台本を読んで思ったことは、ドラマの撮影が始まるまでに思ったことですが、自分が思うよりもさらにおもしろがって演じた方がよいのかなと考えていました。例えば、台本上ではそれほど抑揚のないやり取りだとしても、上野樹里さんや西田敏行さん、荒川良々さんなど一緒に演じる方たちを想像すると、台本の文字だけで読んでいるのとは全然違うと思うんです。個性的な方が集まっているので、その化学反応を楽しむことで良い方向にいくだろうと想像しています。
ホームドラマというと、坦々と静かに流れるような雰囲気になりそうですが、僕の役も変わった人物ですし、このドラマはそうならないと感じています。大介のような人って、職場の中だったり割りと身近なところにいると思うんです。そんな大介を中心として、個性的なキャストのみなさんとのぶつかり合いが、コメディとして楽しいものになるだろうなと感じています。
大介の印象は、いいヤツじゃないなと思いました(笑)。そんな大介が、これからどう変わっていくのか、楽しみなところではあります。共感する部分を言うと、几帳面なところだったり自分のルーチンがしっかりしているところでしょうか。 僕、本人としてはあまり細かい男だとは思われたくないと考えているのですが、よくよく考えてみると何事にも細かい方だと思います。でも、表の部分ではそう思われないように、いろいろと堪えているところもある。そんなことを考えると、大介のようにここまでハッキリと自分のスタンスを突き通せる、突き抜けている部分は悪いことではないとも思います。だからこそ結婚ができないのでしょうし、僕が超えないようにしている部分を、大介は超えているのだと思います。
今回のドラマでは、なぜだか「アドリブを期待しています」ということをみなさんから言われるのですが、僕は基本的にアドリブは言わない方です(笑)。アドリブを言うにしても、その次のセリフに影響のない範囲ですよね。
一方、西田さんとは「THE 有頂天ホテル」という映画でご一緒させていただきましたが、すごく物静かな感じで、本番を迎えるとアドリブを繰り出して、次の本番ではまた別のセリフを言われるんです。このドラマの撮影でも、たくさんアドリブをされているので、楽しみにしています。
今の話とは全く逆ですけど、二人のやり取りの場合、ほとんどアドリブでも良いかななんて思っています(笑)。上野さんとお芝居をしたときの、全く勝手なイメージですけど、大まかな流れを組んでおけば、おもしろくなるような感じがしています。共演するのは初めてですが、何故だかそんな気がしています。
家族といってもそれぞれに個性があって、個々がしっかりしている家族ほど、すごく仲の良い印象があります。干渉するのではなく、心の奥底で常に見守り続けている、そんなイメージでしょうか。それとは逆に、家族とは公あるべきと、お互いを締め付け合うような関係だと崩れてしまいやすいかもしれません。それにしても、いろんな番組のロケでいろんな家族の形を見ていますが、本当にいろんな形があると思います。
最近、ホームドラマというのは珍しいと思いますし、僕自身も最近では見た覚えがありません。日曜劇場ということで、日曜日の夜にテレビの前に家族で集まるという方がどれだけいらっしゃるかわかりませんが、このドラマを見て「懐かしいなぁ」と思う方もいるでしょうし、これが初めてのホームドラマという方もいるはず。こんなドラマもあるんだなと感じてもらいつつ、自分の家族の形を考えてもらっても良いし、これからできるであろう家族の形を想像してもらうきっかけになればよいと思います。