この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2018年7月31日

(1)「苦いゴーヤ」と「苦くないゴーヤ」の差

(写真)

専門家:立石豊(JAおきなわ)

この差は…
色が濃いか どうか
表面のイボが小さいか どうか
色が濃く、表面のイボが小さくて密集しているゴーヤは苦みが強い。

〇「ゴーヤ」の苦さは一目で見分けられる!
栄養価が高い夏野菜「ゴーヤ」は、キュウリやヘチマと同じウリ科の野菜で、最大の特徴は「苦み」。この「苦み」が苦手な方は多い。
「ゴーヤ」の苦さを見分けるポイントは2つある!
1つ目のポイントは「色」。色が濃い「ゴーヤ」は苦く、色が薄い「ゴーヤ」は苦くない。
もう1つの見分け方が、「表面のイボの大きさ」。表面にあるイボが小さくて密集している「ゴーヤ」の方は、苦味が強い。

〇なぜ、色が濃くイボが小さい「ゴーヤ」は苦いのか?
「ゴーヤ」の苦さは、成長の度合いによって変わっていく。若いゴーヤは、色が濃くて、イボが小さく、苦味が強い。成長したゴーヤは、色が薄く、イボが大きくなり、苦みも弱くなっていく。
若いゴーヤは、中にある種が十分に成長しきっていないので、この段階で鳥などの外敵に狙われてしまわないように、わざと苦くして自分を守っている。

〇完熟したゴーヤとは?
完熟ゴーヤは黄色い。完熟したゴーヤを切ると、中には真っ赤なものが!これは種のまわりの部分で、とても甘くて美味しい。昔の沖縄ではデザートとして完熟ゴーヤが食べられていたが、腐るのがとても早いため流通させることが難しい。

(2)「ゴーヤ」の苦さによる栄養効果の差

(写真)

専門家:岡田明子(管理栄養士)

この差は…
苦味が強いか どうか
苦いゴーヤの方が栄養効果が高い。

〇ゴーヤの栄養効果
ゴーヤには「ビタミンC」や「βカロテン」が豊富に含まれていて、美肌効果や免疫力を高めるのに役立つ。そのため、夏の疲れやすい体に最適な野菜といえる。
中でも重要なのが「苦味」。苦ければ苦い程栄養効果が高い。

〇なぜ、苦いゴーヤの方は、栄養効果が高いのか?
ゴーヤの苦味の正体は「モモルデシン」という成分。疲労や老化の原因となる活性酸素を抑える働きがある。
また、「モモルデシン」は胃に入ると消化液の分泌を促す効果があるため、食欲を増進させてくれる。そのため食欲が落ちやすい夏にぴったりな食材といえる。

〇沖縄の主婦が教える「超簡単 ゴーヤ料理」
ゴーヤの生産量日本一の沖縄県の主婦に、簡単に作れるゴーヤ料理を作ってもらった。管理栄養士の専門家に見てもらうと、驚くほどゴーヤの良い所を最大限に生かした料理だった!

1品目は、「ゴーヤの佃煮 混ぜご飯」。沖縄では常備菜として大人気の「ゴーヤの佃煮」は免疫力アップに効果的!まずゴーヤを縦半分に切ってワタを取る。さらに、横4cmに切ってから繊維に沿って縦に切ると煮崩れしにくい。これを2分茹でた後、軽く絞りフライパンに入れて、黒糖、いりこ・お酢を入れて強火で煮詰め、かつお節とゴマを入れたら完成。小魚に含まれる「アミノ酸」とゴーヤの「ビタミンC」が合わさることで免疫力がアップする。この「ゴーヤの佃煮」をご飯に混ぜて、「ゴーヤの佃煮 混ぜご飯」にするのが産地ならではの食べ方。

次に教えてもらったのが、「ゴーヤの肉詰め」。ゴーヤは1cmの輪切りにしてワタを取る。みじん切りのタマネギに塩、顆粒ダシ、しょう油を入れ炒め、豚ひき肉とよく混ぜ合わせて、片栗粉をまぶしたゴーヤの穴に詰めていく。フライパンの蓋を閉めて2分程度蒸し焼きにし、水、顆粒ダシ、しょう油を混ぜ合わせた調味料で味付けし、再び蓋を閉めて30秒程度火を通したら完成。豚肉に豊富な「ビタミンB1」とゴーヤの「モモルデシン」は夏バテ予防に最高の組み合わせ。ぜひお試しください!

