この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2018年1月23日

(1)「ぜんざい」と「おしるこ」の差

(写真)

専門家:早川良子(かさぎ屋3代目店主)

この差は…
関西では、「ぜんざい」は粒あんの汁、「おしるこ」はこしあんの汁。
関東では、どちらも「おしるこ」と呼ぶ。

関東では、汁気のないあんこを添えたモノを「ぜんざい」と呼ぶことがある。

〇なぜ関西では、「粒あん(ぜんざい)」と「こしあん(おしるこ)」で呼び分ける?
その理由は、それぞれの成り立ち(※諸説あり)を知ればわかる。

先に生まれたのは「ぜんざい」。
室町時代の出雲の国、10月に「神在祭(かみありさい)」。一般的には、10月のことを「神無月(かんなづき)」と呼ぶが、出雲の国には全国の神様が集まるため「神在月(かみありづき)」と呼んでいた。「神在祭」で振舞われていた食べ物が、小豆を煮込んで「粒が残った汁」のなかに、神前に供えていた「餅」を入れた「神在餅(じんさいもち)」。この「神在餅」が参拝者に評判に!そこで参拝者が出雲の人に名前と尋ねたところ、出雲の方言のせいで、「ぜんざい餅」と聞こえてしまい関西には伝わったと言われている。

〇では「おしるこ」はどのようにして生まれた?
江戸中期、江戸の町に砂糖が出回る。「小豆の粉をお湯で戻した汁」にお米でつくった「団子」を入れ、さらに「砂糖」を加えて食べた。「(小豆の)粉の汁」なので、「汁粉(しるこ)」と名付けられた。

そして江戸後期、「しるこ屋」ができ、2種類の「しるこ」が売られるようになった。まず小豆の皮を残した粒あんの「田舎汁粉(いなかじるこ)」。そして小豆の皮をこしたこしあんの「御前汁粉(ごぜんじるこ)」。そして全国に広まった。

関西では、こしあんの「おしるこ」は、江戸から来た珍しい食べ物として広まった。一方、粒あんの「おしるこ」は、既に「ぜんざい」があったため受け入れられなかった。そのため、関西では、粒あんは「ぜんざい」、こしあんは「おしるこ」と区別して呼ぶようになった。

(2)「丸の内(ひらがな)」と「丸ノ内(カタカナ)」の差

(写真)

専門家:谷川彰英(筑波大学名誉教授)

この差は…
新しい地名(昭和45年以降)か 古い地名(昭和45年より前)か どうか
「カタカナの丸ノ内」が古い地名。

〇先に誕生したのは「ひらがな」?「カタカナ」?
徳川家康が江戸城を建てた際に「まるのうち」と名付け、堀の内側を指していた。その後、昭和4年に町名として、「丸ノ内」として名付けた。よって、先に誕生したのは「カタカナ」。

〇なぜ「カタカナの丸ノ内」にしたのか?
現在、当たり前のように文章に「ひらがな」を使っているが、当時は公式な文書には「漢字+カタカナ」を使用していた。そのため、地名も「カタカナ」に。

〇いつ「ひらがなの丸ノ内」になったのか?
1970年(昭和45年)を境に「ひらがなの丸ノ内」が使われるようになった。太平洋戦争に負けた日本はアメリカの指導のもと日本の古い“しきたり”を一新しようと「カタカナ表記」から「ひらがな表記」へと変えていった。ひらがなは、“柔らかい感じ”があるため、戦後の日本の新しいスタートにふさわしいと考えられ、公的な文書や教科書などに採用されていった。そのため、地名も、ひらがなに。「ひらがなの丸ノ内」は昭和45年以降」。そのため建て替えられた丸ビルなども、「丸の内ビルディング」に変更されている。しかし、「東京メトロ丸ノ内線」や「丸ノ内ホテル」などは昭和45年より前に開業したため、現在もカタカナ表記のままとなっている。

(3)言われたら気になる「そば」と「生(き)そば」の差

(写真)

専門家:ほしひかる(江戸ソバリエ協会理事長)

この差は…
そば粉100%か どうか
「生そば」は、そば粉100%のそばのことだが、のれんと実際は違うことも。

〇生そばとはどのようなモノ?
「生そば」とは、小麦粉などのつなぎを使わないそば粉100%で打ったそば。つまり、「生粋のそば=生そば」という。

〇多くのお店が「二八そば」なのに、なぜのれんに「生そば」?
番組で都内300軒のそば店ののれん・看板を調査したところ、「生そばののれん・看板」は79軒あった。そのなかで、「生そば(そば粉100%)」は2軒。「二八そば(そば粉8割、小麦粉2割)」は60軒。

