみなさんには、カラダや脳の健康のためのさまざまな日課や習慣がある。

〇長寿大国日本
100歳以上の高齢者数は48年間連続で増加しており、全国でなんと6万9785人!長寿の秘訣は普段の食生活で、特に気になるのは「食べ合わせ」。過去に行った100歳以上の元気なお年寄りへの取材でも、「ヨーグルト+ココア」や「納豆+オクラ」、「ゴーヤ+酢」など、「食べ合わせ」にこだわりを持つ方が多かった。
今回は100歳以上のご長寿300人に「週3日以上食べている食材は何か?」というアンケートを実施した。その結果、第5位「キャベツ」、第4位「サバ」、第3位「豆腐」、第2位「ヨーグルト」、第1位「豚肉」だった。
さらに、「トップ10の食材と何を食べ合わせているか?」というアンケート結果を専門家に見てもらったところ、健康長寿につながる理にかなった「食べ合わせ」をしていることが分かった。今回は、「梅干し」、「サケ」、「サバ」、「ヨーグルト」、「豚肉」を紹介する。

〇第9位「梅干し」×「ワカメ」で「骨粗しょう症予防」に効果的!
「梅干し」と食べ合わせることで、「骨粗しょう症予防」に効果的な食材は、「ワカメ」。
毎日3回ボール体操を行い、骨が丈夫な國部ハツ子さん(100歳)に、いつも食べている「梅干し」を使った酢の物の作り方を見せてもらった。まず、スライスしたキュウリとちぎった梅干しにお酢・砂糖を入れ、「ワカメ」を加えるとできあがり。
骨粗しょう症予防にはたくさんの「カルシウム」を補給するする必要があるが、「ワカメ」には「牛乳」と同じくらい「カルシウム」が豊富に含まれている。しかし、「カルシウム」は吸収しづらいという特徴があり、約30%しか体に吸収されないと言われている。「梅干し」に含まれる「クエン酸」と合わさることで、「ワカメ」の「カルシウム」の吸収率が上がり、「骨粗しょう症予防」につながる。

〇第8位「サケ」×「ブロッコリー」で「動脈硬化予防」に効果的!
「サケ」と食べ合わせることで、「動脈硬化予防」に効果的な食材は、「ブロッコリー」。
手先を動かし脳を刺激することでボケ防止につながると言われる「ぬり絵」が健康の秘訣となっている小笠原なつ枝さん(101歳)は、お医者さんが驚くほど血管が若々しい。そんななつ枝さんが週4日も食べているのが「サケ」。「サケ」入りクリームシチューに入れたのは「ブロッコリー」。
「ブロッコリー」に豊富に含まれる「ビタミンC」がポイント。「サケ」には血液をドロドロにする「活性酸素」を取り除いてくれる「アスタキサンチン」が含まれており、「サケ」だけでも動脈硬化の予防に効果がある。「サケ」と「ブロッコリー」を一緒に食べると、血液中で「アスタキサンチン」の効果が長い時間持続するということが分かっている。

〇第4位「サバ」×「リンゴ」で「認知症予防」に効果的!
「サバ」と食べ合わせることで、「認知症予防」に効果的な食材は、「リンゴ」。
100歳を過ぎても身の回りの事は自分で行い、毎日部屋の掃除や体操を欠かさない瀬戸アキさん(103歳)は気になることをノートに書いて頭を使うことを意識している。そんなアキさんが週3回食べているのが「サバ」。焼き「サバ」には、皮ごとすりおろした「リンゴ」をかけて食べている。他にも「揚げナス」や「冷奴」にもすりおろした「リンゴ」をかけている。
「サバ」には「DHA」という脳の神経細胞を活性化させる物質が含まれる。しかし、多くの「DHA」は血管内で「活性酸素」に攻撃され壊れてしまうため、脳までたどり着く「DHA」は少なく、認知症予防効果は得られにくい。ところが、「リンゴ」にしか含まれていない「リンゴポリフェノール」という物質は「活性酸素」から「DHA」を守ってくれるので、「DHA」が壊れないで脳まで運ばれて、認知症予防につながるというメカニズムが分かってきた。

〇第2位「ヨーグルト」×「タマネギ」で「腸内環境改善」に効果的!
「ヨーグルト」と食べ合わせることで、「ビフィズス菌」が「腸内環境改善」する働きを高める食材は、「タマネギ」。
100歳を過ぎても1人で畑仕事をしている池沢勝久さん(100歳)の元気の源は毎日食べる「ヨーグルト」。薬は何も飲んでおらず、15年間風邪もひいていない。そんな勝久さんは、スライスした「タマネギ」に「ハチミツ」をかけたものを「ヨーグルト」に入れて食べている。
「腸内環境」を作るのは、「ヨーグルトに」含まれる「ビフィズス菌」。この「ビフィズス菌」のエサをとって「ビフィズス菌」を増やさないと「腸内環境」はよくならない。この「ビフィズス菌」のエサとなるのが果物や野菜に含まれる「食物繊維」なのだが、「ビフィズス菌」が好むのはその中でも水に溶ける「水溶性食物繊維」。「タマネギ」には「水溶性食物繊維」が多く含まれるので「ヨーグルト」と食べ合わせると「腸内環境改善」にとても効果的。

〇第1位「豚肉」×「サツマイモ」で「豚肉の健康効果」がUP!
「豚肉」には「ビタミンB1」が豊富に含まれていて、「疲労回復」や「免疫力アップ」に効果があり、健康長寿食材のトップと言える。しかし、脂が「動脈硬化」を起こしたり、「老化」を早めてしまう可能性がある。 「豚肉」と食べ合わせることで、脂身がもたらすデメリットを軽減し、「豚肉」の健康効果を高めてくれる食材は、「サツマイモ」。
計算ドリルを日課にし、分からない字があると国語辞典で調べ、積極的に頭を使っている出井ナツさん(100歳)の元気の源は「豚肉」。肉じゃがのジャガイモのかわりに「サツマイモ」を使った「豚肉とサツマイモの甘辛煮」が大好物。
「豚肉」に含まれる脂は、吸収されると血液に入って酸化し「過酸化脂質」に変化する。この「過酸化脂質」が動脈の壁を攻撃すると「動脈硬化」が引き起こされ、細胞の中に入ると細胞の「老化」を引き起こす。しかし、「サツマイモ」に多く含まれる「ビタミンE」を一緒に摂ると、脂が「過酸化脂質」に変質するのを防いでくれる。「サツマイモ」を一緒に食べると「豚肉」の脂のデメリットを軽減してくれるので、本当の健康長寿の食材となる。

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