(3)「発酵食品」の健康食品の差

(写真)

専門家:白澤卓二(お茶の水健康長寿クリニック 院長)

この差は…
「高血圧予防」には、「赤みそ」が良い
「疲労回復」には、「キムチ」が良い
「便秘解消」には、「ヨーグルト」を「食後」に食べると良い
「紫外線対策」には、「硬いチーズ」が良い
「赤みそ」には「大豆ペプチド」、「キムチ」には「乳酸菌」、「ヨーグルト」には「ビフィズス菌」、「硬いチーズ」には「カルシウム」が豊富。

〇「菌活」が大ブーム
本屋さんでも「菌活」コーナーがつくられるほど、大ブームになっている「菌活」。「菌活」とは、「納豆菌」が含まれる納豆や「乳酸菌」が含まれるヨーグルトなど、体に良い菌が含まれる「発酵食品」を積極的にとることで、腸内環境を整え健康になろうというもの。

〇なぜ「菌」をとると体に良い?
そもそも人間の腸の中には500種類以上、100兆個もの「菌」がいて、その重量は2kgにもなる。体内にたくさんいる「菌」は大きく3つに分けることができる。
まず1つ目は、腸内で良い影響を与える「善玉菌」。2つ目は、体に有害な毒素を作り出して腸内の環境を悪化させる「悪玉菌」。3つ目は「日和見菌」といわれる菌で、「善玉菌」が優勢なら「善玉菌」に加勢し、「悪玉菌」が優勢なら「悪玉菌」に加勢する「菌」。
3種類の「菌」のバランスは、健康な人の場合「善玉菌」2:「日和見菌」7:「悪玉菌」1となる。しかし、「悪玉菌」が増えて腸内環境が悪くなると、便秘になったり免疫力が低下したり、大腸がんなどの重大な病気につながることもある。
そのため、「善玉菌」がたくさん含まれる「発酵食品」を摂取して、腸内の「善玉菌」を増やすことが重要。ただし、せっかくの「発酵食品」も食べ方次第で健康効果が半減してしまうことがある。

〇なぜ自然と「悪玉菌」が増えることがある?
加工食品や添加物が多い食生活だったり、徹夜したりすると腸内細胞の状態はガラッと変わる。「悪玉菌」は毒素を出しており、脳や体の色々な免疫系や代謝に関係していて、認知機能や運動機能の低下など色々なことに関係していることが研究で分かってきている。


〇「高血圧予防」により効果的なのは、「赤みそ」「白みそ」どっち!?
「みそ」というと塩分が高く、血圧を上げるイメージを持つ方も多い。しかし、最近発表された日本生物工学会の研究によると、みそをつくる際に麹菌が大豆を分解してできる「大豆ペプチド」が「高血圧予防」に効果があることが分かった。
「高血圧予防」により効果的なのは「赤みそ」。「赤みそ」は塩分量が多く大豆のみでつくられており、「白みそ」は塩分量が少なく大豆と米でつくられている。塩分は「赤みそ」の方が多いが、重要なのが「大豆ペプチド」。そもそも「高血圧」とは、血管が狭くなってしまい血流が悪くなることで起こるが、「大豆ペプチド」はこの狭くなった血管に作用し、血管を広げることによって「高血圧」が良くなることが分かった。大豆だけでつくられる「赤みそ」は、大豆とお米でつくられる「白みそ」より、約10倍も「大豆ペプチド」が多く含まれる。そのため塩分が高いにも関わらず、「赤みそ」の方が「高血圧予防」に効果があるといわれている。

〇「高血圧予防」にオススメの「みそ汁の具材」は?
定番の「わかめ」と「豆腐」がオススメ。
「ワカメ」には「カリウム」が豊富に含まれている。「カリウム」は腎臓で塩分を排出しやすくする効果があり、「高血圧予防」につながる。また、「豆腐」にはみそと同じく「大豆ペプチド」が含まれているので、定番の「ワカメと豆腐のみそ汁」は「高血圧予防」に最適な組み合わせといえる。


〇「疲労回復」により効果的なのは、「ぬか漬け」「キムチ」どっち!?
「漬物」には、「善玉菌」である植物性の「乳酸菌」が多く含まれていて、この植物性「乳酸菌」が小腸の中で悪玉菌を退治してくれる。そのため、栄養分の吸収がスムーズになり、「疲労回復」に効果がある。

「疲労回復」により効果的なのは「キムチ」。「乳酸菌」の量は、「ぬか漬け」が約1600万個、「キムチ」が約1億6000万個と、「キムチ」の方が約10倍と圧倒的に多い。

「キムチ」の方が「乳酸菌」の量が多い理由は2つある。1つ目は、「発酵期間」。「ぬか漬け」の発酵期間は半日〜2日なのに対し、「キムチ」の発酵期間は約1か月と長く、「乳酸菌」が長い時間をかけて増えていく。2つ目の理由は、「食べ方」。ぬか漬けは、「乳酸菌」の多いぬか部分を水洗いして流してしまっているので、「乳酸菌」の大半を失ってしまう。「キムチ」は「乳酸菌」の多い周りのエキス部分を一緒に食べるので、「乳酸菌」の量が多くなる。
ただし、「ビタミンB」は、「ぬか漬け」の方が多い。「ビタミンB6」は生のキュウリの約4倍、「ビタミンB1」は生のキュウリの約9倍もアップする。「乳酸菌」の数では「キムチ」に負けるが、「ぬか漬け」にも良いところは色々とある。

〇「疲労回復」に効果的なオススメの「キムチ」は?
「水キムチ」がオススメ。
自宅でも簡単に作ることができる。お米のとぎ汁200mlにつき小さじ1杯の塩を加えてひと煮立ちさせ、冷ましたら容器に移し、お好みの野菜を切って入れる。これを常温で半日おいたら完成。
お米のとぎ汁には「乳酸菌」が入っていて、お米の中の糖分によって発酵していく。そのため、爆発的に「乳酸菌」が増える。「乳酸菌」の量は約3億個と、「キムチ」の約2倍、「ぬか漬け」の約19倍となる。


