この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2017年12月19日

(1)「おじや」と「雑炊」の差

(写真)

専門家:大山喬之(新宿調理師専門学校 講師)

この差は…
作る時に「ご飯を1度水で洗ってから煮る(雑炊)」か どうか
「おじや」はトロトロした仕上がり、「雑炊」はサラサラした仕上がりになる。


〇なぜ「雑炊」は炊いたご飯を「水で洗う」のか?
戦国時代に、ゆっくり食事をするヒマがないため、短時間で「サラサラと食べられる料理」として誕生した。

〇なぜ「雑炊」というのか?
「雑炊」はもともと「“水分”を“増”した料理」ということで、「増水」と表現されていた。実際、室町時代の国語辞書である「下学集」にも記載が残っている。その後、野菜・肉・魚介を加えるようになり、“雑多“なモノと”炊く“から、「雑炊」を使うようになった。

〇なぜ「おじや」という料理名に?
室町時代、宮中に仕える女性たちの間で「おにぎり」や「おひや」、「お扇子」、「おぐし」など、言葉の頭に「お」を付ける文化があった。そして、ご飯が煮える音が“じやじや”と聞こえたため、「おじや」(※諸説あり)になったと言われている。

(2)「安倍」と「阿部」の差

(写真)

専門家:宝賀寿男(日本家系図学会 会長)

この差は…
最初に生まれたのは「阿倍」。その後、派生した当て字。
現在は12種類の様々な漢字が当てられている。

〇最初に生まれた「阿倍」とは?
古墳時代、天皇の料理を「みあへ」と呼び、料理番のことを「あへ」と呼んでいた。その後、呼びやすさから「あべ」に。当時使われていた「阿倍」を当てた。

〇次に生まれた「あべ」とは?
「阿部」。「阿倍」に仕える人たちを「阿部」と呼ぶようになった。

〇3番目に生まれた「あべ」とは?
「安倍」と「安部」。この呼び方が生まれたのは、平安時代。「阿倍」や「阿部」を名乗っていたひとたちが「平安の安」をとって、「安倍」や「安部」に変えた。その後、様々な字が当てられて、現在の12種類になった。

〇ちなみに「高橋」も?
「高橋」は、元々は「膳(かしわで)」、「天皇に料理を運ぶ仕事」。「膳」が住んでいた場所が奈良の「高橋」という場所。また「髙橋」は、膳が「はしご」を使わないと届けられないくらい高い存在に食事を届けていたということで「髙」を当てたといわれている。

(3)「日本の雪だるま(2段)」と「海外の雪だるま(3段)」の差

(写真)

専門家:中村浩訳(全日本だるま研究会 会長)

この差は…
日本の雪だるまのモデルは「だるま」、欧米の雪だるまのモデルは「人間」か どうか
欧米の雪だるまは「スノーマン」。

〇「雪だるま」はだるま。
「雪だるま」はだるまがモデル。だるまは、「達磨大師」というお坊さんをモデルにした江戸時代に生まれた人形のこと。

〇「スノーマン」は人間。
「スノーマン」は人間がモデルのため、「頭」「上半身」「下半身」の3段となる。

(4)「パート」と「アルバイト」の差

(写真)

専門家:小笠原隆夫(人事コンサルタント)

この差は…
法律的な意味に差はない。
法律をみてみると「パート」も「アルバイト」も「パートタイム労働者」を意味する

〇「パート」と「アルバイト」を使い分ける理由
「パート」は主婦、「アルバイト」は学生のように働いてほしい人のイメージを伝えるため。

〇「アルバイト=学生」のイメージが広まったきっかけとは?
先に言われはじめたのは「アルバイト」。明治時代といわれている。ちなみに「アルバイト」とは労働を意味するドイツ語。明治時代のエリート学生や知識人は、英語やフランス語だけでなくドイツ語も学んでいた。そして会話の中でドイツ語を使うことが流行していた。そこで、「アルバイト」もごく一部の学生たちの流行語だった。その後、昭和の高度成長期に入って大学進学率が上昇し、アルバイトをする学生も増加。昭和42年創刊の日本初学生向け求人情報誌『日刊アルバイトニュース』が登場し、そのイメージが全国に広まっていった。

〇「パート=主婦」のイメージが広まったきっかけとは?
「パート」は英語のパートタイムの略語。この言葉が使われるようになったキッカケは昭和29年に大丸百貨店が新聞に出した「求人広告」だと言われている。百貨店勤めが女性の憧れであったため数千人もの女性が応募。そこから「パートタイム」は女性の働き方として広まっていった。その後、高度経済成長期にパートタイムで働く女性の多くが主婦であったため“パート=主婦”のイメージが定着していった。

(5)舌が「白っぽい時」と「白っぽくない時」の差

(写真)

専門家:伊藤 剛(北里大学 東洋医学総合研究所)

この差は…
胃や腸に問題があるか どうか

〇なぜ「舌が白っぽくなる」のか?
「正常な舌」というのは、ほのかに赤いピンク色をしている。体の異常で舌が白くなる。舌の表面の白いモノの正体は「苔(こけ)」。舌の表面の細胞が死んで蓄積。通常は「白いモノ」は食べ物で自然と削られていくが、体に異常があると舌の表面にある乳頭とよばれる部分が成長し白いモノが溜まり削られないため白くなってしまう。

