この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2015年5月24日

(1)【猫の肉球と、犬の肉球】この差って何?

専門家:遠藤秀紀(東京大学総合博物館教授)
この差は…滑り止めがあるかないか

犬の肉球には滑り止めの機能があり、猫の肉球には滑り止めの機能がない。
犬の祖先はシベリアなどの極寒地帯に生息するオオカミで、その生活環境から雪や氷の上でも走ることが出来るように、足裏に滑り止めの機能を持つ必要があった。そのため、今でも犬の肉球はザラザラで、拡大して見ると細かい突起状の構造が観察でき、これが滑り止めの役割を果たしている。
一方猫の場合、北アフリカから西アジアあたりの温暖な地域に生息しているリビアヤマネコが祖先のため、肉球はつるつる。滑り止めの機能はまったく持ち合わせていないのだ。
では、猫の肉球は何のためにあるのか。実は猫の肉球は汗をかくことができ、これにより、体温調節をしているのだ。

(2)同じ吐く息なのに、【冷たく感じる『フー』と、温かく感じる『ハー』】この差って何?

専門家:深井一夫(元横浜国立大学准教授)
この差は…周りの空気を巻き込んでいるかどうか

『フー』も『ハー』も実は口から吐き出されたすぐの温度は、ほぼ同じ35度。
これが口から10cm程度離れたところで温度をはかると、『フー』は約28度、『ハー』は約32度となる。なぜこんなに温度に差ができるのかというと、『フー』は『ハー』よりも風速が早いため、周りの空気を巻き込んで進んでいくから…というわけ。
目に見えない空気の動きは、簡単な実験をすることで体感することができる。
用意するのはラップの芯のような細長い筒。これを口元にしっかりつけて、『フー』とやってみると…
あら不思議、冷たく感じるはずの『フー』が、温かいままになる!
ちなみに、周りの空気が熱いサウナのような場所で『フー』とやると、周りの熱風を巻き込んで逆に熱くなるので、チャンスがあったらやってみよう!

(3)同じ漢字なのに【錦織圭(ニシコリ)と、錦織一清(ニシキオリ)】この差って何?

専門家:髙信幸男(名字研究家)
この差は…先祖が島根県から移住したかどうか

そもそも「錦織」という名字は1400年前ほど前に中国で行われていた職業「錦を織る人々」が、現在の滋賀県大津市に渡来してきたところから来ていると言われていて、その証拠に、大津市には今でも「錦織」という地名が残っていて、その土地は『ニシコオリ』と呼ばれている。
ところがあるとき、このニシコオリさんたちは、当時の武将について一斉に島根県に移動。
このニシコオリさんたちの一部の人々が、短縮形の『ニシコリ』を名乗るようになる。
そしてさらにその後、ニシコオリさんの一部が関東に移住した際、周囲の多くの人々から漢字の読みをそのままに『ニシキオリさん?』と尋ねられ、あまりの間違いの多さに『ニシキオリ』に変更したと言われている。
というわけで、錦織は最初『ニシコオリ』から始まり、島根で『ニシコリ』→関東で『ニシキオリ』に発展したというわけ。

(4)新企画!実は、差があったんです!

専門家:木田明(株式会社東京電力)/添田美雄(NTT東日本)

実は、電信柱には、電力会社所有の「電柱」と、通信会社所有の「電話柱」があった
見分けるポイントは電信柱につけられているプレートを見ると一目瞭然!だが…
なかには、電力会社と通信会社の2社のプレートがついている電信柱も。
実はこれ「共架柱」と呼ばれ、関東では、電柱の下の方にはってある会社のほうが所有者になる。


実は、消防車のサイレンの音には、「ウーカンカンカン」と「ウー、ウー」があった
二つのサイレンの差は火災現場に向かっているか、火災以外の現場に向かっているかの差!
導入時期は全国自治体で異なるが、サイレンを使い分けているのは、一般市民に火災が起きているのか、それ以外の緊急事項が生じているのかを知ってもらうため

(5)実験!どれぐらい「差」があるんですか?
【下ごしらえした料理と、下ごしらえしていない料理】

主婦代表:安田美沙子
専門家:浜田陽子(料理研究家)

この差は…
生姜焼きの「豚肉」の下ごしらえの差
サバの煮付けの「サバ」の下ごしらえの差
ピーマンの肉詰めの「ピーマン」と「タネ」の下ごしらえの差
ご飯を炊くときの「お米」の下ごしらえの差
味噌汁の味噌の下ごしらえの差

まず生姜焼き。生姜焼き用の薄切り肉ではなく、豚のかたまり肉を買ってきて、そこに練りワサビをたっぷり塗りこんで寝かせてから一度蒸す。こうすることでワサビの旨み成分がプラスされ、脂身の脂臭さもとれ、「蒸す」という工程をいれることで固くなりがちな豚肉がやわらかくなる。
下ごしらえ後は、肉の美味しさを感じられる1センチぐらいの厚めにスライスして生姜焼きに!