〇「便秘解消」により効果的な「ヨーグルト」を食べるタイミングは、「食前」「食後」どっち!
「ヨーグルト」には「善玉菌」である「乳酸菌」「ビフィズス菌」が豊富に含まれている。「ビフィズス菌」は腸の運動を妨げる「悪玉菌」を退治してくれるので、「便秘解消」に効果がある。しかし、「ヨーグルト」をいつ食べるかによって「便秘解消」の効果が大きく変わってくる。

「便秘解消」により効果的な「ヨーグルト」を食べるタイミングは「食後」。食事の前の空腹時の胃の中は、胃酸が多く出て酸性の状態になっている。「ビフィズス菌」は胃酸に弱いため、「食前」に食べると「ビフィズス菌」の99%が死んでしまう。「食後」は胃酸が食べ物によって中和されて酸性が弱くなっている状態なので、「ビフィズス菌」が生きたまま腸内に届き、「悪玉菌」を退治してくれる。

死んでしまった菌体は腸の中にいる「ビフィズス菌」のエサになるので、腸の中の「ビフィズス菌」を増やしてあげるには効果があり、全く意味がないわけではない。しかし、生きたまま腸に届けようとすると、「食後」に食べた方が良い。

〇「朝食」・「昼食」・「夕食」、いつの食後が良い?
「便秘解消」により効果的なのは、「夕食後」。1日の腸の活動を見ると、朝や日中の活動している時間帯は腸が活発に働いているので、せっかくとった「ビフィズス菌」が腸の活動によって流されやすい。一方、夜の睡眠時は腸の活動が緩やかになり、「ビフィズス菌」が腸内に留まる時間が圧倒的に長い。「ビフィズス菌」が消化管に留まっている時間が長い程、増えるチャンスがあるため、「夕食後」に食べるのが「便秘解消」により効果的となる。

〇「ビフィズス菌」をより効果的にとれる「ヨーグルト」の保存方法は、「3〜5℃の冷蔵室」「約0℃のチルド室」どっち!?
「ビフィズス菌」をより効果的にとれる「ヨーグルト」の保存方法は、「3〜5℃の冷蔵室」。「0℃のチルド室」では、「ビフィズス菌」は完全に冬眠状態に入っていて、長い間冬眠状態だった「ビフィズス菌」をとっても、冬眠状態のまま腸内を通り出てしまう。人間の体温である37℃くらいのところに5〜6時間いても起きない。「3〜5℃の冷蔵室」では「ビフィズス菌」は冬眠状態に入っていないため、活発ではないが体内に入ると目が覚めやすく大腸に入る頃には活発に動けるようになる。
冷蔵庫から出して30分程おいて常温に戻してから食べると、体の中で「ビフィズス菌」がすぐに活動するのでオススメ!


〇「紫外線対策」により効果があるのは、「柔らかいタイプのチーズ」「硬いタイプのチーズ」どっち!?
「紫外線対策」に効果的なのは「チーズ」。夏は、たくさんの汗をかくことで、体内の「カルシウム」が大量に流れ出てしまっている。「カルシウム」が不足すると、肌の水分を保持する力が弱まってしまい、肌のバリア機能が低下してしまうので、紫外線によるシミや肌荒れを引き起こしやすくなる。「チーズ」は牛乳が「乳酸菌」で固まってできており、「カルシム」が豊富に含まれていて「紫外線対策」に効果がある。

「紫外線対策」により効果があるのは、「硬いタイプのチーズ」。「乳酸菌」が牛乳を固めていく過程で「カルシウム」を凝縮してくれるため、硬ければ硬いほど濃縮効果が高いといえる。「カルシウム」の含有量を比べると、牛乳が100gあたり110mgなのに対し、「ゴーダチーズ」は680mgと約6倍の濃縮効果がある。そのため、牛乳を飲むよりもチーズを食べた方が「カルシウム」の量がたくさんとれる。さらに、色々な種類のチーズの100gあたりの「カルシウム」含有量を比べてみると、柔らかい順に「クリームチーズ」は70mg、「モッツァレラチーズ」は330mg、「ゴーダチーズ」は680mg、「チェダーチーズ」は740mgと硬さに応じて「カルシウム」の量が多いことが分かる。

〇より「カルシウム」をとれる食べ合わせは?
オススメは「しらす」。「しらす」には、「カルシウム」が消化管から吸収されるために必要な「ビタミンD」が豊富に含まれている。「しらす」の「ビタミンD」が「カルシウム」の吸収率を高めてくれる。

紫外線対策にオススメのチーズ料理は「チーズとしらすのトースト」。パンに硬いタイプのチーズと「しらす」をのせるだけの簡単料理。ポイントは最後にふりかける「パルメザンチーズ」。「パルメザンチーズ」は熟成期間が長くカルシウムがより濃縮されているため、「紫外線対策」に最適。

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