この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2017年4月18日

(1)「アジのたたき」と「カツオのたたき」の差

(写真)

専門家:大山喬之(新宿学園 新宿調理師専門学校 日本料理教員)

この差は…叩き方が違うか どうか
「アジのたたき」も「カツオのたたき」もたたいて作る料理だが、叩き方が違う。

○「アジのたたき」の作り方
3枚におろしたアジの身を叩くように切る。アジは小骨が多い魚で骨を一本一本抜くのが面倒なため、小骨を叩き切り食べやすくする。叩いて切ることから「アジのたたき」という。

○「カツオのたたき」の作り方
5枚におろしたカツオに、塩をふりカツオの臭みをけすため、藁で焼いていく。そして、焼き色がついたところでカツオを細かく切る。その後、塩とポン酢をかけてカツオを叩くことにより、カツオがまろやかになり美味しくなる。そもそも、カツオは血液が多く血合いと呼ばれる部分が多く生臭くなりやすいため、このように塩やポン酢を叩きつけ、身の奥まで浸透させることでその生臭さを消している。

(2)信号機の赤は「アカ」と緑は「アオ」の差

(写真)

専門家:鈴木恒男(慶応大学 名誉教授)

この差は…「緑」が一般的に浸透していたか どうか

○日本には「黒」「白」「赤」「青」の4色しかなかった!
この4色は、空の様子を表す言葉が語源とされる。「黒」は夜の暗闇の空を表す「暗し」。「白」は昼間のはっきり見える空を表す「しろし」。「赤」は朝日が出て明るくなる空を表す「明かし」。「青」は日の出の淡い空を表す「淡し」が元になっていると言われている。日本最古の歴史書「日本書紀」にも「黒」「白」「赤」「青」の4色しかでてこない。その後、飛鳥時代(538年頃)、仏教伝来で「黄色」や「紫」が生まれたが、「緑」はまだなく、「青」と表現されていた。

○「緑」が生まれた時期は?
江戸時代後期(1800年頃)に染物の技術が発達し、様々な色の着物が作られた。その頃、「緑色の着物」と「青色の着物」を呼び分けるために、「みずみずしい」を表す「緑」と呼ばれるようになった。しかし、浸透されず、明治時代に輸入された緑色をしたリンゴを「青リンゴ」と呼ばれた。また昭和5年にできた信号機も緑色なのに「青信号」と呼ばれるようになった。

(3)「上座」と「下座」の差

(写真)

専門家:岩下宣子(現代礼法研究所 マナーデザイナー)

この差は…最も大切な人が座る席(=上座)か、部下やもてなす人が座る席(=下座)か どうか

○床の間がある和室の場合、上座を決める条件は
(1)入口から遠い所
⇒入口から近い席は人の出入りが多く落ち着かないため。
(2)床の間に最も近い場所
⇒床の間は奈良時代に身分の高い方が座る場所として作られたため。
⇒床の間に近い方から席順が決まる。

○洋室の場合、上座を決める条件は
(1)よりリラックスできる長椅子
⇒長椅子がない場合は、入口から最も遠い席となる。

(4)「祝儀袋」と「香典袋」の差

(写真)

専門家:岩下宣子(現代礼法研究所 マナーデザイナー)

この差は…薄い墨を使うか どうか

〇香典袋に薄い墨を使う理由
(1)悲しみの気持ちを表す
⇒涙が落ちて字がにじみ薄い字になってしまった気持ちを表す。
(2)突然の訃報に驚いた気持ちを表す
⇒結婚式は前もってわかっているため、その日を楽しみにしっかり書けるが、
葬式はある日突然なので、墨をすり切れない内に慌てて字を書いてきた気持ちを表す

(5)「二ホン」と「ニッポン」の差

(写真)

専門家:山口謡司(大東文化大学 文学部 准教授)

この差は…
平安時代に中国人の発音をマネした「ニッポン」か、江戸時代に早口な江戸っ子が発音した「二ホン」か どうか

〇自国のことを「日本」と表記したのは飛鳥時代
⇒ただし、当時は「やまと」と呼んでいた。

○平安時代に「ニッポン」と呼ぶようになる
⇒中国(当時:唐)と国交が盛んになり、中国の人たちが「日(ニエット)+本(プァン)」と発音としており、マネをして「ニッポン」となったと言われている。

〇江戸時代に「二ホン」と呼ぶようになるが・・・。
⇒「二ホン」は江戸時代になってからと言われており、江戸時代の国学者本居宣長が「国号考察」のなかで記載している。これは、早口な江戸っ子たちによって<「にっぽん」→「にふぉん」→「にほん」>となったと言われている。ただし、西の地域では「にっぽん」と言われ、東の地域の「にほん」と異なる。そのため、大阪にある「日本橋(にっぽんばし)」、東京にある「日本橋(にほんばし)」と同じ「日本橋」でも呼び方が異なっている。

〇昭和、平成の「二ホン」「ニッポン」論争!!
⇒1934年(昭和9年)岡田啓介内閣に「ニッポン」統一案が提出されるも「結論出ず」。
⇒1970年(昭和45年)佐藤榮作内閣時、日本万国博覧会(大阪万博)を前に国会で議論されるも「結論出ず」。
⇒2009年(平成21年)麻生太郎内閣に、「二ホン」と「ニッポン」はどちらでもいい!という「結論」となった。

(6)「中華料理」と「中国料理」の差

(写真)

専門家:徐 航明(立命館大学 研究員)

この差は…アレンジか、再現か どうか
〇「中華料理」は本場中国の味を「アレンジ」した料理。
〇「中国料理」は本場中国の味を「再現」した料理。

○「中華料理」のはじまり
江戸時代に長崎の出島で、当時の清から料理人が来て四川料理や広東料理を提供していた。そこで弟子入りし料理を習得した日本人の料理人が全国でお店を開いた。その際に当時「清」が「中華圏」と呼ばれていたため「中華料理」と名付けるようになった。その後、鎖国が終わると出島にいた料理人が「四川料理」「広東料理」のお店を開くことになる。

○「中国料理」のはじまり
1949年中華人民共和国が建国し、日本で「中国」という言葉が一般的に広まったため、日本風にアレンジした「中華料理」と差別化するために「四川料理」や「広東料理」は「中国料理」と呼ぶようになった。


■「中華料理」と「中国料理」の差
専門家:真田照久(中華名菜 上海菜館 オーナーシェフ)、孫 成順(中國名菜・孫 オーナーシェフ)

この差は…「餃子の差」
〇「中華料理」は「焼き餃子」。
〇「中国料理」は「水餃子」。
⇒「水餃子」はモチモチ食感のため、主食のご飯のおかずとしては相性が悪かったため。

この差は…「酢豚の差」
〇「中華料理」は「野菜も入っている」。
〇「中国料理」は「お肉だけ」。
⇒「中国料理」では、他のメニューで野菜を取るから、お肉に野菜をまぜると水っぽくなるから等の理由から「お肉だけ」となっている。

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