江戸時代、飲食店ができ、そのなかで「そば屋」もあった。そばは、シンプルな食べ物として評判になった。当時は、そば粉100%。ただ、そば粉だけだと、打ちづらく、ゆでると切れてしまうという欠点を抱えていた。そこで生み出されたのが「二八そば」。つなぎに小麦粉を2割いれることで、そばに弾力性が増し、人気になり「二八そば」を出す店が増えた。一方、「生粋のそば」を出すお店は、「二八そば」と区別するため「生そば」と名乗るようになった。そのため、江戸には「生そば」と「二八そば」という2つののれんの店が存在していた。

ところが、そば粉100%の「生そば」の方が、後で出てきた「二八そば」より、風味が良くて味も良い評判になって繁盛した。そのため「生そば」というのれんを出した方が、格上のイメージがあった。江戸時代後期には、「二八そば」の店も、そば粉の割合に関係なく、のれんを「生そば」に変更するようになり、「生そば」ののれんが増え、現在も続いている。

(4)言われたら気になる「お煮しめ」と「筑前煮」の差

(写真)

専門家:藤 清光(郷土料理研究家)

この差は…
「お煮しめ」は食材を1品ずつ煮る、「筑前煮」はまとめて煮るか どうか
結果として完成時間にも差が(「お煮しめ」は約3時間、「筑前煮」は約30分)ある。

〇「お煮しめ」と「筑前煮」の材料?
同じ。(ゴボウ、ニンジン、コンニャク、サトイモ、干しシイタケ、レンコン)。

〇「お煮しめ」の作り方
(1)鍋の中にレンコンを入れる。
(2)カツオ節、コンブの出汁を入れ、コトコト煮て完成。そのあと、同じように(1)と(2)を1品ずつ繰り返していく。つまり、「お煮しめ」は、1品ずつ煮ていく。これは、食材によって、味のしみ方や味付けの加減が違うため。また「ハレの日料理」として食べられていたため、煮崩れや色移りしないように1品ずつ煮る。しかし調理時間が長くなる。

〇「筑前煮」の作り方
(1)鍋の中に油を入れ、具材をすべて入れて炒める。
(2)3分ほどしたら「お煮しめ」と同じ出汁を鍋に入れ、コトコト煮て完成。最初に、油で炒めると早く火が通るため、調理時間が短くてすむ。

(5)歯の間にモノが「挟まりやすい人」と「挟まりにくい人」の差

(写真)

専門家:天野聖志(天野歯科医院 院長)

この差は…
歯にすきまがあるか どうか
歯ぐきが痩せたり、下がることが大きな原因。

〇歯や口の中の悩みランキング
(出典:日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」2016年)

第1位:歯の間にモノが挟まる
第2位:歯の色が気になる
第3位:口臭が気になる
全体の43%を占め圧倒的に多いのが、第1位の「歯の間にモノが挟まる」だった。

〇どうして歯と歯の間に「すきま」ができる理由は?
大きく分けると2つある。
(1)歯が痩せてしまうため。
⇒原因は、口の中が酸性になると、歯を覆っているエナメル質が溶け出し、歯が細くなる。通常、唾液の働きで酸性が中和され、エナメル質が守られる。例えば、加齢などで唾液の量が減少すると酸性状態になり、エナメル質が溶けやすくなる。(※歯が痩せる原因は他にもある)
⇒一番簡単な対策としては、食後に水でブクブクうがいする。これだけで、だいぶ中性に戻すことができる。

(2)歯ぐきが下がってしまうため。
⇒原因は、加齢など。最も大きな原因といわれているのが、毎日の歯みがき。間違った歯みがきにより、力を掛け過ぎることが主な理由。

〇力を入れすぎず歯を磨くポイントとは?
ポイント1:ペングリップで握ること
⇒手のひらで、触れたのがわかるぐらいの力加減で動かす感覚が理想。力は入れなくてよい。
ポイント2:縦磨きをすること
⇒横磨きだと動かしやすいため、無意識で強くなりやすく、力の加減が難しい。縦磨きだと唇などが邪魔になり動かしにくいため、自然と力が入れにくくなる。

〇デンタルフロスの正しい使い方とは?
上下に動かす使い方をしている場合が多い。しかし、これでは汚れは十分に取れていない。
ポイント1:糸を歯の側面に沿って動かす。終わったら反対の側面を。両サイド合計で、4回以上やることをオススメする。

〇最新デンタルグッズ「エアーフロス」とは?
最近では「エアーフロス」と呼ばれる水圧と空気で、歯と歯の間の汚れを落とす機器も発売されている。

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