〇舌が「白い時」の体の異常とは?
舌が「白い時」は、胃や腸に問題がある。

〇「舌磨き」はしてもよいの?
体の異常を守るバリアの役割にもなっているので、オススメしない。

〇舌の白いモノは「口臭の原因」にならない?
ニオイはほとんど出ない。

〇舌を見るだけで「体の異常」を見分けられる?
(1)舌のふちに凸凹ができるのは、舌がむくんでいて、水分を多くとり過ぎている人。むくみを解消するには、水や酒を控えること。また全身浴をすることもオススメ。
(2)舌の色が薄いのは、栄養・鉄分などが不足している人。貧血の可能性もある。
(3)舌の色が濃い赤色なのは、血液の流れが悪くドロドロな人。心筋梗塞・脳梗塞などを起こしやすいので注意が必要。原因としては、脂っぽい食事の取り過ぎなどが考えられる。

(6)同じ品種でも「辛い大根」と「辛くない大根」の差

(写真)

専門家:三井裕樹(東京農業大学 農学部 准教授)

この差は…
畑の土が「硬い(辛い)」か 「軟らかい(辛くない)」か どうか
部位によっても辛さに差(葉に近い方が甘い)がある。

〇なぜ「硬い土」で育った大根は辛くなる?
大根が成長する時にかかるストレスが影響している。大根の根は「土が硬い」とストレスになって、辛味成分が生成されやすくなる。

〇「辛い大根」と「辛くない大根」を簡単に見分ける方法とは?
大根の表面にある「くぼみの並び方」をみれば分かる。「辛い大根」は、「硬い土」の中でねじれながら成長するため、「くぼみが斜め」になる。「辛くない大根」は、「軟らかい土」の中で育つので「くぼみが真っすぐ」になる。

(7)毛玉が「できやすいセーター」と「できにくいセーター」の差

(写真)

専門家:朝日 真(文化服装学院教授)

この差は…
「素材(繊維)」の差。アクリルやナイロンのような「化学繊維(できやすい)」か ウールやカシミヤのような「天然繊維(できにくい)」か どうか
毛玉は摩擦によって毛が絡まり発生する。

〇なぜ「天然繊維」は毛玉ができにくい?
「天然繊維」も、実は「化学繊維」同様、毛玉がたくさんできている。しかし「天然繊維」は毛玉ができても簡単に落ちやすい。

〇なぜ「天然繊維」は毛玉が落ちてしまうのか?
この差は「糸の強さ」。「化学繊維」は「糸が強い」。「天然繊維」は「糸が弱い」。そのため、「天然繊維」は少しの摩擦で毛玉が取れてしまう。

〇「化学繊維」でも毛玉をできにくくする対処法とは?
毛玉ができる最大の天敵は、摩擦によってできる「静電気」。そこで、「静電気防止スプレー」で毛玉を抑えられる。また「静電気防止用洗剤」も効果的。静電気を防止して、未然に毛玉を防ぐことがポイント!

(8)公の場で「足を組まない日本人」と「足を組む外国人」の差

(写真)

専門家:岩下宣子(マナーデザイナー)

この差は…
「マナーの捉え方」の差。
日本人は公の場で足を組むのは失礼とされる。

〇日本人の場合の「マナーの捉え方」
日本では、「足を組むこと」は、お行儀が悪い、横柄に見えるということで、人とお話しする時は組まない。ひとつには、着物で足を組むと、はだけてしまいだらしないということも。

しかし、欧米では足を組んだ方が良いマナーとされている。

〇なぜ外国では足を組むことが良いマナー?
足を組むことによって「あなたに歯向かいません」、「攻撃しません」とアピールしているから。戦争などで、敵対する相手との交渉の場は、いつ襲われるかわからないと考えられていた。そこで、足を組むことにより、攻撃されてもすぐに立ち上がれない、つまり、あなたを襲いません、攻撃しません、心を開いていますというボディーランゲージが良いマナーとされた。

〇足の組み方によってもマナーに差がうまれる?
相手が自分の右側にいる時は、「左足を上に組む」と自然と体が相手に向くから良い。逆に「右足を上に組む」と相手に背中を向けてしまうので良くない。

(9)平成元年と平成29年の「イルミネーション」の差

(写真)

専門家:丸々もとお(夜景評論家)

この差は…
(1)「神戸ルミナリエ」の登場によるイベントとしてのイルミネーション。
(2)「LED電球」の登場により使える電球の数が爆発的に増加。
(3)「フルカラーLED」による表現力の強化。


〇日本でイルミネーションが広まったきっかけは?
平成7年にはじまった「神戸ルミナリエ」。当時、飾りにしかすぎなかった光を初めて見世物にしたイベントとして、ものすごいインパクトだった。その後、日本にイルミネーションが定着していった。

〇平成15年(2003年)の差
平成15年頃からイルミネーションの世界で「LED電球」が使われるようになった。「白熱電球」に比べて「LED電球」は電気代約1/10、耐久性約10倍。使える電球の数が爆発的に増加。これにより、さらにきらびやかなイルミネーションができるようになった。

〇平成22年(2010年)の差
平成21年以前の「LED電球」は1つで“1色”のみだったが、平成22年以降の「LED電球」は1つで“複数色”を出せるようになった。複数色出せるLEDを「フルカラーLED」といい、600億色以上の色が出せる。

〇今年絶対見た方が良い!最新イルミネーションBEST4
1位:ハウステンボス/長崎県佐世保市
2位:なばなの里/三重県桑名市
3位:よみうりランド/東京都稲城市
4位:あしかがフラワーパーク/栃木県足利市

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