続いてサバの煮付け。まずはサバに塩をふり15分寝かせ、サバの臭みを取る。その後熱湯をかけ、さらに熱々の油をかけることで身から出た臭みが再び中に戻らないようにする。

そしてピーマンの肉詰め。ピーマンは事前に冷凍しておくと苦味成分が壊れ甘みが引き立つので、ピーマン嫌いの子供などにはもってこいの下ごしらえ。タネには、トマトピューレを煮詰めたものを入れると肉をやわらかくし旨みをさらにアップしてくれる。

極め付けは、ご飯。お米をたくときには全体の水加減の4分の1〜5分の1量の無調整豆乳をいれて炊く。こうすることでお米に足りないアミノ酸を補い旨みを高める。

最後の味噌汁は、味噌をすり鉢ですって味噌の風味をしっかりとたたせ、そこに無糖のヨーグルトを一さじ…こうすることで味噌汁のカドがとれ、まろやかで上品な味わいになる。

(6)【100g1200円のハチミツと、100g7300円のハチミツ】この差って何?

専門家:佐々木正己(玉川大学名誉教授)
この差は…蜂の種類の差

現在販売されている国産はちみつには2種類あり、一つはセイヨウミツバチがとってきたハチミツともう一つはニホンミツバチがとってきたハチミツ。しかも日本の養蜂家のほとんど(99%!)がセイヨウミツバチなのだが、これには理由がある。セイヨウミツバチは人間が飼いやすいように改良されているため、きちんと巣箱に定着し、採蜜量は1年で30Lから40Lにもなる。しかし、ニホンミツバチはそうそう人間に都合よく巣箱には定着してくれないため、採蜜量は1年でわずか5L程度。そのためニホンミツバチがとってきたハチミツは大変貴重で、値段が張るというわけ。
ちなみに。セイヨウミツバチが一種類の花から蜜を集めてくる「単花蜜」なのに対し、ニホンミツバチは様々な花から蜜を集める「百花蜜」と呼ばれるハチミツになる。様々な花の風味や香りが複雑にまざりあったニホンミツバチのハチミツ…機会があったらぜひご賞味あれ!

(7)同じメーカーの同じブランドなのに【「粉末洗剤」と「液体洗剤」】この差って何?

専門家:大矢勝(横浜国立大学教授)
この差は…ドロ汚れに強いか、皮脂汚れに強いかの差

最近ではあまり見かけなくなった粉末洗剤だが、実は粉末と液体ではそもそも得意な汚れが違うという衝撃の事実。粉末洗剤の主成分はアルカリ剤で、これは頑固なドロ汚れを落とすのに最適!野球部やサッカー部のお子さんがいるご家庭ではぜひ粉末をおススメしたい。
一方、液体洗剤の主成分は界面活性剤のため、より得意なのは皮脂汚れ。汗かきお父さんの日ごろの選択は液体でOKというわけ。知られざる洗濯洗剤の「差」…賢く使いわけよう!

(8)男女のシャツで【男性の服はボタンが右側、女性の服はボタンが左側】この差って何?

専門家:朝日真(文化服装学院講師)
この差は…他人に着せてもらうかどうかの差

「他人に着せてもらうかどうか」という答えを聞いて、多くの人が「男性が女性に着せてもらうから?」と想像したと思うが、実は逆!!この差がうまれたのは19世紀後半のフランスだといわれているが、当時ボタンはとても高価なものだったため、一部の上流階級の人だけが身につけられるものだった。そしてその頃の高貴な女性たちのドレスといえば、漫画「ベルサイユのばら」のイメージそのままに、多くがメイドに着せてもらっていたという。そのため、女性のドレスはメイドたちが服を着せやすいようにデザインされるようになったため、男性とは逆サイドにボタンがつくようになったというわけ。
こんなところにも、思わぬ「差」の理由があったことに驚きである。

(9)【平成元年と、平成27年】この差って何?

専門家:
斗鬼正一(日本大学名誉教授)/
梅原純(鉄道ジャーナリスト)/
前澤憲雄(全国きのこマイスター協会理事長)

最近の一部教科書で「ザビエル」が「シャビエル」に、「マゼラン」が「マガリャインス」になった!
理由は…外国の固有名詞は、現地の発音に近い形で表記しようという試みから
平成元年は電車のつり革の向きが窓に対して平行で、かつ丸型だったのに対し、現在多くは窓に対して垂直で三角形になっている!
理由は…電車会社の想定では、客は進行方向に向かって立つと考えられていたため、つり革は窓に対して平行につけられていたが、現実は、多くの客が窓外を向いて立つことが発覚。そのためより安定して持ちやすい向きに変えられることになり、そのタイミングで形もより握りやすい三角形が採用されることになった
平成元年の頃「しめじ」として売られていたものは実は「ヒラタケ」というまったくの別種だった
理由は…かつて「しめじ」は一部地域でしか栽培されていなかったが、平成2年にその栽培方法が公開され全国での栽培が可能になったため。

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